IIIKのモデラー三昧なフロク

  これまでに完成させた作品です。
  このページは、コミック「ファイブスター物語」に登場するモーターヘッドの模型を紹介しています。







         テーマ: SFの乗り物
         日時: 2015年3月3日

- 強帝の幻像 -
Yagd Mirage Green Left Demon
海洋堂 1/220 ヤクトミラージュ ガレージキット



        



いつか作るかも、という予感は…

どれがどこに付く部品かわからない・・・五里霧中のパーツ構成。
無我夢中で製作にあたり、ようやくく完成しましたヤクトミラージュ。

このキットを所有されるオーナー様からのご依頼で製作させていただきました。完成の喜びも
本当に大きいのですが、製作の期間が長かったのと苦労した箇所がたくさんあったせいか、感
覚が麻痺してしまって、なんだかヤクトの完成品が目の前にあるのが不思議な気持です。


1990年代後半に、ガレージキット業界に衝撃を与えたといっても過言ではないこのボリューム
満点のキット。大作志向でありながらも、天才 谷 明さんの仕事らしく細部まで破綻なく見事に
造形されている傑作GKです。

それ故に結構、ご製作・完成されているF.S.S.モデラーの方も少なからずおられます。しか
し、「ヤクトミラージュが好きだから」、「放浪のアトロポス編に感動したから」という動機
だけでは、なかなかおいそれと作りにかかれない強者キットです。

海洋堂 1/220ヤクトミラージュ・キット製作の恩恵について。
これまで漫画本編やムック「ツインタワー」でまじまじとヤクトミラージュの画稿を観つづけ
てきた割に、実際はまったくといっていいほどヤクトのデザイン・構造(と何故こういう意匠
になっているかという意味)、そして基本であるカラーリングさえも理解できていなかったこ
とを痛感させられました。


これに対して、当該キット製作の過程でひとつひとつのパーツと、時間をかけて向き合うこと
で、隅々までヤクトデザインの妙を堪能できたことが成果のひとつです。これこそが、立体モ
ノという模型づくりでしか得られない、大きな愉しみのひとつと考えます。


それにしても、完成品は巨きいです。
暫定で用意した黒い台座の面積で約30cm x 40cmになります。大キットの製作ということでも
久しぶりでした。キットに、同スケールのフィギュアなんか付いていると、ヤクトの巨大感が
伝わってきてなおいいでしょうね。


さて、今回でお腹一杯になってしまって、当分ヤクトミラージュのご製作はできそうにありま
せん。将来もっと腕が上がったら、またこの「みどりのうさぎ」と対峙してみたいです。

最後になりましたが、このマスターピースキットの製作オーダーをくださいましたご依頼主
様、本当にありがとうございました。大変佳い経験になりました。








       








       








「やってみますのミドリです」(?古

このヤクトミラージュの塗装と仕上げについて。

外装パーツ
今回、ご依頼主様からいただいた仕上げイメージの希望は、「濃いグリーンで。悪魔のMHらし
いイメージに。ツヤ消しではなくてツヤありで」等々。そして、オプションオーダーでパール
コート仕様に。

いつもは基本的に艶(あで)やかなMHのカラーリングを再現することが多いのですが、今回は
「グリーン・レフト・デーモン」なので、装甲カラー部分はやはりおどろおどろしい印象にな
るように検討しなくてはなりません。その一方で、他のMH完成品に外観性訴求の点で負けない
よう、パールコートで仕上げるという、一種方向性の矛盾。

いろいろ頭を悩ませ、自分なりの回答をだしました。

まず、調色で用意した濃緑色(MSザクの胴体のような色)を外装パーツすべてに塗装。次に、
その濃緑色に暖感と明度アップとなるタマゴの黄身色を加えたカラーを、各パーツの面毎に
AFVの陰影塗装法でのせていきました。ヤクトは巨大なMHですので、こうしたグラデーション
効果も必要かと。


ここまでのソリッドカラーによる色合いのイメージは、ムック「ツインタワー」に掲載されて
いる、ヤクトミラージュ単体の姿の画稿カラー(青味がある緑)ではなく、ツインタワー仕様
の方の画稿のカラー(カーキと黄味が入った緑)が好みなのでそちらに合わせています。


この完成ギャラリーページの画像は、どれも外装に施したグリーンパールコート(照明でパー
ルの顔料色、反射・透過が強調される)の影響で色目が変化して写っていますが、パールの演
色性を抑えられる露光アンダーで撮影した、下の真後ろの画像が、実際の塗り色の雰囲気に近
いです。ミリタリー系過ぎないカーキグリーンという感じで。ちなみにソリッドカラーまでの
状態は半ツヤです。(嗚呼ややこしい)


この後、そのグリーンカラーの上に、ハイコンクに調合したグリーンパールクリヤーを、ウェ
ットオンウェットで2コートしています。この際、いつものMH仕上げと違って、ツヤがで過ぎ
たり、クリヤー層が厚塗りにならないように、シンナーでシャバ位に希釈しています。


すると、エアブラシで吹くのが、垂れを気にして余計大変なるのですが、とにかくじっくり
と。細部や奥まった部分に吹き付ける際は、エアの流速を抑えないと色が付着しにくくなるの
で、エアブラシ吐出口のニードル(パターン側)キャプを外して吹いたりします。(慣れない
人は真似しないでください)

残念ながらパールコートを施した段階で、ハイコンクに設定したパールクリヤーには、ある程
度の隠蔽性(この場合は、下の色を覆い隠す顔料性質の意味)が発生するので、折角のカーキ
グリーンのグラデーションが隠れてしまうのですが。


外装部分だけでも、大小パーツがすごい数あるので、すべてのパールコートを終えるまでまる
まるふた晩かかってしまいました。いろんな意味で、すでに羽化登仙の精神状態。








        


      本編風にアオリで。 「冗談だろお・・・汗」(イアン・ケーニヒ)









        


        ダレた歩き方に見えますね。でも本当は恐ろしく俊敏。








フレームカラーなどについて

塗装と仕上げについてのつづきです。
フレームカラー
多くのモーターヘッドの内部メカ・フレームのカラーは、濃い目の色が多いのですが、ヤクト
の場合、外装が濃い緑のせいか、明るいブルグレー系であるのが何ともお洒落です。

フレームカラーの再現は、やはりムック「ツインタワー」の画稿イメージに準拠で。わたしが
よく使う既存カラーの「ドイツ機下面色RLM78ライトブルー」と「エアスペリオリティブル
ー」を混色しました。混合比率は6:4で。


この半ツヤ調色に、やはり付加価値としてメタリック顔料を加えています。画像で照明に反射
していやに光ってしまうのは、このためです。

ここで加えるメタリック顔料については、クレオスのスーパーメタリックシリーズの塗料では
メタリック顔料が小さすぎるので、ソリッドカラーに混ぜても効果薄なので使わず、レギュラ
ーカラーのシルバーから採ります。


パイピング(・エキゾースト)のカラー
こちらも画稿のイメージに添う形で。既製品カラーの「軍艦色(2)」と「ミディアムブルー」の
混色で再現。混ぜ合わせる比率は・・・忘れました。

こちらも半ツヤで、フレームカラー同様メタリック顔料を加えています。ただし、ギラギラし
すぎないように少し。


ワーニング・ボーダー
前腕のプレート、スネ前面にペイントされた白とオレンジの警告模様、そしてスタビライザー
の最後尾の羽部分について。ほんの少しグレーがかったオフホワイトにホワイトパールクリヤ
ーをコーティング。オレンジはサファリオレンジ(若干白を加えたもの)にイエローパールク
リヤーをコーティングです。

オフホワイトのこの仕上げは、ベイルのアウトライン、肩部イレーザーユニットの細い骨組み
のジャンクション(継ぎ目)、副腕・副脚の爪先、胸の最前部下の箇所なども同様です。


アイコンタクト、胸部下側
ヘルメットで見えにくいですが、フェイスの上についている格納状態?のアイコンタクト、胸
部下側の部分は、ツヤ有りブラックで塗装後、パープルパールクリヤーでコートしています。
黒色の上にパールを乗せると顔料の演色性が高くなるので、コートは加減をみています。



動力パイプなど
以降は今回クレオスのスーパーメタリック系カラーを使用した箇所です。
細い動力パイプ系は、永野先生の画稿では本来オフホワイト(エッググリーン?)なのです
が、ご依頼主の希望で今回は明るいシルバー「スーパーファインシルバー」、「スーパーアイ
アン」で塗っています。メタリック顔料やパール顔料は、小さな面積のパーツで面倒でも、必
ずエアブラシで吹きつけ塗装しないと、塗膜内で顔料がきれいに整列しないので、塗料本来の
性能が発揮されません。


腹部など
腹部やベイルのメカ部、スタビライザーは「スーパーアイアン」にブラックを加えた黒鉄色
(ガンメタ)
す。

ヒザ、足首など
ヒザの突起、足首カバーの装甲、足の甲、両ヒジの突起部分は「スーパーファインシルバー」
です。リターダー入りシンナーで希釈したものを、エアの流速を落として微粒子メタリックの
高輝感がでるように丁寧に吹いています。こうした部位も、画稿ではエッググリーンのカラー
になっていますが、オーナーのご意向でシルバー仕上げに。模型では映えますね。


実剣
実剣については、刃の部分は「スーパーファインシルバー」。塗り方は上と同じで。柄の部分
は、「スーパーアイアン」、「スーパーチタン」、「スーパーゴールド」で塗りわけをアレン
ジしています。


ジェクター
本体部分は、「ミディアムブルー」と「軍艦色(2)」の2トーン。羽の部分は、「スーパーア
イアン」で、画像では見えにくいですが上辺の骨部分はマスキング塗装で「軍艦色(2)」に塗
り分けています。









        


             ヤクトは斜め上から見ると面白いです。









         


        パール塗装の反射を抑えて撮影。元色の緑はこんな感じ。











        


  「HA! HA!! 今度は目玉を焼きつかせるんじゃねえぞ パルテノー!!」(シャフト)









ドラゴン・・・なんとか

製作の苦労話は、「ヤクトミラージュ製作レポート」のページの方で、コメントしていますの
で割愛します。印象に残っているのは、件数を失念するほどのスジボリの彫り直し、延々とつ
づくスケルトンアーマーの整形・表面処理、小さなパーツの組み付け調整・・・です。


完成品の展示については、ご覧になってわかる通り、重心が上半身(肩の大きなユニット)に
集中しており、また両足の接地面積が相反して小さいため、立たせると不安定です。巨大なベ
イルのスタンド(支柱)が付属していますが、この3本目の足があってはじめて自立している感
じです。


したがいまして、暫定で展示用のプレート状の台を用意して、両足裏とベイルスタンドに軸打
ちをして、固定しています。軸打ちの位置としては、細いヒールに重心をかけると負担になっ
てそのうち曲がりそうなので、爪先側に乗せるポージングにしています。


この後、オーナー様への完成品の発送・納品が控えているので、台との接着・固定していませ
んので、微妙に接地が浮いていますが、最終的には接着・固定した方が安定します。(納
品・・・、パーツ分割とパッキングが、過去最高にナーバスな仕事になりそうです・・汗)


あと、キットのポージング設定自体、前傾姿勢だったので、股関節の位置で調整して身体や顔
が前方を向くように調整しています。







                       


       ご尊顔。1/100 MHのフェイスより小さいサイズ。
       下からライトアップして何とか撮影できました。








                       


          右の副腕。こういう形で格納されています。








                    


          左の副腕はベイル保持の仕事をしています。










                         


        ドラゴン何とかの副脚です。半ば折りたたまれた状態。














    ー ここからキットの製作レポートです ー






    みどりのうさぎ 製作レポート
         Sweet Little ? Rabbit



                   


             これぞ模型業界のパンドラの箱。

複雑怪奇なガレージキット

・・・大きな箱のキットですね。
かわいい緑のうさぎちゃんです。ついに製作をスタートしました。
この海洋堂の1/220スケールのキットは1996年末製。いくつかある「ヤクトミラージュ」のガ
レージキットの中でも初期の品ですね。たしか『ガンダムX』のプラモを買い漁っていた頃で
す。


HJ誌の同社モノクロ広告で、「天才 谷明がまたやった。」、「さあ、遂に世紀の超大作の発売
です。」というコピーで宣伝されていたのを覚えています。もう20年前なんですね・・・ と
いうことは、「放浪のアトロポス編」も10年以上前に描かれた作品ということですね、早い。
日進月歩、光陰矢のごとし。


スケールは1/220となっていますが、完成すると全高で36cmあり実際かなり大き目の造りにな
っているようです。谷明さんはこのキットの後にも、もう一度本当に1/220スケールで完成時
全高22cmの緻密なヤクトキットの原型を製作していますね。こちらはたしか1999年末頃か
ら。ニューアルキットとして同社から発売されていました。ベイルが2つのやつ。同氏なりのリ
ベンジなのかも。


とはいえ、業界やF.S.S.ファンに最初に強烈なインパクトを与えてくれたのは、やはり今回の
キットの方。見れば見るほどわけのわからないデザインの「ヤクトミラージュ」を見事に立体
化されただけでも、当時は驚異的な存在でした。谷 明さんの造形らしく、とにかくパーツが細
分化されて設計・造形されています。当時としては価格も破格(59,800円)でしたが、それに
相応しくパーツの構成も数も凄いことに(汗)。。。


さて、いざ作ろうとしてキットの箱を開けて、しばし唖然・・・としてしまいますが、ここは
日々少しずつ前進して完成に近づけていくしかないでしょう。じっくり、こつこつ前進あるの
み。


所感では、20世紀までに生産されたガレージキット製品というものは、キャストの抜き・品質
にバラつきがあるケースが普通で(80年代の品は作れない場合も・・・)、場合によっては製
作にあたってかなり懸案な部分となります。今回の品もご多分に漏れず、やはり抜きの精度は
今日のガレージキットの品質と比べると、いささか眉根を寄せたくなる内容です。

それと、経年による変化というか変質というか、パーツの歪み(塑性変形)がかなり散見でき
ます。お湯でできる限り元の形状に戻していきます。







パーツの1次整形整面・表面処理からスタート

当該キットのカラーパンフレットスタイル(豪華)になっている組み立て説明書に目を通しな
がら、なにわともあれ入念なパーツチェックからスタートしました。(キットを買ったらすぐ
やりましょう。ガレキ製品は何が起こるかわかりません) わけのわからんパーツが200弱もあ
って、かなり時間がかかります。


この後、パーツからランナー・バリなどを切り離して、すべてのパーツの1次整形・表面処理か
ら取り掛かっていきます。一般的にはパーツチェックの後、離型剤落としに漬けてからゴシゴ
シ洗浄、というのがパターンかも知れませんが、わたしは先にヤスリとペーパーで1次整形・表
面処理をやってしまいます。

それから洗浄した方が、プラシで掃い残した細かい削りカスとかも洗浄で落せて合理的だから
です。プラサフを吹く段階では、本当に視認できなかったような僅かなキズ、見落としだけに
しておきたいものです。


それと、モールド(スジボリ)の彫り直しも徹底的に、この過程でやってしまいます。もう10
年近く前のキットなので、成形の段階でスジボリは不安定かつ埋まり気味で、やはりひとつひ
とつ彫り直さないとダメみたいですね。したがって、実はこのプロセスが最初にして、一番体
力使う作業となります。


それにしても、1/220スケールとはいえ流石のヤクトミージュ。めちゃくちゃ体力と時間を費
やしてしまいました。実は、だーいぶ前から製作に着手していたものの、まったくの牛歩状
態。

通常の1/100スケールクラスのMHガレキなら、もう完成しているくらいの期間がすでに経過し
ています。こうした体力や時間配分に対する考え方はハード系の模型作りではとても大切で、
途中で疲労困憊して挫折・断念してしまわないように(余裕を持って、次手に移れるよう
に)、自身をコントロールしなければなりません。

では、各部位のパーツごとに画像で。まだ地味な作業工程なので、あまり面白味はありませ
ん。






         


このキットには、これだけのメタルパーツが用意・付属されています。繊細で鋭利な意匠のパ
ーツが多いヤクトミラージュなら、当然のこと。

ヒモのような部品は、肩から伸びる引き摺り系「スタビライザー」を構成するもの。羽のよう
なパーツは、「エジェクター」6個分。こういうところが永野メカらしさですね。あとは、細か
なパイプ類や手の指のパーツなど。


メタルパーツは、ヤスリやペーパーで整面・表面処理していくと手(指)が真っ黒になるの
で、キャストパーツを触る前に、軸打ち処理まで全部先に片付けておきます。ピカピカになる
まで。これだけで土・日曜を費やしてしまいました。









        



ここから膨大な量のキャストパーツの整面・表面処理に入ります。プラサフを吹く前に、視認
できるところは徹底的に。


画像のこれらはパイプ類のパーツ。細かいパーツ類から、だんだん大きいパーツの処理へと移
行していくのが、いつものやり方です。細かいパーツを扱う方が精神的に疲れるから、先に済
ませておきたいのです。

複雑怪奇な「パイピング」と「スケルトン」構造は、ヤクトミラージュ・デザイン独自性の記
号みたいなものですね。すべてのロボットの中で、一等ややこしいデザインなのかも。


小さい画像なので見えないでしょうが、これらのパイプ・コード類には、細かいスジボリがい
ろいろと入っています。パーティングライン位置では、やはりズレたり埋まってしまっていま
す。こうした中途半端な深さのモールド類は、サフ吹きまでは埋まらなくても、上塗りカラー
をコートしているうちに埋まったりして、スミイレがきれいにできなくなることは必至です。


ケガキ針、モデリング・ソーで、ひとつひとつ丁寧に彫り直しておきます。(だからこそ、時
間がかかるのですが) 紐のような細いパーツの場合は、少しでも深く彫り過ぎると脆弱になっ
て、パーツがポキリと折れてしまうので気をつけます。








          
          



外部装甲で比較的小さな部類のパーツ群です。
細いパーツは全般的に、微妙に歪んでいたりします。
どれが当該騎体のどこの部位に付くパーツなのか、初見では半分以上わかりません。理解不
能。早く頭の中に叩きこまねば後々苦労しそうです。有事の際のパーツ紛失にも気をつけま
す。

上の画像の、左上の長いパーツは、頭部のウサギの耳の部分ですが、経年で?恐ろしく歪んで
いました。大分戻しましたが、もう一度矯正します。頭部のヘルメットのパーツに取り付け
て、接着ラインをパテ埋めする仕組みになっています。








         



こちらは外部装甲・中サイズのパーツ群です。
標準的なモータヘッドと比べても異形ですね。
画像下段の中央の4枚のプレートは、前腕につく、例の「見てしまったけど、見なかったフリし
ないと後で怖いよ」ワーニングの白とオレンジのボーダーカラーリングのやつ。ここもスジボ
リが埋まってしまって・・・。

モデリング・ソーでちょい深めの0.5mm位の深さの溝を均一に彫り直していきます。斜めにな
っているせいか、何だか予想に反して難しい作業でした。これをしておけば、塗装工程でマス
キングがきれいに仕上がります。









        



支持アーム類です。
踵のアンカーとか。副脚の爪とか。やはり全般的に歪んでおります。細いパーツはもう致し方
ないですね。








         
         



内部フレーム類(もしくは外装一体)です。
このくらいのサイズのパーツになると、何となくどれがどこの部位のパーツかわかりますね。
入り組んだ構造のパーツなので、ペーパーを当てるのも大変です。


わたしは奥まった部分まで、とにかくパーツの全面にペーパーを当てます。整面効果と、塗装
時の剥がれ・塗膜剥離を防ぐために。とくにマスキングテープを貼る箇所は入念に。洗浄作業
の際、硬いハブラシとクレンザーでゴシゴシだけでも結構いけますが、わたしは念には念を入
れてやっています。








        



でました、ヤクトミラージュの代名詞ともいえるスケルトン・アーマー類です。
・・・なんですか、これらのパーツは。。。 整形整面して表面処理するだけで、ふた晩かかっ
てしまいました。夜の12時頃から作業を始めて、気がついたら窓の外が白んで小鳥がチュンチ
ュンって(汗)・・・。時間がぶっ飛ぶえげつないパーツです。


プラモでもガレキでも周知の通り、パイプ、コード、砲身などの円柱状のパーツって、まず綺
麗に成形されることはありません。現代においても鬼門です。円心がずれたり、断面が楕円に
なったり、位置によって直径が変動したり。とくにキャスト成形のガレージキットのパーツで
は、この傾向が顕著でえらいことになっています。こつこつ精密ヤスリと細かい番手のペーパ
ーで成形していくしかないですね。


とにかく繊細な構造のパーツなので、ちょっとでも力を入れすぎるとポキリと骨折してしまい
ます。じっくりじっくりと・・・。橋桁構造になっている間の研磨は通称大越さんステッィク
のカートリッジをたくさん用意してちまちまときれいにパーティングラインの表面処理をしま
した。

でも、こうした複雑怪奇なパーツを美しく仕上げてこそのヤクトミラージュなんですよね。見
せ所ですし。








         



巨大なベイル。メトロテカクローム製の実剣のパーツですね。
そして、付属のベイルスタンド(大切)
予想を裏切らず、薄くて長い剣パーツは、かなり湾曲していまして、お湯で大分戻しました。
仮組みの後にもう一度、お湯&冷水で矯正します。





・・・ふう。いったんここまでの作業で、休みをとりました。
数多くのパーツに対しての繊細なヤスリとペーパーの研磨作業で、利き腕と指がゴギゴキにこ
ってしまいました。ペンで字が書けない。左手は洗浄作業のクレンザーで皮膚がボロボロで
す。まったく模型は触らない日を1・2日とった方がよさそうです。


ここまでで、全体の作業工程の5分の2といったところです。精神的には、ここまでの1次整
形・整面処理が一番ツライ部分なので、かなり気が楽になりました。この後、お楽しみ(調整
地獄?)の仮組み。それが終わったら全パーツにプラサフを吹いて、パーツの2次整形・表面処
理へと進んでいきます。
















仮組み・調整作業へ

さあ、休養をとって充電できたので作業再開です。指の痛みも治りました。
プラサフを吹く前に、すべてのパーツの軸打ち処理と、仮組みをしていきます。

20世紀までに製造されたガレージキット製品については、少し偏見があって、正確な設計・キ
ャスト成形という部分にについては、どうしても懐疑心を持ってしまいます。大半のパーツが
カチッとスムースに組んでいける方が不思議というか。今回のキットも予想を裏切らず、手強
い造りになっているようです。


焦らずじっくり、確実に仮組みをしていき、各パーツの合いなど調整をしていく大切な工程と
なります。最終的には、プラサフを吹いてからもう一度確認をします。

軸打ちに使う金属線はわたしの場合、真鍮、アルミ、ステンレス、鉄と様々です。硬い金属線
は、とくに細かいパーツの軸打ちには適さないと思います。パーツを傷めますので。あと、ア
ルミも白く錆びる(腐食します)のでご注意を。ちなみに今回使う金属線の径種は、0.5mm、
1.0mm、2.0mmです。

では、各部位毎の組み立てや調整項目などを画像とコメントで。





         


まずは、頭部の組み立てと調整から。
当該キットで、ひとつの山場といえる部位でしょう。不等長5本集りのエキゾーストパーツ(外
燃機関なのに・・・10気筒?)の取り付けが微妙です。こうしたパイプ類は、頭部側パーツに
対して取り付けの設置面に隙間があると興冷めです。入念に接合面がピタッーと来るように擦
り合わせを行います。


エキゾーストパーツの組み立てと接続の調整だけで、左右で1時間半を費やしてしまいました。
こういう繊細なパーツは、パテを盛ると研磨過程で変形したりして形状修正のコントロールが
難しいので、極力使わないようにして隙間を調整します。画像だとまだ接続箇所に若干隙間が
見えますが、接着・固定するとビシッと付きます。

5本のエキゾースト・マニホールドに対して、軸打ちは両端と真ん中の3本で。中央のマニホー
ルドは、別パーツから組み立てる仕組みです。


あと、ヤクト頭部デザインの特徴にもなっている、頭頂部の尖がったうさぎの耳のパーツは、
軸打ちでヘルメットに接続・固定してから、シアノアクリレート系パテで合わせ目を埋めて表
面を面イチに。うーん、カッコいい。

チンガードなど細かく・薄い部品はメタルパーツになっていますね。








         



一見、何の部位かわかりにくいですが、胸部ユニットなのです。
通常のモーターヘッドと比べて、肩同様、かなり複雑怪奇な構成になっている部分。組み立て
ながら、「ははぁ、こうなってこうなるのか・・・」(呆然)という顛末。やはりパイピング
もありますね。複雑だけど、不思議な素敵デザインです。


頭部を支えているのは、このキットの場合、竜骨系首の骨のパーツだけです。ロクロ伸びるん
ですよね、漫画本編だと。あの演出は凄かった。

苦労したのは、胸部上辺から顎方向へ伸びている動力パイプの取り付け。両端の断面が半円構
造になっていて細すぎて軸打ちできないくらいです。


この画像で、肩のフレームユニットに見える部位はまだほんの序の口で、ヤクトの場合肩の根
元にしか過ぎません。今更ながら、どうやって塗装していこうかと(滝汗)









         



蛇腹状になっている腹部です。
ここではシリンダーや動力パイプ、フレームの接続について。

他のMHでは、あまり見かけませんが、ヤクトの場合、蛇腹の脇に細い動力パイプが伸びていま
す。別パーツになってくれてはいるのですが、案の定左右とも長さが足りず、またマチマチの
長さです。せめて、長さが余るくらいの方が作る側としては助かるのですが。

したがいまして、長さ調整のために、腹部パーツ接続箇所の方に市販のOリングを取り付けて
います。


股関節の上辺に、小さなクの字型のメタルパーツの取り付けがあります。梁というか橋渡しの
ような感じになるので、軸打ち後、接着・固定して合わせ目ラインをパテで埋めて面イチの処
理をします。

股関節下側には、MHのパターンでシリンダー部位があります。ここも軸打ちをして隙間調整の
後、接着してしまいます。








         



これは、股関節の上にマウントされるメインアクスル部位のユニット。
こういうのも、他のMHではなかなか見当たらず、ヤクト独特の構造ではないでしょうか。
画像の状態のような感じで、斜め前屈みにのっかるのが正解。アクスル本ユニットにスケルト
ンアーマーがかぶさり、さらに上から2本のパイピングをする構造です。

ひとつの上の画像でパテ埋めしていたメタルパーツのところは、整形・面だしを済ませてあり
ます。


・・・余談ですが、パーツの大きさとしては、この腹部だと、ちょうど1/100スケールのMHキ
ットと同じか、少し大き目ぐらいです。頭部・胸部・腹部・手首はそんなサイズで、他の四肢
などが異様にひょろ長いんですよねヤクトは。あと、肩のボリュームが凄い。







         


脚部です。
デルモビッチスタイルでひょろひょろと細長い足にピンヒールという永野メカの真骨頂。
フトモモ上辺の外側に付く副脚以外は、普通のMHキットと同じような感覚でスムースに組んで
いけました。全体的に大きく、尖ったパーツが目に付きますが。


画像で、踵のアンカーの下に小さなパーツが2つ転がっていますが、ヒールの根元側面に取り付
ける部品です。内側と外側で形状が違うのですが、組み立て説明書の指示だと、どうも漫画本
編で描かれていた内容と逆みたいです。本編仕様を優先します。








         


つづいて、副脚部位のアップです。
3本の骨で折りたたまれている構造。完全駆逐目的のE型ミラージュとして「ツインタワー・モ
ード」になってバスター砲をぶっ放す際、四つんばいになって支える役目だとナントカカント
カ・・・興味津々。そういう絵もまたいつかぜひ拝見してみたいですね。


副脚や副腕は、画集ムック『ツインタワー』で詳しく図解されていて結構好きな部分です。こ
のキットの完成見本だと、副脚はもう少しきちんと3本の骨が折りたたまれていますが、画像の
ように少し開き気味の方が、見易く、動きがあって見映えがしてよいと思います。それにして
も爪先は、どうして中1本だけメタルパーツ? この爪先も結構なスジボリの彫り直しがありま
した。


これらにともない、副脚の外側につく装甲もほんの少し隙間をつけておきます。このキットで
設定されている固定ポーズは、歩きスタイルですし。詮ない直立不動スタイルではないので
す。








         
         


肩から腕部の構成です。
脚部と違い、構成が複雑でパーツ数も多く組み立てるのに結構時間がかかる部分でした。滅茶
苦茶入り組んだデザインで、何処に関節があるのかさえわかりません。


上の画像が右腕で、ほぼ装甲まで取り付けたアッセンブリー状態。前腕のコーションカラーリ
ングのプレート状装甲(ソードストッパー・・・ではないですよね)だけ外しています。前腕
の外側には副腕が折りたたまれており、このような形でぺタッと収納されています。

指は、左右手首とも親指以外メタルパーツになっています。実剣はまだ少し曲がっています
ね。後でもう一度矯正します。


あと、大きな肩関節フレーム部位を覆う装甲カバーの上に、さらに菱形の小さな装甲カバーが
付いているのですが(レッドミラージュと同じ)、画像の通り少し開き気味にしておこうかと
思います。

キットの完成見本写真だと、ぴったり閉じているのですが、せっかく裏面のディテールも造形
されているパーツだし、窓も開口されているので、ちらりと見せた方が動きがあっていい感じ
がします。


下の画像は左腕で、各箇所の装甲パーツを取り付けずに並べたところ。こんなにあるんです
ね、もう絶句。まだ画像に写っていない小さなカバーパーツが2種類あります。副腕は右腕と違
って、ベイルを持つ役目があるので展開状態になっています。・・・って、こんな細腕であん
なに質量のある巨大なベイルを実際には持てるの?


肩口脇の下にコードがついています。やはりここも、コード取り付け位置の両端は、市販のO
リングを取り付けて、コードの足りない長さの補佐、外観性と見映えの向上を。









         
         



肩の上にのっかる、巨大なイレーザーユニットスケルトンアーマーです。
なんかビンの値札が写ってますが気にしないで。この部位こそ、組み立てるのが大変です。エ
キゾーストのパイプがあっちこっちに忙しくレイアウトされていて。やはりパイプの末端接続
箇所に隙間が出来ないように、軸打ちしつつ細かく調整していきます。


上の画像がアッセンブリーで、下の画像が構成パーツを並べたところですね。こんなにも複雑
でややこしい・・・永野 護先生はなんと2次元でこれを描ききったわけです。グレートな鬼
才。頭の中は異次元レベルなのでしょうね。。ともあれ、ヤクトMH本体とのサイズバランスか
らしてもこのイレーザーユニットが大きいのは、やはりツインタワーの際の余剰エネルギー供
給を見据えてのことなのでしょうか。








         


スタビライザーです。
他のMHのスタビ位置同様、MHの不文律で、背中からではなく肩のエンジンユニットからずー
んと伸びています。ヤクトのは先端のデザインに羽がついていて派手ですね。こういう脆弱そ
うな構造のパーツをメタルパーツにしてくれているのは本当に助かります。


ご覧の通り、片側で3本分を連結していくと、かなり重くなりますが、地面に引きずるように置
くので問題なし。末端の羽パーツは軸打ちをしてあり、いったん仮組みの確認をした後、塗装
の保持が利くように長いままです。

画像右上は「エジェクター」です。かの時、ソープを見守っていた子です。こちらは6セットあ
ります。








        



・・・何ですかこれは。新種のハンガー?
お楽しみの、胴体に頭部と四肢をくっつけてみました。胸部(胴体)と肩までがこんなに距離
があるのは、やはりエンジンマウントの都合でしょうか。人間の骨格とはまったく違います
ね。筋骨隆々というよりはガリガリの骨骨メカで、そこが魅力です。


このキットは、谷さんがプロになりたての作品とのことですから、すごくご苦労をされたんで
しょうね。(完成した直後に高熱を出されたとかの後日談あり)。しかし、苦労の跡はパーツ
からは伝わってこず、ほとんどパーフェクトな造形なのは流石です。








        


仮組みのオーラス。頭部・胴体に四肢を取り付けて立たせてみました。装甲なしの状態で。
やはり大きいです。目分量で40cm弱といった印象。その割にはヤクトデザインの狙い通り、軽
いです。


画像ではわかりにくいですが、結構前かがみのポーズ設定になっています。カメラアングルが
俯瞰しているのではありません。これは、本編の1シーンを意識した造りになっているためでし
ょうか。愛想がないので、もう少し前を向いてほしいですね。股関節の角度を変更しましょう
か。


実剣については短いようにも感じますが、コミックを見るとこんなものかも。
あと、ベイルとの距離がこんなにあるとは、ちょっと驚きです。ベイルのフタみたいな展開す
るパーツは、完成見本より若干開口角度を大きくとって固定しています。


この後は、またいろんな気になるパーツをちょこちょこ調整をして、それが済めばすべてパー
ツのプラサフ吹きをして、2次整面・表面処理の作業へと入っていきます。まだまだ先は長いで
す。














プラサフチェックと2次整面・表面処理作業へ

ゴールデンウィークの只中、この1週間何をしていたのでしょう。。。
作業の進捗状況について工程としては、ひとつしか進んでいません。
すべてのパーツにプライマリーサフェーサーを吹き付け、パーツの表面チェックならびに2次整
面・表面処理、またサフ吹きの繰り返しです。


パーツ数が多いことも、この作業工程が大仕事になってしまう理由のひとつですが、想像して
いた1次整形・整面でつかんでいた感触より、やはり各々のパーツのキャスト成形の品質は芳し
くないようです。

パーティングラインや段差は1次の作業でほとんどやっつけられていましたが、サフ吹き後にし
か見えてこなかったスアナ・気泡の多いこと多いこと(汗)。こうした事象・問題は、このキ
ットが製品化された10年前という時節柄を考えると、ごく自然な範囲の話なので無理ないで
す。


製作する側としてはスアナや気泡の処理というのは数が多いと過酷な作業です。これが、現在
の技術レベルでキャスト成形されているキットであったなら、どんなに製作が捗っていること
でしょう。・・・と嘆いていても仕方がないので、コツコツひとつずつ丁寧に、気の遠くなる
ようなパーツ数を表面処理していくだけですね・・・。


やはりガレージキットの製作で、もっとも大切で手間暇かかるのはパーツの整形と表面処理。
これに尽きると思います。プラモデルでも同じですが、綺麗に仕上げていこうとすると、ただ
組み立てて色を塗るだけでは済まないのです。


また手首や指が疲労しないように、またスタミナを切らさないように注意しながら、とにかく
邁進するのみです。この作業が終われば、愉しい?塗装工程に入れるのですから。ということ
で、地道な作業に没頭していたウィークでした。






        



サフを吹いて2次表面処理まで済ませた全パーツ。意外に少ないように見えて、すごい量のパー
ツ数です。あまりマジマジと全容を観ていると気が遠くなるので、部分的に観て作業していま
す。(笑)


今回は、パーツ保持用の手持ちの洗濯バサミの数が足りなくなって、100均で2セットほど調達
しました。こんなことは初めて。(いつもはパーツの保持に洗濯バサミはほとんど利用しませ
ん) 余談で、作業のBGMに聴いていたCDが写ってしまいました。

勿論ロボアニ。何だかわかる人は偉い。










        



サフチェックによって、サンドペーパーで面研磨したパーツの一部です。
キャストパーツのフレッシュカラーの地肌が見えている面積が少なければ少ないほど、作業効
率としてはよい訳ですが。

画像中央の脚部スネパーツなど(スアナを埋めたブツブツが見えるでしょうか)、鬼のように
スアナや気泡が多かったパーツについては、サフを吹いた部分の方が少なくなってしまう状況
です。


最近の成形品質文句なしに優れたガレージキットだと、ほとんどサフが残りますが、昔のガレ
キは皆こんな感じですね。

それにしても、バリバリ尖鋭的で空間を意識した意匠であるヤクトミラージュパーツの整形や
表面処理は大変ですね。

画像下段のパイピング、スケルトン系のパーツはもう腫れ物に触るつもりで、壊さないように
ちょびちょびペーパーを当てつづけていくしかありませんでした。









        



もうひとつ恐怖画像を。
今回のキットで、一等ひどいキャスト成形状態の部分。80年代ガレージキット並みの「キホ
ー」の群集。。。右足スネの内側ですね。ガレキモデラーをやっていて、最も不毛な作業に感
じる部分です(汗)。


不幸にも、こうなってしまっているパーツについては、なかなかまっとうな整面・表面処理は
できません。「所詮、細かいスアナの気泡だから・・・」と無視して製作・塗装仕上げされる
方も多いと思います。それか、この周辺一帯を彫刻刀かルーターなどで根こそぎ抉って、パー
ツ形状を新造するか。もしくは、気泡やスアナをひとつひとつパテや瞬間接着剤を詰めて埋め
ていくか、です。


わたしはいつも、3番目の手段を採ります。とにかく目立つ穴からどんどんパテでひとつずつ埋
めていってはペーパーをかけていきます。削りすぎに注意。最終的に、これでも完全には表面
の気泡はなくなりません。しかし、最初と比べて格段に気泡やスアナは目立たなくなります。
第三者が見ればわからない許容範囲として。













マスキングから塗装の工程へ

さて、ヤクトの製作もいよいよ大詰め、塗装のためのマスキング作業へと入っていきます。
ガレージキットの塗装はマスキングがつきもの。ましてやモーターヘッドの塗装はマスキン
グ・パラダイス♪ どんどん精密なマスキングをこなしていかなければ、何日経っても完成には
至りません。


MHマスキングの不文律で、まずはフレームカラーを各々のパーツに塗装してから、マスキング
作業に入ります。フレームと外装が一体になっているパーツが多いためですね。今回のヤクト
ミラージュの場合、フレームカラーは、ライトブルーグレーというカラーに外観性に付加価値
を持たせるためメタリック顔料を混合・調色しています。(全体のカラーレシピは、今後の完
成ギャラリーページにてまた。)


もう、マスキング作業が始まると塗装作業に入ったも同じ。塗装 → マスキング → 塗装 →& マ
スキングの繰り返しですから、かなり忙しいです。

それにしても、だらだらと長い製作レポートのページになってしまいました。いい加減、画像
容量も重いですね。しかし、ゴールも近い? (・・・なぜに下駄履き?)







        



フレーム部分などをマスキングしたパーツ類です。画像の他にもいろいろと。
すごいことになっているベイルは、大きすぎるのでこの画像枠では割愛。これでだいたい一晩
半分ぐらいの量です。モーターヘッドのパーツ形状は複雑なので、どうしても時間がかかりま
す。見切りラインに直線が少ないので、ちまちまマスキングの連続ですね。


この画像で、紫っぽいグレーに見えているのがプラサフの色。水色っぽいグレーに見えている
のがフレームカラーのライトブルーグレーです。










        



マスキング塗装での最初の成果物。
パイピング?、エキゾースト?、動力パイプ類などです。
細かいパーツだし、他のパーツと同じ感覚での扱いで並行して作業していると、かえって面倒
なので、先にやっつけてスミイレまで仕上げてしまいました。


エキゾースト系はご覧の通り、ミディアムブルーとダークグレーの折衷カラー。出口部分は、
何故かフレームカラーなのでマスキング要。切り口が斜めになっているので、マスキングはち
ょいと難しいです。












        



もうひとつ、実剣やスタビライザー、オマケのエジェクター×6も先に片してしまう方が
得策、精神衛生上。(この画像は、ヒカリモノばかりなので、デジカメの自動補正によって、
実際の色や輝きは表現されていません)


実剣は、設定カラーだと2色で何だか詮ないので、チタンゴールドの塗り分け部分を加えてみま
した。


エジェクターは、カラーの参考になるような資料が乏しく、ムック「ツインタワー」のカラー
イラストを参考に。グレーとミディアムブルーグレーの2トーンカラーリングみたいなのです
が、羽(スタビ)?の部分だけ、シルバーカラーにしています。羽の骨の部分だけ、マスキン
グで本体カラーと同じにしてあります。


余談ですがこいつは、フロートテンプルの周辺でセキュリティ・ロボの仕事に日夜腐心してい
る数多の「エキストラクター」によく似ていますね。って、当たり前か。









        
        



いかにもマスキング塗装箇所らしい、イロモノの部位パーツをば。
前腕の装甲プレートとスネ前方一帯に描かれた白地にオレンジカラーのワーニング・ボーダ
ー。スネのラインの方は、連載本編で初登場した時の仕様であり、ツインタワーモードの画稿
ではなくなっています。


上の画像がマスキングシーンです。すでに白地部分の塗装を済ませ、オレンジボーダーの塗装
のためのマスキングです。面倒くさそう・・・ですが、直線主体なのでとくに難しいわけでは
ないです。プレートの断面部分に、きれいに破綻なくテープ斜め貼りしていくのが、やや苦労
します。とにかく焦らず、確実に。


下の画像が塗装後、マスキングテープを剥がしたての状態。最初の印象は、「なんだか、フッ
トワ○クのCIカラーみたいだ(笑)」です。この後、スミイレを行えばシャキッと境界線とメ
リハリがでるでしょう。


蛇足ですが、実際この箇所だけでも塗装のコート数は少なくありません。下地からいくとプラ
サフ → 白サフ → 上塗りとしてオフホワイト → ホワイトパールクリヤーコート → マスキング
→ オレンジカラー → イエローパールクリヤーコートとなり、結果マルチコートの範疇です。
当該レポート最初の方のパーツの1次整形・整面の段階で、手間暇かけてスジボリを入念に彫り
直していたのは、こうしたマルチコートでスジボリ(モールド)が埋まってしまって、スミイ
レができなくなるのを防ぐためです。


ちなみに、この帯色のオレンジは結構悩みました。3パターン考えて調色で用意しました。所期
の考えでは薄いシャーベットオレンジでいくつもりでしたが、騎体基本カラーの緑をミリタリ
ー系グリーンにするつもりなので、調和を考えて(補色ではなく)少し濃い目のオレンジを作
りました。


永野メカでいうとエルガイム・マーク2の頃からアクセントカラーの彩色によく使われるサファ
リオレンジのイメージで。濃いオレンジにしているのは、この後ハイコンクのイエローパール
クリヤーをコーティングするので、それで明度が上がるためです。













        



塗装から仕上げへ

・・・ふぅ。すべてのパーツ塗装が一通り終わりました。
ここのところ週末から連日の雨にたたられて、塗膜のフラッシュ・オフ・タイムと乾燥に時間
をとられてしまいました。この土・日曜に決着つけよう(何の?)と浅はかな考えを持ってい
たのですが、なかなか実際は恣意にことが運んではくれません。。。


ヤクトミラージュって(今にして何ですが)、側面や後姿の公式のカラー画稿がなく、カラー
指定を調べたりするのに結構手間取ります。副腕や副脚の爪先、肩部イレーザーユニットのパ
イピングのジャンクション(継ぎ目)が所々オフホワイトに塗られていたり、新たな発見があ
ったり。


つづいて、仕上げ部分ともいえるMHの目や、ミラージュ(血の十字架)、天照家のマークとい
った細部塗装も済みつつあります。

この後は、また延々とスミイレの作業に入ります。それが終われば、細心の注意をはらって怒
涛の最終組み立てへ。まだまだ気が抜けません。HPアップのためのヤクト完成品の撮影も大変
そうですね。













         



組み上げとフィニッシュ

やはり、フィニッシュまで掲載しておきましょう。
遂に完成、感慨無量です。個々のパーツを夜な夜なペーパーでゴシゴシやっていたのが、何故
か遥か遠く昔に感じてしまいます。ここ1ヶ月間、集中して当該キット扱ってきた時間・労力が
実際長いからでしょうね。


スミイレの色は、ジャーマングレーとフラットブラックの使い分けで。これがATなら、ブラウ
ン系でも使うところですが、MHですので。

画龍点睛といえる、最終の組み立て作業は、やはり夜中から丁度朝までかかってしまいまし
た。普通の1/100クラスのMHキットの3倍くらいの労力でしょうか。パイピングのある部位が
やはり緊張感が走りました。仮組みの段階で、入念に組み立ての配慮をしていたので、予想し
ていたよりは楽でしたが。


それにしても巨きい。ややこしい。持つところがない。スタビライザーこんなに長いとは
(汗)。両腕とかベイルとかは、撮影の時にまたセットする手筈です。


・・・さて、この後ヤクトミラージュ完成品の撮影に入り、完成ギャラリーのページを制作し
てHPにアップとなるのですが、いつもと違ってHPスケジューリングの都合で少し先の日になり
ます。愉しみにしてくださっている方、すみません。

それから製作の励ましを下った方々、本当にありがとうございました。

製作レポートはここで終了です。




               投稿者: K                                    No コメント