IIIKのモデラー三昧なフロク

  これまでに完成させた作品です。
  このページは、SF特撮に登場する乗り物の模型を紹介しています。







         テーマ: SFの乗り物
         日時: 2016年1月17日


英国コメット・ミニチュアズのクラシックガレージキット
『海底大戦争』のスティングレイ号





           





英国コメット・ミニチュアズ ノンスケール スティングレイ号 ガレージキット
1962年に制作された英国番組『海底大戦争』にでてくる潜水艦スティングレイ号です。
模型キットのほうも英国製でございます。




            








           








                    






「このような原始的なキット、本当にちゃんと完成できるのだろうか・・・」
期待と不安の入り混じった気持ちで、疑心暗鬼になりながらコツコツ進めていき、どう
にかこうにか完成したました。
とにかく、作りにくいということ、組み立て後も展示すら危ぶまれる模型としての脆弱さ、
そして曲線主体のむずかしいマスキング塗装・・・などを、どう克服・補完するかが今回
の製作のキーポイントでした。

製作のモチベーションが下がるので、失敗とかやり直しとか絶対にしないようにステディ
に作業を進めるタイプなのですが、今回ばかりはバキュームフォーム製キットにまったく
慣れていないせいか、やり直しがけっこうありました。最初に想定していたより、はるか
に労力を要するキットでした。未熟。模型作りはつねに「雨垂れ石を穿つ」気の持ち方が
大切ですね。

その一方で、プラモデルの源泉に触れているような、過去にない経験は非常に愉しく、刻
を忘れて作業に没頭していた気がします。「スティングレイ号」そのものは、造形欲をか
りたてる、ロマンあふれるデザインのとても美しい潜水艦ですし。

塗装仕上げの方は、自分なりにベストを追求してみました。せっかく製作させていただく
のですから、実際の番組で使用されたプロップ模型よりずっと綺麗に仕上げてやるぞ、と
いう気持ちで・・・。シルバーにクリヤーのトップコートは微妙なものがありますが、相間の
性質が異なる塗料を用いました。





                 






                 



               投稿者: K                                    No コメント










    ー ここからキットの製作レポートです ー




               




ジェリー・アンダーソンのスーパーマリオネーション第3弾

ご依頼で製作させていただいた『海底大戦争』の「スティングレイ号」です。
『海底大戦争』は、『サンダーバード』の原点ともいえる、ジェリー・アンダーソン氏の
スーパーマリオネーション番組。同氏によって『スーパーカー』、『宇宙船XL-5』につづ
くマリオネーション3作目として1962年に英国で放映された。
ちなみにカラー作品としては初。
日本でのTV放送は1964年で、かなりの人気を博したらしいです。

ストーリーは2065年の未来が舞台で、地上の破壊をもくろむ海底王国のひとつ「タイタニカ」
が、他の海底王国や地上の人々の船舶を攻撃し始めたことに端を発する話のようです。
世界平和を目的とする世界海洋安全機構「WASP」(ワスプ)のメンバーがスーパー原子力潜
水艦「スティングレイ号」に乗り込み、これに対抗するというSF海洋バトルロマン。
この物語のメカの主役、最新鋭の原子力潜水艦「スティングレイ号」は、全長約20mの機敏そ
うな小型潜水艇。
キットはノンスケールだが、完成すると約30cmぐらいなので1/85スケールぐらい?





余談だが、本作品の予備知識が皆無のため、ネットで調べてみると、もうひとつの『海
底大戦争』が検索にひっかかる。こちらは1966年のSF娯楽ムービー。英題は『WATER
CYBORG』。ほぼ日本のスタッフ(佐藤 肇監督)によって制作された日米合作映画。
メインキャストは千葉真一さんで、あとは外国の方々。
内容は、世界征服を目論み人類を襲う海底王国の深海サイボーグ(半漁人)に、日本人記
者とアメリカ女性カメラマンが立ち向かう。

さて、今回のキットの方も当時モノらしく、素晴らしくプリミティヴ(原始的)な構成な
らびに品質で、感動すら覚えます。ひとりのモデラーとして僥倖というほかありません。
こうした大昔のキットを製作できる機会をくださったご依頼主に、感謝するばかりです。
英国コメット・ミニチュアズ社製の舶来品で、定価は8,000円とのことです。意外と大きく、
体格が大柄な英国人サイズとでもいいましょうか。

キットの構成は、トップの画像の通りです(汗)
プラ板をバキューム(真空)フォームで成形したボディパーツ。除き窓を必要とする艦橋
部位には、透明アクリル板。もちろん年式相応にかなり黄色がかっています。フィンの部
分には柔らかい(亜鉛)鈴合金を用いたメタルパーツ。オーソドックスなデカール。

英語の組み立て説明書。組み立て説明書といっても、昨今のキットのように、部位毎にコ
マで図解している類のモノではなく、3面図と組み立て工程の個条書き。レトロチックでい
い感じです。こういうのは、ちょろっとだけ目を通して、あとはシカトを決め込むにかぎ
ります。自分、英語の教職免許もってますが何か?






          



ボディパーツのモナカ接合

経年で柔らかくなったプラ板から、上下のボディパーツなどをカッターで易々とくり抜き、
モナカ合わせ。
貼り合わせた途端絶句。上下のパーツで大きさと形状が前後で2mm、横幅で2mmも違う。
接合面の隙間も、向こうが見えそうなレベル。プラ板が1mm厚ぐらいでふにゃっと剛性に
欠け、ヤスリやペーパーといった成形処理の負荷に耐えれそうにない。

とりあえず、強引にマスキングテープで固定し、接合面に瞬着を流し込んで仮固定し、内
側から接合部分のラインに沿って、ぐるりとエポキシ粘度パテを厚く裏打ちしていく。これ
で隙間埋めと剛性がかなり確保できて、整形処理に移行できるはず。
エポキシ粘度パテによる裏打ちは、メタルでできた重いフィンの固定を軸打ちするための土
台にもするため。






          



メタルパーツの整形

流石洋モノ、といえるのがメタルパーツの採用。
潜水艦本体の6つあるフィン部などはすべてメタルパーツなので、採用比率が高い。
とりあえず、一次成形作業に。メタルは何かと面倒なので、こういうのは先にやっておく
方が精神的に健全でいられる。
熱に敏感な上、結構柔らかい金属質なので、できるかぎり金ヤスリは用いず、ペーパーで
表面処理を敢行。気泡がすごい(汗) 昔のレジン製ガレージキットのようです。視認で
きる気泡を片端からアルテコパテで埋めては、ペーパー掛けの連続。

ぺーパーの番手を1000番、2000番と下っていってコンパウンドをかければ、メタルパー
ツはピカピカにできるが、後でメタルプライマーとサフを塗装する都合、600番手くらい
までの面処理で充分。
このキットが生産された頃には、エポキシ粘度パテや瞬間接着剤、アルテコパテなんて当
然なかったから、昔の人は作るの超大変だったのでは。






          



ボディパーツ

まな板の上のブラックバスって感じ(笑)
エポキシパテやアルテコ瞬着パテを最中式接合面の外側と内側などに盛りまくった状態。
ふにゃふにゃのボディに剛性感がでたのと、隙間埋めまでってところ。






          



メインスクリュー

この古参キットで唯一プラモデルらしいパーツがこれ。なぜかクリヤーだが、シルバー系
で塗装されることになるスクリュー。透明ゆえに成型状態が確認できなかったが、バリ、
欠け、パーティングラインがひどい。
ふたつある半球状のクリヤーパーツは、船体にドッキングされている小型潜航艇のキャノ
ピー部分。これまたサイズが、ボディパーツのくぼみとぜんぜん合わない。






          



メタルパーツの軸打ち

メタルパーツのフィンなどは差込式になってはいるものの、ボディ側にその余裕もなけ
れば、受け口も用意されていないので、ガレキの要領で軸打ち式固定方に変更。こうい
うパーツが完成してからぐらぐらするほど興ざめなものはない。

ここでちょっとしたギミックを追加。船体の前後左右にある4枚のフィンについて、接
続面の中心位置に2mm径のポリパーツ軸を仕込み、潜水・旋回にともなうフィンの同
位相逆位相などの軸回転による可動がスムーズかつ安定してできるようにした。フィン
に表情がつけられると、展示も楽しくなるはず。

このような遊び用の一軸だけの固定では不安定なので、固定モデルとしても確実に展示
できるよう、各々のフィンの接合面には、もう一ヵ所金属線での軸打ちを選択できるよ
うにした。






          



艦橋部位

組み立てスキルを問われる部分。フニャフニャペラペラのアクリル透明パーツでできて
いるところに、一番重くて大きいメタルパーツのフィンを斜めに取り付けなければなら
ない矛盾。本当に昔の人は、このキットどうやって作ったのだろう。難易度高すぎ。
やはり確実な軸打ち固定でいくが、のぞき窓の部分に傷をつけないように作業をする必
要がある。

まず、艦橋パーツの裏側からエポキシパテを盛り、軸打ちのための厚さを確保した後、
軸打ちをしたフィンを差し込んでいく(画像) この後、瞬着とアルテコで付け根の辺
りを固めて、船体パーツと一体化した感じに仕上げていく(このフィンは可動式ではな
い見解)。
黄色のテープは、クリヤーパーツの窓部分を作業で傷つけないためのマスキング。






          



コクピット(艦橋内部)

一応、操縦室のパーツがついている。ボディパーツと一緒で、プラ板のバキュームフォ
ームで成型された品なので、ディテールに剋目すべき点はないが、いい雰囲気のノスタ
ルジックさ。
下地を吹いて、メタリックシルバーで全体を塗装した後、ちまちまとシートやスイッチ
類、レーダーディスプレイなどを筆塗り。比較用に1/100のジオ○兵が二人いるが、実
際にはつきません。この塗装様式は、わたしが本作品を観たことがないため、考証もへ
ったくれもなし。

ここまで作ってきてふと脳裏をよぎったことといえば、このスティングレイ号は、ガミ
ラスの緑色の標準戦艦とデザインが似てる。
せっかく塗装したものの、このコクピット部位は艦橋パーツをかぶせて密閉・固定され
てしまうので、窓枠からしか内部が見えなくなってしまう。艦橋パーツを取り外し式に
しても面白いが、強度的にもだめだし、なにせ潜水艦なので、ボディパーツと艦橋との
間に継ぎ目が入るのはちょっと変。






          



下地塗装前の状態

ボディと艦橋とを接着し、合わせ目をパテできれいに埋めて表面処理を終わらせた状態。
フィンも付けてみた。ようやく完成像が初お目見えといった瞬間。なんとかここまで漕
ぎ着けた。全体の製作工程の3/5といったところ。手探りでずっと作り進めている印象。
モーターヘッドのガレキより難しい。

この後、メタルプライマーやサフェーサーを吹いて、整面のチェックに入る。ボディパ
ーツのプラ板自体の品質がよくなかったので、おそらくボツボツとス穴が見つかるはず。
それを地道に処理していき、いよいよ塗装です。このスティングレイ号のカラーリングっ
て、本当にマスキングが大変そう。ランチャストラトスのアリタリアとか、ポルシェのマ
ティーニカラーを思い出す。






          



サフチェック

ボディやフィンに、メタルプライマーやサフェーサーを吹いて、整面のチェック。
ボディパーツのプラ板自体の品質がよくなかったので、ボツボツとス穴が見つかる。
パテ処理してはサフ吹きの繰り返し。この後は、いよいよ塗装。






          



マスキング塗装

いよいよ、地獄のマスキング塗装の始まり。曲面ボディに3次曲線を多用した上へ下へ
の大騒ぎのカラーリングなので大変。キットには当然カラーリングのための何の基準線
も目印もないので、左右でシンメトリーをとりながらの養生。
恐ろしく時間がかかる作業で気がつくと朝陽が(汗

マスキングをしては塗装、そして乾燥したら、またその上にマスキングして塗装・・・
というのを通算5回繰り返す。順番としては、まず水色 → シルバー → マスキング →
紺色 →マスキング → イエロー → マスキング → 再びシルバー、という感じ。
重ねれば重ねるほど、塗膜トラブル等の可能性が高くなるので慎重に慎重にトライして
いく。
ちなみに船体のシルバーは、明るい色味の「スーパーファインシルバー」で、スクリュ
ーノズルについてはアイアンシルバーを使用。





          



デカールの起こし

これが勝利のカギ。キット付属のデカール(画像左)も○十年近く前のもの。
賢明なモデラーでなくとも、使えないのは承知のスケ。これは一端、デカールを撮影し
て版をとり新規のモデラーズ製クリヤーデカールにリアウトライン・リサイズで起こす。
これでナーバス&ハイリスクな貼り作業をせずに済む。けっこうデカールを使うところが
多いキットだし。補強していてもボディがやわいので貼りにくい。
デカールを貼った後は、キット全体にスーパークリヤーIIでつやありのトップコートをた
っぷり施し、乾燥後、各パーツを組み付けて終了です。

これにて製作レポートは終わりです。




               投稿者: K                                    No コメント