IIIKのモデラー三昧なフロク

  これまでに完成させた模型たちです。
  このページは、TVC-15製ガレージキット「ポリススピナー」を紹介しています。







         テーマ: SFの乗り物
         日時: 2016年1月2日


TVC-15製 ポリススピナー




 

                                  フライングモード





TVC-15 1/15スケール ポリススピナー ガレージキット
マニアに絶大な人気のある1982年のSF映画『ブレードランナー』。
その劇中にでてくる、空飛ぶ警察車両?のポリススピナーです。

この作例は、わたしの模型人生で作るのがもっとも大変だったものです。
80年代ガレージキット黎明期の品なので、パーツの成型状態に問題があり、
こまかいパーツや透明パーツはいたんでいて使用できないという・・・。

半ばヒートプレスやパテ造形、プラ板箱組みなどの作り起こしで完成させました。
そして電飾しこみも。模型って、やはり作っているときが楽しいですね。
頭であれこれ考えて、それが立体化されていく過程がおもしろい。

この完成品は日本に5つとないかもしれません。
デッカードのお人形さんがほしい・・・




 








 








 

                                  ビークルモード








                








 







                    






            














電気羊のをみる?
幻の POLICE SPINNER 製作レポート



これぞ正真正銘の模型的パンドラの箱


甘美なるアンドロイド天使と悪魔のささやき・・・

 ある日、次のような一通のメールが、わたしのもとに届きました。
 「Kさんは『ブレードランナー』というSF映画を観られたことはありますか? 実は見ていただきたい品
があるのですが・・・ TVC-15というメーカーの1/16ポリススピナーのガレージキットです」

 この時、わたしは、「すみません。映画のタイトルぐらいは知っていますが、『ブレードランナー』は
観たことはありません。内容も知りません。ポリススピナーは知っていますが、やはり全然詳しくありま
せん」と、返信メールを送りました。(子供の頃から生粋のアニメっ子なもので・・・ 笑)

 この後、何だか気になり始めて、同タイトルのレンタルビデオを借りて作品を観賞したり、インターネ
ットでポリススピナーのことを調べたりしました。おおっ! こんな凄い映画があったとは。

 そして、暫く経ったある日、このメールの送り主の方が遠方遙々クルマを運転して拙宅に来られて、見
慣れないガレージキットをわたしに見せてくれました。熱烈なシド・ミード氏デザインのファンで、その
キットの製作の依頼をしたいといわれるのです。
 それがトップの画像にある、TVC-15の「1/16 ポリススピナー」という未知との遭遇(笑)でした。

 ここまでの経緯で、すこしは予備知識をつけていたものの、このガレージキットがどのような内容であ
るか、何年に生産された品かさえも、まだわかっていませんでした。書きにくいですが、この時点でもう
正直かなり怪しい予感がしていました。数々広範な種類の模型を手がけてきた、わたしの勘です。

 「はい・・・。それでは中を拝見させていただきます」
 相当に古いガレージキットであることは、始めからわかっていました。キットの構成や内容が調べられ
なかったのは、ネット上にも、このTVC-15というメーカーのホームページにも、実態を探るための情報
がほとんどないためです。結局、完成品の作例も知らないままなのです。
 まあそれぐらい、レアで幻のような品というわけなのでしょう。



 ・・・今から25年も前になりますが(四半世紀!)、1982年に上映された『ブレードランナー』は、
米SF作家の大家フィリップ・K・ディック氏の小説『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』を原作にし
た、アメリカの近未来SF映画です。
 当時は、本国でも日本でも鳴かず飛ばずの動員数でしたが、その独特の、SF好事家はどうしても魅了さ
れてしまうであろう近未来のビジョンを巧みにそして執拗なまでに濃密に描き出した世界観・ムードに、
後年ファンが次第に増えていき、今では名作カルト扱いになり未だマニアックな人気があります。
 人気がでると、すぐ続編を制作したがるハリウッド映画のお約束の顛末みたくなっていないのが、この
映画のストイックさと、救いといえば救いの部分なのでしょう。

 この当時、すこし前に大ヒットとなった『エイリアン』(1972年)のリドリー・スコット監督による、
あの全編にわたって鬱積するような薄暗さと圧迫的映像の連続による一種マゾ的視聴覚感は健在であり、
この『ブレードランナー』も暗闇の映画館の中で観賞してこそ、その映像・演出の真髄が味わえるのかも
しれません。カルトではありますが、オカルトな描写もあってハラハラドキドキで、ちょっと怖い。
 (注 このページを見てこの作品に興味をもたれた方へ。レンタル視聴などの際、心臓が弱い人、お子
さんと一緒に観賞される場合など、気をつけてください。ティレル社のC.E.O.の目が潰される映像など残
酷でショッキングです。後でトラウマッても責任もてません。汗)
 全編に亘って暗くてシックな映像の部分は、わたしには後年に公開された『バットマン』、『同2』の雰
囲気も近しく感じられましたね。


 さて、この映画で高く評価されているもうひとつのファクターとは?
 それは、和洋折衷の文化が入り乱れている2019年のロサンゼルスという近未来世界の舞台すべてです。
絶えず酸性雨が降り注ぐ地表という設定は、惑星メルキアのウドの街みたい。ん? ボトムズが後ですね。
 まったく制作で手を抜かれていない濃密な近未来世界の情景は、観る者を圧倒させるのですが、演出上
はさらりとした背景として扱われているに過ぎないのがまたシブイのです。繁華街にあるビルのネオン立
て看板にはでかでかと「基礎の充実の上に」、「お手持ちの烏口」、「壷」、「おいしい料理」という文
字が。・・・ん、どういう意味なの?

 この魅力的な創作世界に含まれる、飛行可能の乗り物「ポリススピナー」のデザインもすべて含めて、
当時まだ無名に等しかった、かのシド・ミード氏の仕事です。ビジュアル・フューチャリストという肩書
きで。
 1970年代、フォード社のデザイン部門から独立した後、初めて発行した斬新きわまる自身の画集が、リ
ドリー監督の目にとまり、本作への大抜擢となったようですね。

 もともと得意分野であったインダストリアル系デザインをその基盤とし、独自のSF近未来的なラインと
ディテールを加味しつつ、まるで「そこにあるかのような」普遍性をもたせたそのオリジナリティ溢れる
デザインワークの数々は、今日でも同じ分野で右にでるアーティストはいないかもしれません。
 西洋における、SFデザイナーのカリスマのひとりです。

 日本のアニメファンにとっては、「YAMATO 2520」や「ターンエーガンダム」のメインメカデザイン
ですっかりおなじみですね。影響を受けたクリエイターさんもとても多いと思います。






禁止侵入なポリススピナーへの愛憎

 スピナーとは。
 『ブレードランナー』劇中に度々登場する近未来カー「ポリススピナー」は、銀幕デビュー後のシド・
ミード氏初期の頃屈指の名デザインということもあり、ファンに根強い人気があるメカキャラクターで
す。メジャー系の『SW』でいえば「ミレニアムファルコン」みたいな存在でしょうか。(違)

 スピナーというのは、この作品世界における一般的な乗り物のひとつで、UFOみたく飛行可能(垂直上
昇・空中停止・回転)なクルマごとく存在です。スピンは「空を舞う」といったニュアンスでしょうか。
この世界では地上を走行するのみの乗り物の方が稀だったり、劇中のロサンゼルスにおける地上走行には
市政の許可がいったり。
 だから、スピナーの車輪にはカバーと収納機能が付いていたり、コクピットのフロアにも、下が展望で
きる大きな窓が付いていたりします。

 ポリススピナーは、つまりパトライトが付いて警備マーキングが施された警察用の特別仕様のスピナー
ということで、要するにパトカーですね。他には、レーザー銃をボディ外側に4丁ほど武装した物騒な「レ
ーザースピナー」という機種もあります。他にも、アルファロメオスピナーとかロブスタースピナーとい
った名称の車輌もでてくるのですが、こられは形状がまったく異なる車種なので、ここでは割愛します。

 (実際のところ、シド・ミード氏がデザインしたスピナーはこちらの「レーザー〜」の方であり、この
映画のミニチュア製作監督のマーク・ステットン氏が、劇中の警察車輌のイメージを考慮し、レーザーを
排してパトライトなどの装備を加えてデザイン・アレンジしたのが、ポリススピナーということです。)

 スピナーの車体のシルエットとしては、前2輪のユニットがアーム風に前に伸びている格好で、我々の世
界における既存のどのクルマにも似ていません。エンジンはミッドシップレイアウトでリア駆動のような
ので、ミッドシップカーであれば、ハンドルと前輪を結ぶ操舵コンロッドの問題を解決すれば、このよう
なフロントボディすっからかんの意匠も発想としてありえるもの。
 このスピナーでは、前輪操舵やパネルカバー展開のための機構スペース確保の問題は、ちゃんと水圧
(油圧?)制御という設定がデザインの段階ですでにシド・ミード氏によってなされています。流石です
ね。ハンドリングはステアリングインフォメーションが消失して最悪でしょうけど。ここらへんの不思議
デザインの妙技は、やはりシド・ミード氏が鬼才中の鬼才と謂われる所以なのでしょう。
 (でも、前輪に操舵角をつけた時点でホイールカバーにタイヤが当たりそう・・・)

 同氏のデザインの特徴のひとつとして、ポリススピナーは全体として優美な丸みを帯びたフォルムにな
っているせいか、わたしにはそのモチーフがどうしてもエスカルゴ(蝸牛)のようにも思えます。もし、
赤色だったらカニと書いていたかもしれませんけど。
 スピナーの流麗さをかもしだしている源ともいえる、フロントウインドウがルーフラインまで延びてい
る逆ティアドロップなシルエットは、個人的には80年代初頭に月刊マガジンで連載されていた熱血ラジコ
ン漫画の金字塔『激突! ラジコンロック』(原作 神保史郎氏、漫画 もろが卓氏)の主人公、轟 心が製作
したハートロック1というオリジナルRCカーとかなり似ている感じがします。1980年には誌面に登場して
いたので、こちらの方がスピナーより発表は早いですね。

 流線型+ガルウイングということでは、1990年に発売されたトヨタのセラなんかがイメージかぶりま
す。・・・そういえば、バブル経済真っ只中の1990年頃、まだ斜陽していなかった日産のパイクカーで
「エスカルゴ」って名前のかわいいクルマがありましたね。懐かしい!
 そして、スピナーを縦に割って横から観ると、昔ヤンマガ誌に連載されていた大友克洋氏作『AKIRA』
(1982)に登場した金田正太郎少年(鉄人28号かっ!)の改造バイクが、どことなく似ていますね。

 ちなみに、その金田少年のバイクは、ドラゴンボールの記念すべき第1話(1985)に登場したブルマの
カプセル♯9の白いヒューチャーバイクが似ていますね。
 で、シド・ミード氏のターンエーガンダムの脚部後ろ側の斬新なスリット構造のデザインは、永野 護さ
んデザインのブレンパワードの積層筋腱に似ています。で、その永野さんの代表作であるエルガイムやフ
ァイブスター物語の源泉は、やはり米スターウォーズに大きな影響を受けているわけで・・・ムムム、鶏
先卵先。



 ・・・オホン、閑話休題。
 さてしかし、残念ながらポリススピナーの立体モノの製品化については、ポリススピナーわが国内には
トイも模型もほとんどありません(版権取得の都合上からかどうかは知りませんが)。かろうじて、舶来
のERTL製ミニカーセットが流通していたぐらいでしょうか。ネットオークションで凄いプレミアがついて
いますが。
 巨匠ピカソの絵みたいに、作品の発表時期と人気票が一致しない場合、このようなことが起こり得るわ
けですね。ファンにとっては寂しい限りのアイテム環境なのです。

 それゆえに、このTVC-15製「1/16 ポリススピナー」のガレージキットは自動的に、わずかに存在する
ポリススピナー模型の中で最高峰の品と位置づけされており、現存するその個体数と稀少性から、相当な
プレミアがつきまとうお宝アイテムとなっているようです。(でも、その実態は・・・ ハニーッ・フラ
ッシュ!より凄いっ)

 それと、ポリススピナーは2人乗りで、サイズ的には今でいう小型車の部類ですが、この模型は1/16ス
ケールということで標準的なカーモデルサイズの1/24スケールと比べても、結構大きいキットです。バイ
クモデルの標準サイズで、本来精密なディテールが加味されていて然るべきスケールでしょう。

 実はここ半年ばかりのわたしは、カーモデルかバイクモデルが作りたくて仕方がありません。ずっと扱
っていないジャンルなので。差し詰め時間がとれたら、狂ったマクシミリアン・ロカタンスキー(ファン
ならこれでわかるでしょう)が駆るアオシマ製「インターセプター」を作ろうなどと思っていました。
 その矢先に、今回のポリススピナーのお話しでしょう。最高の巡りあわせです。今一番ポリススピナー
が作りたい、と。ですが・・・世の中、何事もそうは簡単に問屋が卸さないものです。



 ふたたび、会話の話へ戻ります。
 ・・・ゴクリ。
 わたしは、そのガレージキットにしてはデラックスな造りと装飾が施されたパッケージを開けて、ビニ
ール袋に封入されているパーツ類を、恐る恐るとりだしました。昔のガレージキットなので難物だという
のは、依頼主もわたしも百も承知です。
 時間にして2〜3分の間でしょうか、無言でもくもくとパーツ類をビニール袋の上からチェックしていき
ました。もうこの時点で、わたしの顔は少々青ざめていたのかもしれません。

 「こ、これは・・・(滝汗)」

 このキットを持って来られた依頼主も、ご自分でどれほど作るのが困難そうな代物なのかは、ある程度
察しがついておられたので、固唾を呑んでこちらの反応をみておられました(気がします)。
 さらに細かく、製作上のポイント(肝)となりそうなパーツ箇所などをチェックをし、つづいて付属の
組み立て説明書やデカールなどを拝見しました。そして、正直にこういいました。

 「・・・これは、残念ですが、作るのはむずかしいです。まだ全体をパッと拝見しただけですが。失礼
ですが、到底まともに作れるような代物ではないみたいです・・・。ましてやこれだと、カーモデルとし
ての美しい外観品質の完成品にもっていくのは、至難の業になります。・・・正直、スクラッチした方が
早いぐらいかもしれません」


 わたしの好きな四字熟語のひとつで、中国に「握髪吐哺」という言葉があります。
 たとえ急であっても、家にお客様がいらしたら、今洗っている髪を握りしめても、今食べているものを
吐きだしても、すぐに出迎え厚くもてなす、というような意味だったと思います。深い意味は、礼節を重
んじる部分でしょう。わたしは日本人なので、これがどうもできないようです。

 気持ちとしては、相手様に何も心配されないように、「大丈夫ですよ。お作りします」とだけいいたか
ったのですが、それを隠すべきではない(後でかえってご迷惑になるから)と思えるほど、このキットの
内容は悲惨過ぎるものでした。恐らく、わたしがこれまで扱ってきたガレージキットの中でも、ワースト1
か2のレベルに当たるのではないでしょうか。
 何年頃に原型が製作されてキャスト成形・生産された品か皆目わかりませんが、どう見ても1980年代半
ばそのまんまの芳しくない品質レベルです。


   まず、すべてのパーツにいえることですが、抜きの仕事、キャスト成形の品質がとんでもないことに
なっています。激しい段差に、大きなカケ、スアナ、気泡だらけで、まともな整面や表面処理ができるか
どうか。それに、大きなパーツにいたっては、パーツ自体が経年の気温変化などで若干歪んでいますね。
タイヤパーツのバイアス?の細かいパターンなど、かなり潰れてしまっていますし、彫り直すのは一から
造り起こすのと同じくらい手間がかかりそうです。

 ウインドウ箇所などに用意されている塩ビ製クリヤーパーツも、経年でか内部が白化して曇ってしまっ
ていますね。これは表面をコンパウンドで磨いても除去できません。それにこちらも歪んでいますし。こ
の大きなウインドウパーツは、塩ビ製のクリヤー板から、ヒートプレス法で再生できるかどうか。
 あと、パトライトのクリヤーキャストムクのパーツは、もう完全に黄変してしまって終わっています。

 この組み立て説明書は、塗装仕様の解説が主で、組み立て自体の説明がないんですね。・・・うーん、
作れますかね。救いはデカールがきれいなことですね。こちらは1996年印刷の印が入っているので、後年
になってキットに付属された品なのかもしれません・・・」


 ・・・と、このような感じのご説明でした。
 まさしく「禁止侵入」。近づいてはならないと。名ばかりではありません。(汗)
 詳細にキットを調べいくと、さらに不安材料ばかりが見つかりそうで怖いです。

 ただ、どうしても製作をご依頼されたいということ、遠くからお越しいただいたこともあり、無碍にで
きませんでしので、結局この日はキットをお預かりして、とにかくこのキットの内容を時間をかけて精査
してから、製作可能の是非をお伝えすることにしました。ちゃんと製作できる手法を模索するためにも。


 「不謹慎な提案になるかもしれませんが。このキットは1/16スケールですが、近い1/18スケールで3年
前ぐらいにメディコム・トイから、ポリススピナーのパロディで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』
に登場した未来カーのトイが製品化されていますよね。定価は7,800円で、ドアの開閉と、前輪の収納ギ
ミックがあります。あくまでオモチャなので、ディテールは簡素ということで、色は真っ黒のカラーリン
グですけど。
 たとえば、こちらの品を入手されてポリススピナーに改造した方が、正直、完成後の外観性品質はよく
なると思います」

 本当に僭越で失礼ながら、選択肢としてこういうご提案もさせてもらいました。しかし、そのご依頼主
さんのお気持ちには一遍の揺らぎもありませんでした。



 その後、一人になってから、血の巡りのよくない頭でいろいろ考えました。
 そのご依頼主にとって、どうしてこのTVC-15製の古いキットでなければならないのか。
 現在星の数ほどある製作代行業者から(そんなにないない)、どうしてわたしに製作をお願いしてくだ
さるのか。なぜ、ポリススピナーがお好きなのか。依頼品のキットと一緒に、参考資料となる書籍や映画
のDVDまで持って来てくれておられたのです。
 そして、どうやればこのキットをまっとうに製作することができるのか。どうすれば、依頼主が心の底
からご満足し喜んでいただけるような完成品にもっていけるのか。いろいろ悩みました。

 それに、できませんと断わってしまったら、このキットの行く末はどうなるのでしょう。
 ご依頼主の家でお蔵入りで一生陽の目を見られないのでは。もしくは、オークションに流れて、別の人
の手に亘って、また同じ結果になるのだろうか。

 それでも人としてもモデラーとしても、答はひとつでした。
 手を動かしていくしかないのです。とにかく責任をもって、製作のご依頼を受けることにしました。も
し失敗しても、成功するまでつづければいいと。(笑)  結局、わたしがプロでもないのに、第三者の方
からいろんなキットの製作ご依頼を請けている理由がこれです。人様の望みを叶えて差し上げられる喜
び。そして、自分で選り好みしないアトランダムな対象キットを扱うことによる模型武者修行のつもりで
やらせていただいています。


 ・・・こうしてわたしのポリススピナー製作奮戦記が始まったのです。(大げさだなぁ)
  今回のキットが、どれほど壮絶な内容のものかは、これから製作レポートでおいおい明らかになってい
くことでしょう。一言でいえば「プリミティブ」(原始の模型)です。
 「男は、強敵に出会った時こそクールであれ」という車田正美先生の男の美学のような言葉があります
が、すみません、できません。あたふたしています。これはどうやら真剣に阿頼耶識(エイトセンシズ)
に目覚めなければ、返り討ちにあいそうです。(なんだか、いつになく愛憎入り混じってます?)


    「何故わたしを殺さなかったのか。
           彼は死の中にある命の尊厳を大切にしていたのだと思う」(デッカード)




                   







TVC-15のキットをプチ検証

 それでは、実際に今回のキットの内容を軽く紹介ならびに検証しておきましょう。
 古(いにしえ)にして幻のガレージキットですから、どんな内容なのか興味のある人もおられるでしょ
うし。しかし、温故知新とはいきますまいて。あまりマジマジと調べていくと嫌になるので、ここではさ
らっとチェックでいいですね。

 先に誤解のないようにお願いしたいですが、現状としてはすべてが段差・カケ・スアナだらけの、スポ
ンジー&粘土細工みたいなパーツ状態ですが、原型そのものの段階では、なかなか興味深い佳い造形であ
ったのだと思います。年式を考慮に入れると、いたしかたない部分も多いです。

 TVC-15さんといえば、岡山の古参ガレージキットメーカーですね。同県のホビーショップ「チャンネ
ルオープン」さん(のGKブランドとしてスタート(だったかしら)。今回、当該キットと一緒に参考資料
としてお預かりしている、同社1998年発行の『スピナー読本ファイナル(=最終版)』を熟読玩味させて
いただき、作者のポリススピナーに対する夢と熱意と愛が並々ならぬものであることがひしひしと伝わっ
てきて、ただただ感銘を受けるばかりです。
 80年代から10年20年にわたり連綿と、草分けとしてスピナーファンを支えられてきたTVC-15さんの歴
史の中には、愉しいことは勿論ですが、きっと他人には想像できないような紆余曲折や気苦労の思い出な
ど、変遷もいろいろあるでしょうね。『ブレードランナー』のポリススピナーって、調べれば調べるほど
隔靴掻痒と正体がつかみきれないところが多々あるようですし。

 こちらの書籍の編集内容は、わが国のスピナー・パイオニアの名に恥じぬ、大変読み応えのあるもので
す。本当にポリススピナーがお好きなのだな、と。この想い入れの深い貴重なキットを扱わせていただく
立場として、こちらも襟を正さねばなりません。反面、自分はどこまで応えられるだろう、このキットを
仕上げられるのだろう、と一抹の不安がよぎったりもしますが。


 この一方で、こうした情熱の結晶ごときキットであるが故に、仮にガレージキット黎明期といえる暗中
模索の80年代においてさえ、このような抜き品質の仕事のまま製品化された点が残念でなりません。本当
にこの頃のガレージキットって、その内容・品質ともに消費者に対する「中の部分の透明性」がなかった
と思います。

 あえて苦言を呈させていただくとすれば、キットとして販売されているかぎり、作って完成されること
を想定した品であるはずですが、当時も今も、これを購入して製作、完成に至れるモデラーは、購入ユー
ザーの内1割をきっているのではないでしょうか。というか、完成された例はたったのお二人しか知りませ
ん。それほど手強い品質になっています。
 「梃子摺るキットです。ないパーツは自作してください」といった製品スタンスなのでしょう。昔はた
しかにこれでもO.K.でした。それでもこのキットの場合は、ハードルが高すぎますが。購入したユーザー
は、「ガレージキットって、やっぱりこういう一筋縄でいかないものなのか」と変に納得してしまった
り。


 もうひとつ、誤解を生みやすいのが、このページのトップの画像にあるパッケージ、ならびに副読本の
表紙などに掲載されている、当該キットの完成見本です。こちらは、神奈川県在住のモデラー、請地利一
氏によって割と近年に製作されたもので、自他ともに認められる世界最高品質のポリススピナーの完成品
といって過言ではないでょう。

 ただ、全体にわたって改造・改修を施した完成品であるが故に、当該キットの完成品見本としてパッケ
ージの表紙に採用するのは、イメージとして齟齬がでてくる可能性があります。希少なポリススピナーの
キットですから、多少のことは痘痕も笑窪で目を瞑りたいですが。
 本当にガレージキットという品物は、箱を開けるまで内容は不透明ですよね。。。



 さて、小言な詮ない話はやめて、キットの内容について。
 メカキャラクターモノのガレージキットにおける評価軸で最初に来るものは、やぱり形どり=造形・ス
タイル・プロポーション(のアレンジ)、そしてディテールの再現と取捨追加の選択、パーツ構成、とい
った順でしょうか。
 今回のキャストパーツの悲惨な現状はおいておいて、破綻のない原型時という点で考慮した場合、造形
は1980年代当時のお仕事としては立派なものだと思います。シンメトリー(左右対称性)については未だ
できていない造りなので、人によっては及第点が得られない内容かもしれませんが、わたしは全体として
よくまとまっていると思います。
 お尻のあたりの丸みがちょっとたりないかな・・・と思う程度で。

 パトライト機器周辺、リヤボディ周辺のディテール不足・オミット処理などの問題は、このキットの原
型製作が映画上映のわずか1、2年後、1984年頃であるということを鑑みると、ポリススピナーの細部に
ついての情報は未だまったく流れていなかった時期なので、やんごとないでしょう。

 この映画の撮影のために製作された実車サイズのポリススピナーは、米国の映画撮影用カスタムカー製
作(シネマティック・カー・カスタマイザー)の雄、ジーン・ウィンフィールド氏が手がけたものとのこ
とです。同氏は大ヒット作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のあの「デロリアン」(バナナの皮で動
く凄いやつ)も製作されていますね。
 ポリススピナーの撮影用実車モデルは、フォルクスワーゲンのシャーシを利用し、ボディは樹脂やグラ
スファイバーで完全にいちからコーチビルドされたものらしいです。(こちらはミニチュア・模型ではな
いからプロップとはいわない?)

 TVC-15さんの「スピナー読本」を紐解きますと、当時この映画撮影用に製作された実車サイズのスピ
ナーは4台あったそうです。
 2台はワーゲンのシャーシを用いた走行可能な車両で外観重視の製作(走行可能といっても、前輪はほと
んど曲がらない)。1台は軽いアルミフレームで構成された空中浮遊シーン撮影用の車両。1台は、内部撮
影用に車内(コクピット)のディテールアップを徹底した車両。なるほどなるほど〜。

 映画の撮影後、走行可能なスピナー2台は制作会社から売却され、1台は米国の珍車専門?のレンタカー
業者の手に渡り、もう1台はどういう経緯かわかりませんが、オークションなどで流れて日本のファンの方
が所有されていて、関東にあるとかないとか・・・。
 空中浮遊シーン撮影用の車両(ドンガラ?)は、残念ながら映画制作後に解体処分されたらしいです。
残る内部撮影用のスピナーですが、こちらも制作会社の発表では処分となっているようですが、どうも諸
説紛々で・・・。先述会話の文章のところで登場した、メディコム・トイさんの製品の元ネタである『バ
ック・トゥ・ザ・フューチャー2』劇中における未来のヒルバレーにチラリと登場した未来カー(黒スピナ
ー)が、どうも色が塗り替えられたそれらしいとのこと。
 さらに超大作SF映画『クライシス2050』(学研&NHKエンタープライズによる1990年公開の日本の
SFX映画)にも、お次は黄色と緑という悲惨なカラーリングにされて、銀幕に返り咲いているとか。もう
勘弁してあげて・・・


 なぜ、この撮影用実車スピナーの話に行間を割いたかと書くと、モデリングに関係あるからです。
 レンタカー業者が譲り受けた走行可能な実車スピナーは1987年、大阪の万博記念公園にあるエキスポラ
ンド遊園地にて開催された、「奇妙な自動車展 ジーン・ウィンフィールドの世界」で日本のファンに初
お披露目となったらしいのです。この時点で初めて、本物のポリススピナーの全容が大衆の目に明らかに
されたといって過言ではないのでは。

 したがいまして、今回のTVC-15製のこのファースト・スピナーキットに関しては、それ以前の原型製
作なのですから、多少のディテールの違いなどはとやかく語るべきではないのでしょう。ガレキの原型製
作って、正面画1枚くらいしかないキャラクターを立体化するケースも少なくなく、原型製作者の想像力と
解析力、そしてアレンジ込みの立体造形化の技量任せの部分も実に大きいのです。今も昔も。また、それ
が愉しくもあるのですが、後年になって細部資料がでてくると。。。
 20ン年も前の当時に、2次元映像の世界のものでしかなかった、ポリススピナーという夢と幻の立体化
英断を成し遂げたTVC-15さんの心意気は高く評価されるべきでしょう。


 ひとりのモデラーとして、幻のポリススピナーのキットを製作できる機会が与えられたというだけで、
大変な僥倖なのかもしれません。まだ完成していませんが、心から感謝したいです。ご親切にわたしに製
作の依頼をしてくださったこのキットのオーナー様に。
 そしてポリススピナーの素晴らしさを世の中に伝えてくださったTVC-15さんに。試練もモデラーにと
って必要不可欠で大切なプロセスでしょう。本当にありがとうございます。

 こんな風に、ポリススピナー一年生どころか新入生のわたしが、いろいろと書き綴ってしまっている時
点で、もうスピナーの魅力と毒牙に侵されてしまっているのかもしれませんね。あっ、蝸牛だからツノか
ヤリか。




                



■キットの内容

 すみません、先にお断りしておきます。画質わるいです。いつもの愛用のデジタルカメラで撮影してい
るにも関わらず、何だか携帯電話で撮影したような。うーん、5年酷使しているデジカメの寿命かしら。
 では、噂のキットの中を見ていきましょう。箱を開けると、中にはこれらのパーツがごっそりと入って
います。結構でかいし、パーツもかなり多いです。基本的に昔も今もガレージキットの封入パターンって
変わりませんね。パーツは素材ですから、これでいいと思います。
 しかし、このキット、組み立て方の検討がまったくつきませんね、この段階では。組み立て説明書つけ
てください。






      


■キャストパーツの品質

 かなりひどいキャスト成形・抜き仕事の品質。ガタガタボコボコ、ヤッホーイ、ヤッホーイ。
 恐らくはガレージキット市場黎明期の製品なのでしょうけど、それでも抜き仕事は粗雑なレベルです。
段差、でかいカケ、スアナ、細かい気泡のオンパレードで、いけない子です。モデラー殺すのに、刃物は
いらないってよくいいますよね。(いいません)
 販売前に、ちゃんと検品のプロセスがあれば、こういう不幸なことも少ないと思うのですが。視認でき
るだけでも、パテのお世話になるところが何百箇所もありそうです・・・絶句。こういう品が多いから、
模型業界のユーザー離れが進(ry





       


■塩ビ製クリヤーパーツ

 こちらも懸案なウインドウ用などの塩ビ製クリヤーパーツ。
 わたしは、普通のインジェクションのプラスチックモデルに付いているようなクリヤーパーツみたいに
扱いが簡単でなくとも、塩ビ製のクリヤーパーツ自体は好きです。理由は薄くてリアルに仕上がるから。
それと塩ビは薄くても割れにくくてちゃんとした強度があるから。

 ただ、今回のキットに付属しているこれらは、画像ではきれいに見えるかもしれませんが、まったく適
当なヒートプレスで、面がうねっていたり反っていたり、表面がブツブツだったり、サイジングが狂って
いてパーツにセットできなかったりで、ひとつも使えそうにありません・・・どうしよう(滝汗)
 あと、下の画像を見てもらうと全体的にうっすらと斑模様に曇っているのが確認できるでしょうか? 寿
命を過ぎてしまったのか、材質そのものが経年で傷んでおり、クリヤー層の内部から白濁(くもり)現象
を起こしています。勿体ないですね。





        


■クリヤーレジン製パーツ

 ヘッドライトやパトライトの透明部分の再現用に付属している、恐らくはクリヤーレジン製のパーツで
す。
 形状もガタついていたり、サイズがまちまちだったりでやはり使えないのですが、本来の透明性も経年
で黄変の極みに達し・・・合掌。傷みについては古い品なので、いたしかたないですね。
 下段右端のひとつだけ、後で塩ビクリヤー板&ヒートプレス法で再生する時のコアにしたいので、ペー
パーとコンパウンドで表面を磨いてあります。でも使えない。





        


■キットの組み立て説明書

 こちらのキットに始めから付属するものなのか、TVC-15さんが後で別にご用意されたものか、わかっ
ていません。すみません。ただ、組み立て説明書というよりは、塗装仕様・マーキング・ディテールの解
説書といった編集内容です。
 数々のコメントを読んでみると、デカールが付属しないガレージキットであるために、複雑なマーキン
グとカラーリングの塗装を強いられるポリススピナー製作のためのアドバイス的内容になっています。ポ
リススピナーの手描きの線画と注釈は拝見していて楽しいものです。
 右下のデカールは、どうやら後から付属になった品のようです。TVC-15・1996のレジストが印刷され
ています。こちらでも10年以上前の品になるわけですが、楽観視では使えそうな雰囲気ですね。あるだけ
でも御の字です。ありがとうございます。










■最初からクライマックスだぜっ! ・・・な製作レポート

 では実際に、キットの製作レポートへと入っていきます。
 先に、今回の製作における方向性を記しておきます。未だ手探りの段階なので、あくまで予定ですけ
ど。ここらへんは製作依頼主様に対するプレゼンもかねて、仕上がりの青写真の提示は必要です。

 SF系とはいってもスピナーは、半ばカーモデルの範疇でもありますので、破綻のない美しい仕上がり外
観というのは、当然望まれるべきところです。パーツがこのような悲惨な状態なので、これをどこまでキ
レイなボディパネルワークに近づけられるのか(達成できるのか?)、がフィニッシャーとしての勝負ど
ころですね。
 車体基本カラーのブルーは、美麗なブルーメタリックパール仕上げでいきます。未来カーなのだから、
完成見本にあるような単純なソリッドカラーのブルーより、こうした演色高輝能性のあるボディカラーの
方が抜群にマッチングすると思います。

 あと、パトライトやヘッドライト系など装備品・小物については、パーツ類がほとんど使えないので再
生作業が必須。その際、電飾組み込みをどうするか。熱的に可能な光源マテリアル(素材)が見つかった
ら、完成品としての付加価値ギミックとして導入したいですね。ここらは塩ビプレートで、パトライトの
透明パーツを復元できてから、おいおい仕様を決めていくことになります。
 (でも、電飾は永い目で見ると飽きるし、好きではないから、やらないかも。それよりキラキラに見え
るリフレクト系処理の仕込みをするとか。)

 次に、ドア、ホイールカバーなどの本来可動パネルとして設定されている部位の開閉。これは可動式で
はなくて、差し替え選択式でやっておきたい。小さなヒンジを仕込んでいくらでも可動式にもできるので
すが、ポリススピナーのガルウイングスタイルのドアパネルにしても、何分個々のパーツがキャストのム
ク素材で重いので、開状態での固定ができず、ヒンジ機構はやめてステディな展示ができる差し替え式を
優先した方が堅実でしょう。

 コクピット(車内)は、流石に1/16スケールということもあって、準SFチックなデザインのコンソール
系、シート、ドアトリムなど、ある程度は造形化されているのですが、プラモデルでいう1/24スケール以
下の造りこみのレベルなので、未だ物足りません。折角、白黒写真のドキュメントも揃っているので、プ
ラ板などのスクラッチでディテールアップしていきます。
 ・・・サプライズは、主人公のデッカードとプチ相棒の折り紙職人(ガフ)の1/16スケールのお人形を
製作してコクピットに座すことですけど、これはさすがに今回余裕がないですので勘弁してください。タ
カラさんのミクロマンでも載せて遊びませう。なーんて。
 余談ですが、モーターライズやRC化は前輪の操舵機構のスペースがないので難しいでしょうね。

 あと大切な点は、あくまで当時のキットを完成させるところに意義があるので、あまり何でもかんでも
パーツを新造し直したりコンバートしたりして、古き佳き時代の雰囲気まで払拭しないようにしたいとこ
ろです。細かいパーツ、ディテールは全滅なので、もう用意するしかしかたないですが、ボディパネル、
シャーシなどはバキュームしたりせず、極力使っていこうと思います。



 ・・・それにしても、我にかえってみると、偉いことになってしまいました。
 本当、最初からクライマックスな手強いキットです。。。 今回は、これらのダルダルなパーツ群を、と
にかく果てしなく整形・整面・表面処理していく作業が力仕事のほとんどになるでしょうね。フルマラソ
ンを10本走った方が遥かにマシと思えるほどの苦難が待っている気がします。手首をいためたり、指の爪
が磨り減ってなくなるのは覚悟しているのですが。

 全行程の8割はこのような無為な作業かと思うと、苦痛を通り過ぎて、なんだか泣けてきます。ここをご
覧になっておられるモデラーの皆さん、昔のガレージキットには手をだすものではありません。恐らく今
回は完成しても、外観性に多少の破綻は残ると思います。どうしようもありません。
 正直、わたしの製作技術では、まだまだ手に余る内容のキットです。しかし、もう決めたことなので、
迷いをはらいモデラーは一心不乱に手を動かすのみです。艱難辛苦の表面処理を終えられて塗装前の段階
までもっていけたら、きっとその分相当愉楽しくなるでしょう。

 個人的な、このキットの製作における目標は、いつもと同じで「どんな時でも、愉しんで接するこ
と」。ただそれだけです。作り手に、明るく楽しい気持で作られることのない模型なんて、絶対に佳い完
成品にはなったりしないはずですから。





       


■離型剤落とし

 まずは、古いガレキにありがちな、未だに離型剤でベトテカなので、しっかりと離型剤落としに漬け込
みます。しっかりといっても、10分も漬けませんが。いつもは、洗面器を使っているのですが、ボディ
(車体)パーツがでかいのと、パーツ数が多いので、今回は100円ショップで買ってきたバケツで。
 ただ、漬けておくだけでなく、ドラム洗濯機にでもなったつもりで、ブラブラグルグルとバケツを揺ら
して、パーツの隅々まで薬剤の浸透を促進させます。浸し終わった後の離型剤落としを見ると、何だかす
ごく濁っているのですが・・・(汗)






         


■パーツの洗浄

 米洗い用洗面器、ビニール手袋、ハブラシ、クレンザー、中性洗剤、そしてお湯。意外と面倒な作業工
程なのですが、手を抜かず時間をかけて、すべてのパーツの隅々までゴシゴシと丁寧に割りと力強くブラ
ッシング洗浄していきます。後で泣くことのないように。
 使うハブラシは、かため・ふつうとかいろいろ使ってみて、自分に合ったものがいいですね。わたしは
毛が極細タイプの物を使っています。泡立ちがいいのと、気泡の中まで毛先が届いている感じがするの
で。
 ビニール手袋は小さなパーツの保持の際、掴みきれなかったりとどうしても不便を感じますが、必須で
す。作業中1時間以上、クレンザーと中性洗剤に手を晒すことになるので、肌が荒れてボロボロになってし
まうので。

 あと当たり前のことですが、パーツ洗浄の作業はお湯がでる利便上、どうしても洗面台でやってしまい
ますね。水勢などで、小さなパーツをうっかり排水溝に落としてしまわないよう、防止用のフタやネット
を排水溝にセットしておきます。洗浄後は、各パーツの水滴を拭きとり、自然に乾かします。お湯で洗っ
ている都合上、パーツの熱で蒸発もしてくれます。








          


■キャストパーツの整形1 カッティング

 パーツの表面処理に入る前に、ごついバリとパーティングラインの段差とりなど。
 画像の通り、カッティングナイフやモデリング・チゼラーなどでやっつけていくのですが、まともなパ
ーツがまったくひとつもない状況です(滝汗)。
 赤い矢印で示しているのは、キャスト成形時の巨大な気泡により、ごっそり消失してしまっている箇所
や、反対にキャストがブリスター(膨張)状態になって、モコモコとした盛り上がり造形が加わって、デ
ィテールをだめにしてしまっているパターン。
 ごっそり消えているのは億泰のザ・ハンドの仕業、ブリスターの方は仗助のC・ダイヤモンドの仕業っ
てことで。

 いずれも昔のガレージキットには多いトラブルでしたが、ここまで非日常的なのは本当にありえない。
 とにかく、彫刻して直していくしかありません。これだけで、こつこつ4時間くらいかけてます。ここで
も断わっておきますが、きっとメーカーさんでご製作された原型品自体は、当時のレベルでいえば、ちゃ
んとした佳い品なのだと思います。複製の仕事がかなり疎かにされているというだけで。

 ・・・これからやらなきゃならない整形仕事のボリュームを今から考えると、やるせないです。
 本作劇中で、相手がレプリカントとわかってはいても、逃げる女を背中から射殺したデッカードが、そ
の後何か忸怩たるおもいでチンタオ(青島ビール)をゴクリと呑み干すシーンがありましたが、わたしも
もう飲まずにはいられません。









          


■キャストパーツのカケ・気泡処理 1

 サフェーサーを吹く前に、今の段階でも視認できるパーツの段差、カケ、気泡、スアナなどをパテで形
作ったり、埋めていきます。
 この段階で、数百箇所(汗)はあるので、これだけで丸二晩を費やしました。この段階では、タミヤパ
テなどラッカー系を使っても無駄どころか、後で泣きをみるので、カチンコチン&サクサク感覚のシアノ
アクリレート系パテで。ちょっとコストが高くつきますが、作業品質を優先します。パテは一度に厚く盛
れないので、乾燥・硬化したらまた薄く盛って、という工程を3〜4回繰り返します。ポリパテなど使いま
せんよ。

 気泡にパテを埋めていく際は、横着をせず、ひとつひとつのスアナに爪楊枝の先で、穴の奥に詰め込む
ようにスポッティングしていきます。こうしないと、後の表面処理中のペーパーがけの工程で、また気泡
が露出してきて元の木阿弥になってしまいます。手間暇かけてじっくりとキットと戦うあるのみ。

 それにしても、ぶつぶつ画像で気持ちわるいですね、すみません。
 雑にパテを盛り付けているように見えますが、これでいいのです。鋭い人、もしくは複製になれている
モデラーさんだと、直感でパーツのエッジになるほど欠損の補填をしている点に目がいかれると思いま
す。そう、残念ながら本当に雑な抜き仕事の成果物なのです。見えているパテ部分は、パテの硬化・乾燥
後、パーツ整形の際にほとんど形を整えられてなくなってしまいます。






           


■キャストパーツのカケ・気泡処理 2

 パテが乾燥・硬化したら、盛り付けたパテの不細工な状態の部分を整形して、パーツ形状の粗だし作業
などに入ります。これをしておかないと、ペーパーがけ作業が効率よくできません。

 上の画像は、スピナーのフロントボディの中央部位です。前輪のアームで隠れてしまって、あまり見え
にくいところではありますが。抜き品質がわるく、ごっそり消失している部分(鉛筆で書いた部分)をパ
テ&様々な彫刻ナイフ類で形だしした状態です。うっすらとピンクに見えているのがパテの部分。
 これだけでかい欠損だと、エポキシパテの方が有効なのですが、今回は密着性の問題があるので、先に
シアノ系でやっつけておきます。こういう修正作業を、あっちこっちの箇所でやっています。

 下の画像は、これまた泣き所のひとつで、タイヤパーツ。インジェクションのプラスチックモデルな
ら、普通はゴム製なのですが、ガレージキットのカーモデルって、たいていコスト的な問題でそのままキ
ャスト製です。それはいいとして、パターンの0時と6時の面が、やはりごっそり消失しています。葉書一
枚分(笑)
 これはやはりパテを盛っては、模型用V字彫刻刀で、パターンを彫り直しているのですが、なかなかそ
んなにきれいにできません。修正した箇所は、ボディ側に向くようにして隠そうっと(ずるいぞ)。嗚呼
ネガティブ・シンキングをお許しください。
 ちなみに、この頃の映画の特撮用実物大スピナーモデルに使われたであろうベース車の都合で、バイア
スタイヤのようなブロックパターン。懐かしい。映画の撮影用実車モデルとキットのパーツでは若干パタ
ーンが違っています。当時のカーモデルの部品を流用したのでしょうか。








          


■キャストパーツのケガキ

 パーツ形状の粗だしが整い始めたら、並行してスジボリなどの彫り直しを行います。
 スジボリは抜きの都合で甘くなっていて、塗装したら塗膜の厚みで消えてしまいそうなので、彫り直し
は必須です。すべてのパーツのエッジがダルダルなので、シャープに整形しつつスジボリをカチッと入れ
直すと、仕上がり時、格段に外観性が向上します♪
 今回のキットで唯一救いの種が、20年の時を経てキャストが硬くなってくれているので、新製品のガレ
キでは使えないケガキ針がいれられること。もちろんモデリング・ソーも使います。

 画像は、フロントタイヤカバーと、室内側のトリムと一体化したガルウイング・ドアパネルのパーツ。
フロントタイヤカバーに見られるモールドラインは、シド・ミード氏特有の線付けですね。ターンエーの
モビルスモーあたりにも通じるものがあります。間違ってもイデのゲージに似ているとかいっちゃいけま
せん。

 あと今回は、スジボリの彫り直し以外に、ボディパネルで谷折りのラインになっている箇所を、すべて
スジボリを加えて、視覚的な情報量を増やすとともに面をシャープに締めていきます。これによって、か
なりの本数をけがくことになりますが、仕上がり時の視覚的効果は抜群になります。
 これらの作業で、だいたい丸二晩といったところです。整合性のあるラインどりのための精密な方向性
と、ケガクための結構な指先の力が必要となる作業なので、指はコキコキに凝ってしまいます。








          


■キャストパーツの整面 1

 さあ、ようやく一次整面・表面処理の作業に入っていきます。
 これをやり始めると、「ガレージキットを扱っている」という気持ちが実感として高まってきます。表
面がボコボコだったり、ざらざらブツブツの梨地だったり、エッジというエッジが欠けていたり、パテで
盛り整形した跡がある各パーツについて、ペーパーがけを行って、面を整えたりエッジをシャープにして
いきます。
 この前工程で行ったスジボリ加工のモールドの際の整面も自動的に解決します。

 今回は、画像の右側にチラリと写っているように、キャストにはご法度の木工用の大きなヤスリまで出
動です。ボコボコなので切れるこいつがないと。基本的に全体的な作業は、粗目のペーパーでならして、
細目の番手のペーパーまで下ろしていきます。ペーパーがけは横着して手研ぎしてはだめですよ。一生う
まくなれませんし、何よりエッジがでません。ちゃんと画像のようなサンディングファイルを使いましょ
う。

 ここは大仕事のパートですが、だいたいこれを一通り済ますと、パーツにインテグラルな雰囲気が漂っ
てきて、見ていて気持ちいいものです。どんないけない子でも、愛情を注いで扱っていくと更正してくれ
るものです。

 で、いったんすべてのパーツの仕上げ目番手までのペーパーがけを終えたら、再び元に戻ってパーツチ
ェックをして、まだ残っている(一度や二度では、絶対にきれいにならないし、気泡も埋まらない)段
差・カケ・気泡などをまた同じ手順でこつこつと修正していく、地道で根気の要る作業の連続です。
 キャストの内部もスポンジーな気泡構造だったりするので、パテをつけてもポロポロと。あるいは、瞬
間接着剤が凝固したような箇所もあり、やりにくいったら、もう。最低でも4、5回はパテ付けとペーパー
がけのピストン。毎晩毎晩気が遠くなるような・・・
 流石に5日目ぐらいになってくると、疲労困憊とやるせなさでか、ブツブツ何かの呪詛らしきものを呟い
ている自分がいて。深夜の独り言はヤバイですね。(汗)

 とにかく下地処理剤のサフェーサーを吹く前に、極力問題箇所や不定愁訴は取り除いておく方針で。サ
フを吹くまでに、仮に500箇所あった気泡などの問題点は、7割方は処理できるでしょう。こんなに頑張っ
てパテ付けしたけど、まあそんなもんです。
 ちなみに、普通の今日的な品質のガレージキットであったなら、もうとっくに完成している程の時間と
労力が(ry







         


■キャストパーツのカケ・気泡処理 3

 これは、わたしだけのオリジナルの気泡処理の必殺技。爪楊枝のスポット打ち。
 ちょっと古いガレージキットにつきモノの気泡群を抜本的に埋めてしまうテクニック。ホームページで
はあまり出してきませんでしたが、実はよくやっています。
 パテで埋めるには小さすぎたり、奥にボイド(洞窟気泡)ができている性質の悪いパターンのキャスト
気泡に対して有効な技です。ひとつひとつの気泡の穴に爪楊枝を差してフタをしてしまい、根元で薄刃ニ
ッパーでカットする。その後、瞬間接着剤を点付けして、ペーパーで整面してあげれば完璧。見事に気泡
が消えます。

 画像のパーツは、シャーシですが、平面部分に強烈な気泡群が現れており、パテ攻撃の後は、このよう
に爪楊枝のスポット打ちで対応する形です。本当は、樹脂製の爪楊枝があれば便利ですが、木の楊枝でも
充分。コストが安いから、好きなだけ使い捨てで差せます。
 ハリセンボンな画像に見えますが、なんのなんの。まだ半分も差していない状態です。






          


■キャストパーツ歪みの修正

 これは、車体のリヤエンドパネル周辺の部位でシャーシ側。わかりにくいですが、車体をひっくり返し
て下側から見た状態です。
 リヤバンパーとでも呼ぶべき位置・形状のパーツですが、均一であるはずのバンパー帯の幅が、場所に
よって狭くなったり広くなったり。原型の方の問題でしょう。かなり加工容積が大きかったので、エポキ
シパテを盛って、画像のように整形処理しました。濃い肌色のパテで修正した部分が歪んでしまっていた
部分・・・哀しすぎます。








          


■ディテールアップ工作1 フロントベルトライン

 退屈な表面処理のプロセス紹介ばかりでは、このページをご覧になっている人も詮ないでしょう。わた
しも気が滅入ります。ということで、お楽しみの各部位におけるディテールアップ工作に入っていきまし
ょう。作業もかぜん楽しくなります。
 まずは、フロントの前輪カバーの側面輪郭をぐるっと覆っている、細かいギザギサが付いたベルトライ
ン。(これ何でしょう。緩衝材・バンパーの役目とか?) キットのパーツでも造形は再現されているので
すが、抜き品質の問題で細かいギザ山が気泡で潰れまくっていて、まず整形不可能。帯の幅自体も位置に
よって変化してしまっています。
 迷わず、金ヤスリでディテールをそぎ落として、画像のように別途採寸・形状加工したプラ板の帯を貼
る形式に変更しました。これで、塗装作業の塗り訳も合理化できて品質的にもきれいになるでしょう。






           


■ディテールアップ工作2 サイドシル断面

 何処の部位かわかりにくいですが、上の画像はフロントタイヤカバーアームを取り付ける前のフロント
ボディの右端です。平らな面に、赤い矢印の箇所をミニ彫刻で上下2箇所、四角く深いくぼみを彫り込む
で、ピンセットの傍にある小さな△片のプラ材を仕込みます。これは、コクピット内部のクローズアップ
設定画稿に描きこまれていた正規ディテールなので、作業として追加しました。

 下の画像は、同じサイドシル(ロッカーパネル?)位置を後方から見た状態です。こちらも、普通の自
動車でいうフロントドアパネルの開閉ヒンジ位置に、同様のディテールの設定がありましたのでディテー
ルアップの加工を施しました。こちらはスピナーのガルウイングのドアをあけた時しか見えなくなります
ね。
 数もあるし、小さく正確な四角のくぼみを彫るのは結構神経と時間を費やすことになるのですが、こう
したディテールアップ工作は、完成後の外観性品質をひき締める効果が高いのでやりました。拘りたいと
ころです。

 サイドシルの側面に貼ってあるグレーのパーツは、市販のディテールアップパーツです。こう見えて
も、撮影用に実車製作されたスピナーのディテールと、ほとんど同じ形状・サイズでどんぴしゃなので
す。排気口のような機能でしょうか。元のパーツのディテールは、四角の板に由れた3本のスジボリだけだ
ったので、そぎ落として換装しました。







          


■ディテールアップ工作2 ルーフダクト

 スピナーのアッパーボディのサンルーフの後ろに設定されている熱抜き用のダクト部位です。口の部分
が埋まってしまっていたので、ピンバイスドリルとデザインナイフでこつこつとくり貫いて、壁面の表面
処理を丁寧に仕上げた後、裏側から金属パーツのメッシュを貼り付けています。

 このディテールについては、実際にシド・ミード氏が設定したものかどうかわかりません。ただ、撮影
用の実車モデルを製作された際、ミッドシップレイアウトにあるフォルクス・ワーゲンのエンジンの熱が
まともに車内に充満するので、その熱逃がしとして、モデル車体製作を請け負ったジーン・ウィンフィー
ルド氏が苦肉の策でアレンジされたものかもしれません。ルーフパネル左側のみ。
 でも、カッコイイですよね。








          


■ディテールアップ工作3 リヤエンドノズル

 スピナーのお尻で、リヤバンパーの上に並ぶ推進用5連ジェットノズル?です。実はただのリヤエンドコ
ンビネーションランプ部位なのかもわかりませんが、少なくとも飛行中のスピナーはここから何かを噴射
して飛んでいるように見えます。
 ディテールアップ工作というか、この部位はキットのパーツがあるようなないような(滝汗)、とにか
く説明したくもないような状態ですので、映画のイメージと撮影用実車モデルのイメージを鑑みながら、
既製品のディテールアップパーツで、ジェットノズル風にアレンジしてみました。まだ、並べているだけ
なので位置関係はずれているし適当です。
 ここは、スピナー全体のデザインの中でも、結構目立つポイントの部位だと思います。クルマはリヤか
ら観て魅力的でなくてはいけないと。市販の「長方形バーニア」という品を、ひとつだけだと視覚的情報
量が少なくて締まらないので、大・中・小サイズの三つをはめ合わせて、ひとつ分のノズルを構成してみ
ました。
 ・・・うーん、何だか中華ラーメンどんぶりの模様みたい。上海テイストは、ある意味『ブレラン』世
界の基本なので、まあいいですよね。(笑)







          


■ディテールアップ工作4 シャシー垂直上昇用ノズル

 市販パーツを使ってのディテールアップ箇所をもうひとつ。スピナーのシャーシで、左リヤタイヤホイ
ールハウスの前周辺の画像です。
 赤色の矢印の四角のくぼみに、小さいな正方形バーニアパーツを仕込みました。ここは劇中では、スピ
ナーが地上から垂直上昇するシーンで「フシューッ!」と、派手に白いガスを噴射しているシーンがある
ので、それらしく演出しておきたい箇所です。勿論右側もあります。ミッドシップレイアウトのスピナー
だと、2名乗車でちょうどこの位置ぐらいが車体の重心位置といったところでしょうか。

 画像下の方の赤い矢印の箇所は、サイドシルパネル(ロッカーパネル)の側面のリヤ寄りに、実物サイ
ズにして直径5〜7cmほどの正円のくぼみ系ディテールが設定されているので、ピンバイスドリルの3mm
系で穴を彫り、奥に同径の丸ディテールアップパーツを仕込んでいるところ。実際に仕込んでしまうと、
もう取れなくなってしまうので塗装後まで仮組みです。








          


■パトライト基部(ステー)の工作

 今回のディテールアップ工作の中核部分ですね。アッパーボディ(要するにルーフパネル位置)にたく
さんマウントされるパトライトのステー(基部)を作ります。キットでは、単純な板パーツが付いていた
だけなので使わず、手持ちの資料類とにらめっこしてプラ板でスクラッチします。

 ちょうどサンルーフウインドウの上に横たわる格好で付いているステーは、空気抵抗を考慮してかこん
なナナメスタイルの形状。車体正面から見てきちんと水平になっているようにセットします。実物だと金
属製でもう少し薄い設計でしょうが、ある程度の剛性を考えて、1mm厚のプラ板での工作です。車体側へ
のセットは、ステー断面に0.5mm径の真鍮線を軸打ちしてステディに。

 車体左サイド(画像手前)にあるタマゴ風の曲面を描いたベルトラインもパトライトのためのステー。
リンケージ風になっているのは移動式パトライトだから。この装備はポリススピナーの左側にしか付いて
いません。こちらのスクラッチは、ギザギサのベルトラインの枠縁の厚みを均一にしながらカーブさせる
のがむずかしい。車体から外しても、こういう曲線のままの形状です。
 車体へのセットは、同じくステー断面に0.5mm径の真鍮線を軸打ち。普段MHのスタビライザーパーツ
などで、0.75mm厚の断面に0.5mm径の軸打ちをしているので、こういうのは簡単。








          


■パトライト・丸タイプの工作

 パトライト本体の再生作業です。まずは、丸型の方から。
 ライトの透明カバーの部分については、基本的に0.5mm厚の塩ビ透明プレートを買って来て、キットの
クリヤーレジン製の傷んだパーツの表面を磨きたおしたコアを使って、ヒートプレスしていきます。ヒー
トプレスの後は、縁をカットしてきれいに整えます。
 パトライトの台座の方は、やはりプラ板で工作。底板は1mm厚のプラ板をタマゴ型にカット加工したも
の。この側面を、0.35mm厚で幅2mmのプラ板の帯を作って用意し、グルッと巻いて枠を設定します。こ
れによって、ライトのクリヤーカバーの取り付け・接着が確実に行えることになります。
 丸型のパトライトは、ルーフパネル位置周辺に5個あるようです。結構面倒な工程で形作っているので、
数が多いとこれだけで一晩かかってしまいます。画像下段左端のがキットのパーツアッセンです。
 丸型パトライトの色は赤・青・黄の3種類があって、黄色のライトカバーが若干大きいようなので、塩ビ
で作ったクリヤーカバーの方を若干大きく設定しています。







         


■パトライト・四角タイプの工作

 次は、角型タイプのパトライトの作成です。要領は丸型とまっくた同じ。卵型の台座の代わりに、こち
らは長方形の箱をプラ板でちまちまと構成していきます。単なる箱組みだと不細工に見えるので、エッジ
を落として積極的なC面で構成された多面体にしています。
 画像の右縦列に裏返しで並んでいるのがわかりやすいと思います。角が落ちると、一回り小さく、薄く
見える効果も期待できます。イメージは、ひと昔前に流行ったPIAA製フォグライトとか(笑)。

 ポリススピナーに装備されている四角タイプのパトライトの数は13個。アッパボディのルーフ位置に5
個と、車体真下のシャーシに8個付いています。スピナー飛行中は、地上にいる人々に対してアピールする
必要性から、シャーシ側にも必要なのでしょう。つくづく設定が細かいです。
 それにしても、割りとシンプルなプラ板の箱組み作業とはいえ、同じものを13個作るのは骨が折れま
す。実際は予備を含めてもっと作っていますが。かといって、複製のキャスト抜きするほどでもないし。
 あと、透明パーツ同様、ヒートプレスで量産するのが一等手っ取り早いのですが、それだとどうしても
側面のプラ板の厚みがひとつひとつ均一にコントロールできないので却下。ある程度、精密性に拘泥した
いのです。やはり一気呵成、勢い箱組みで一気に作るべし。(でも丁寧に)







         


■透明パーツの工作と設定1 ヒートプレス

 スピナー車体各部位に、絶妙なデザインで設定されているウインドウやライト類に使用する透明パーツ
の作り方について。
 すでにパトライトの透明カバー工作のところですこし紹介していますが、基本的に塩ビ製の透明プレー
トを、ヒートプレスで成形し適切な形状・サイズに切り出して、車体側にはめ合わせるパターンです。使
う道具は画像に写っているライターと蝋燭だけ。真空引きを利用するバキュームフォーム(オーバーハン
グがある造形には必要)と違うので、お手軽です。
 塩ビ製透明板は日曜大工センターや東急ハンズで買ってきたり、日々の生活のコンシュマー(生活品、
食材)のパッケージで使えそうな物を日頃からとっておいたりすると便利です。ヒートプレスに適した板
の厚みは、0.3〜0.5mmの範囲の品がよいと思います。薄いと後で成形処理ができませんし、厚いとヒー
トプレスの作業効果自体がまともに期待できません。

 画像下段は、ヒートプレスの芯にするプラ板箱組みのコアと成果物ですね。車体のルーフパネルセンタ
ーにある煙突型照明部分のパーツです。コアは普通にプラ板などで図面をひいてスクラッチするのと同じ
です。当然、熱に弱く剛性のない造りにすると、ヒートプレスに耐えられません。左端はヒートプレスし
たての状態。右端はキットの付属のもので表面がブツブツだったり歪んでいたり。
 コアの方はヒートプレスすると、透明板の厚み分ひと回り大きくなるので、それを考慮してきちんと計
算ずくで小さめに作っておくことがとても大切です。合わせる側のパーツ現物との擦り合わせ、というの
がベストでしょう。







          


■透明パーツの工作と設定2 ルーフパネルの小窓など

 まずは、車体のアッパーボディ、ルーフパネルのウインドウなどから。左右に窓があって、それぞれち
ょっと変わった枠形のデザインになっていますね。ここは各々ワンオフ製作で透明プラ板をジャストサイ
ズに切り出して用意します。
 次に、それを安定してはめ込んで接着するために、車体側の窓枠の方に、あらかじめ作っておいた0.
3mm程のモールディング(枠)を、枠の内側方向へ1mmずつはみでる形で囲うように貼り付けておきま
す。これで、内側から透明プラ板製のウインドウパーツをきれいに接着してはめ合わせることができま
す。つまり「糊しろ」を用意した格好です。
 窓枠に、薄く白いラインが入っているのが画像で見えるでしょうか。向かって左側は、見えませんが、
実は透明パーツをはめ込んでいる状態です。

 スピナーのような美しい流線型のボディデザインに対して、フラッシュ・サーフィスをスポイルするよ
うな不細工なモールディングは個人的にも車体表面につけたくないのですが、安定して透明パーツをセッ
トするには、これがベターな手法だと思います。今回モールディングの厚み自体0.3mm程なので、実車の
モールディングよりスマートなので、とくに気にならない範囲としています。

 ルーフセンターにある煙突型照明灯?の自作透明パーツのセットも、同じ要領をとっています。白く細
い帯のラインによって、透明パーツがしっくりセットできます。ここの透明パーツの形状とセットは、上
手にできたかなと思います。形状把握がむずかしく、サイジングの調整だけで一晩かかっています。







          


■透明パーツの工作と設定3 センターヘッドライト

 左右フロントタイヤカバー(アーム)根元のちょうど中央に位置する、センターヘッドライト(単なる
ポジショニング灯かも)の箇所です。赤い矢印で示しています。わかりにくいですが、新造の透明パーツ
をセットした状態。
 ここも、極薄のプラ板帯で糊しろを設定しておいて、ジャストサイズ・形状に用意しておいた透明パー
ツをセットするだけ。電飾など仕込みやすそうな配置ではあります。
 画像真下に写っているのは、透明レジン製?のキットのパーツ。ダブルディケイドの経年で超黄
変・・・








         


■透明パーツの工作と設定4 タイヤカバーポジショニングライト

 「クッ、クレイジー ジャパニーズモデラー・・・」と米国の2D&3Dロマンウォッチャーさんに揶揄い
われそうな箇所。健常な精神構造のモデラーならやらないでしょうね。既成のスピナー系製品、過去のス
ピナーの作例でここらを透明パーツ化している例は知りません。
 スピナーデザインの特徴でもある、展開式になっているフロントタイヤカバーに設定されている、緩い
カーブを描くポジショニング灯ならびにヘッドライト(?)。 シド・ミード氏の仕事らしい美しい意匠な
らびにレイアウトです。

 まず、タイヤカバーパーツのポジショニング灯の枠穴を開口し、次にそのジャストサイズ・形状に透明
カバーパーツをひとつひとつワンオフで切り出します。ここの透明パーツは、あらかじめドーム状に成形
されている塩ビ製透明パックから、型紙を介してのカッティング&微調整になります。今回は、以前に
100円均一ショップで買ったヘッドフォンの透明ブリスターパッケージを利用しました。

 このカーブ帯状の透明カバーのセットは、タイヤカバーパーツ側で両端にあたる部分に、やはり「糊し
ろ」を設定しています。開口部の両脇に、小さな白いチップがくっついているのが見えるでしょうか。左
右のタイヤカバー合わせて透明カバー4枚ある訳ですが、この小ささ薄さですと各々パーツのクリアラン
ス、サイジングの微調整が必要になってきます。もう、ミクロに撤し隊っ!(ミクロの決死隊ね。映画ネ
タは苦手です・・・)
 画像は、実は透明カバーをセットしてある状態。透明だけに見えませんが、とくに違和感ないでしょ
う? この箇所だけでやはり一晩。もうやりたくないです。

 タイヤカバー中心にあるヘッドライト部分は、画像には写っていませんが、天辺にフタが付いており普
段ライト部分は収納されています。夜間やスイッチオンの時だけ、ポコンと飛び出る形で照明部分が露出
する仕組みのようです。ここは可愛いデザインですね。
 こちらの透明パーツは、画像右端に写っているキットの透明レジンパーツ(の成れの果て)をひとわま
り小さく加工、ツルツルに表面処理してから、ヒートプレスのコアにしました。オーバーハングのないこ
の手の形状はきれいに成形できます。







          


■透明パーツの工作と設定5 サイドクォーターウインドウなど

 ここも透明パーツの設定は難関中の難関。ポリススピナーにはドアウインドウから、我々の世界のクル
マでいうクォーターピラーへ向かって、楕円形を横に倒したおしゃれな小窓が付いています。デザイン
上、スピナーの車体を大きな楕円として、その中に小さな楕円をおいた格好で、シド・ミード氏真骨頂の
手法ですね。デザインズアクセントであり、目立つ部分なので、工作の方も疎かにはできません。

 この楕円の小窓は3分割になっており、先端はドアパネルのウインドウと一体化しています。したがっ
て、ガルウイングドアを開けると、元の位置から分離します。真ん中の窓パートは車体と一体になってい
て固定。後端部分はフラップパネル(飛行中に展開して安定翼のような役割をする?)と一体化してお
り、やはりフラップが展開すると元の位置から分離します。

 もともとパーツの設計・成形精度がよくないので、まずは関連パーツをきれいな楕円としてつながるよ
うに、時間をかけて整形・表面処理します。次に、窓ガラス部分の新造については、ゆるやかに湾曲した
ドーム状の塩ビ製プレートから切り出し、楕円の枠のパーツにきれいにはみ込めるように、地道に擦り合
わせしていきます。この後、3分割にカット。
 これら透明パーツのセットについては、この箇所もやはり、安定確実にセット・接着したいので(いつ
だって透明パーツの接着はモデラーにとって鬼門ですよね・・・)、これまでと同じように裏から透明パ
ーツを車体側キャストパーツにはめ合わせできるように「糊しろ」を設定します。といっても、ここは小
さい窓部位でスペースがないので、厚さ0.25mm、幅0.5mmという細いプラ糸を、楕円枠の内側輪郭一周
分にライナー(自動車のウェザーストリップ)のように貼っておいて、窓枠の役目をさせることにしまし
た。

 もう、滅茶苦茶に細かい作業です。楕円の内側のアウトラインが、白くなっているのがそのプラ糸を貼
って、表面処理をした跡です。この画像ではかなり見えにくいですけど。こうしてできあがったのが画像
の状態です。個人的にはいい感じです。フラップパネルの後端がすこし上にずれているのは、固定してい
ないからです。







          


■透明パーツの工作と設定6 アンダーウインドウ

 おっとっと、失念するところでした。そうそう飛行するスピナーにはアンダーフロアパネルにも、下方
を望めるようウインドウが付いているのでした。ちょうど搭乗者の足元に窓ガラスがあるレイアウトにな
っていて、飛行中は怖いといえば怖いやふな。
 ここでは、これまで説明してきた透明パーツのスティディな接着固定のための「糊しろ」をわかりやす
くするため、車体の内側(この場合、コクピット)から画像を撮影してみました。窓枠の内側の縁に白い
ライナーが見えているのがそれです。
 不自然に見せないように、実車のウェザーストリップ風に細く薄いライナー仕様にしてあります。用意
したのは、厚さ1mm、帯幅1.2mmに調整・加工したプラ板(線)。ウインドウの透明パーツは、まず型
紙で形状とサイズを測って、0.5mm誤差範囲のジャストサイズに切り出し・調整をします。
 この箇所は、平板の塩ビ製プレートがそのまま使えるのでありがたいです。







         


■ドアパネルの取り付け・調整1

 透明パーツ設定作業のオーラスは、大物のフロントウインドウとドアウインドウですが、その前に肝心
の、それをセットする側のシャーシ(アンダーフロアパネルとフロントバルクヘッドの一体になったパー
ツ)、アッパーボディ(ルーフとサイド・リヤボディが一体化したパーツ)、ドアパネル(ドアインナー
トリムと一体整形)の組み立て・チリ位置調整をきちんと片付けておかなければ、整合性のあるウインド
ウパーツの取り付けはできません。

 まず、シャーシにアッパーボディを載せて、ガルウイングタイプのドアパネルのパーツをセットしま
す。ここで大切なのは、ボディとドアパネル前後・下辺のチリ(隙間)の微調整。キャスト成形精度の問
題と、これまでがんばって整形・整面作業をしてきたため、チリ幅はどうしても広めで、かつ隙間が均等
ではありません。これは想定内。カーモデルとしては大変不細工です。
 画像の赤い矢印で示した箇所が、そのボディとドアパネルのチリのポイントとなるライン位置です。こ
の調整は、ドアパネルの断面に1mm厚のプラ板をシム扱いで貼っていって、ペーパーで研磨して微妙なチ
リ合わせ・調整をしていきます。とくに気を使ったのが、一番左側の赤い矢印のバルクヘッドと面するガ
ルウイングヒンジ位置のチリ。パーツの成形上、ラインがガタガタだったので、ボディ側のチリ断面に薄
いプラ板を貼って、美しくシャープな印象のチリにしています。

 画像の向こう側の右ドアパネルは、ガルウイングを開いた状態です。今回、開閉機構のヒンジを用意す
るのは簡単なのですが、ムクのドアパネルパーツは重いので、完成後はヒンジギミックのない、開と閉の2
パターンを差し替えで選択できるように、金属線の軸打ちをヒンジ位置に仕込む方向で考えています。展
示モデルとしてはその方が普遍的で安定するでしょう。







           


■透明パーツの工作と設定7 フロントとドアのウインドウ

 さあ、いよいよ懸案のフロントウインドウのパーツをボディにマウントしていきます。とにかく、ガレ
キや自作の透明パーツというのは、接着・固定を断面に頼る構造なので不安定になりがち。それでは普遍
的に美しく安定した完成品とはならないので、接着・固定法には万全を期します。

 まず、ボディに左右ドアパネル、ダッシュボードのパーツを仮組みし、正確な位置を決定。フロントウ
インドウの透明パーツ下辺の縁を挟み込むような格好となるよう位置調整をします。ドアパネルにはイン
ナードアトリムとの境界線(赤線でなぞっている箇所)に、2.5mm幅の深い溝をウインドウパーツのR曲
線に合わせる形で彫ります。これは滅多に用いない鋭角V字彫刻刀(ケガキチゼラー)を使って正確に。
 右を向いている矢印は、開閉式で傾斜角の強いドアウインドウの固定のために、さらにトリム上辺にウ
インドウを内側から斜めに支える縁をプラ板で設定しています。ここがひと工夫のポイント。この画像よ
り、ひとつ下の画像の方がわかりやすいです。

 上を向いている矢印は、アッパーボディのルーフパネル位置の前方へのパネル・エクステンションとし
て、1mm厚、幅3.5mmのプラ板を貼ったもの。ルーフが曲面なのでちょっとむずかしい。ウインドウパ
ーツ後端における接着固定の際の糊しろの役目をします。ウインドウとの接辺は薄くテーパーに削り込ん
で、スピナーの美しい逆ティアドロップのサイドシルエットをスポイルしないよう心掛けています。

 右の小さな画像が、実際にフロントウインドウをセットした状態。安定しています。現在はフロントウ
インドウと左右のドアウインドウが一体化しています。これを切り離した後に、3者をきれいに整列させて
Aピラー位置でのチリを揃えるのが、腕の見せ所となりそうです。
 ちなみに、画像の透明パーツは、キット付属の経年で傷んでしまったものなので使えません。よく見た
ら、右と左のAピラーの幅が2mm以上違う! ・・・とにかく、新造します。ところで、画像にポ○シェら
しきフラット6エンジンが載っかってますけど、ん







          


■透明パーツの工作と設定8 サイドクォーターウインドウその2

 ボディへのフロントウインドウのマウント設定が決まったら、お次は、サイドパネルにあるオーバル形
状の小窓(3分割になっている)の先端箇所を、サイド(ドア)ウインドウに位置決めします。きちんと3
つが集まってバランスとして破綻のない楕円にならないのといけないので、ここも位置・高さ調整がむず
かしいです。
 この箇所は何と、ウインドウに直に枠がくっついているという設定。普通のクルマでいうセンターピラ
ーの役割をしているのかもしれません。ドアウインドウ曲率すごいです。とても目立つ部分でもあるの
で、枠の裏面を削ったり盛ったりで、慎重に作業します。







         


■ディテールアップ工作6 サイドスリット

 ここでいったん、残しておいた車体のディテールアップ工作に戻ります。
 大物パーツのフロントウインドウの設定までができたことで、スピナー全体を構成するメインのパネル
パーツ類である、シャーシ、アッパーボディ、ドアパネルの位置が確定。サイドボディにデザインされた
スリットをディテールアップします。
 元の状態は、上に5項目画像の「透明パーツの工作と設定5 サイドクォーターウインドウなど」の通
り。工作の時限に半丸彫刻刀で彫ったままのような造形になっていたので、ぜひとも改修したい箇所。

   こちらの画像で、左の矢印はサイドパネル(センターピラーなのかも)に穴を彫って、きれいな細長
い楕円に縁を整えただけ。この柱パーツは厚さが6.5mm!もあって車内側に貫通させるのに、骨が折れま
す。しかし、これ何のスリットでしょう?

 右の矢印で示した3本セットの細いスリットは、恐らくエンジンの熱逃がし用では。ジーン・ウィンフィ
ールド氏のカロッツェリアで製作された撮影用実車モデルには、内部にメッシュが貼ってあるので同じよ
うに細工します。
 工作は、サイドパネルをいったん大まかにくり貫いてしまい、3連のスリットを造形したプラ板を表側か
ら貼り付けて、エッチングメタル製のメッシュパーツ(黄色いテープで貼ってあるやつ)を裏面から貼り
付けます。ちょっとしたガーニッシュにも。目立つ箇所なのでドレスアップ効果高いですね。

 この箇所も細かすぎて、模型作例ではオミットされがちなディテールです。この細いスリット、模型と
しての幅はたったの0.75mm。サイドピラーは微妙にRしていますし。人間の手ではこんなにきれいに3本
均一に揃えて直線をカッティングしたり彫ることは不可能。今回はちょっと頭を使ってスクラッチしまし
た。






          


■ディテールアップ工作7 ドアミラー

 この画像は、車体ルーフの中央位置からフロント斜め左を見たアングル。左ドアミラーが写っていま
す。
 サイコロを半分にカットしたような、とてもユニークなドアミラーカバーの形状をしています。こんな
クルマ見たことない。スピナーの車体全体が曲完全な面主体の構成であることに対して、こうした細かい
ディテールにスクエアパーツを用いて、全体の外観性を締めるというかアクセントにするというか。シ
ド・ミード氏は本当に凄いですね。

 そのドアミラーですが、キットではカバーのパーツまでで、内部のミラー(鏡面)機構部分の造形がな
いので、既製品の長方形をした、ちょうど手頃なサイズのディテールアップパーツを加工・調整して内側
にセットします。右と左の鏡面の角度はドライバー(当然左ハンドル)から見て不自然にならないよう
に。完成間近に、鏡面代わりにメッキ調のアルミホイルシートでも貼りましょう。ガフ見てる?







         


■ディテールアップ工作8 ホイール

 業界用語(どこの?)でコロコロのパーツです。ガレージキットなので、普通にタイヤとホイールが一
体化しています。それはいいのですが、とてつもなくキャスト抜きの品質がよくないのです。タイヤのパ
ターンが破綻してしまっている件は先述の通り。ここではホイールの方について。

 画像では、4輪とも同じ造形に見えますが、手前左のひとつだけが割りとシャープに成形できていてぎり
ぎり及第点。他のは、それを元に複製をとって、さらに複製をとったようなダルダルな造形で、もうどう
していいのやら(滝汗)。しかも、ひとつひとつ造形が何故か少しずつ違っています。設定では4輪とも同
一なのだから、同じ原型から4つ複製を作ればいいと思うのですが。うーん、どのような理由があるのでし
ょう。

 それで善処策として、とにかくホイールの表面部分のダルなディテールだけでもいったん削ぎ落とし
て、薄いプラ板で新造して貼り付けてやることにしました。部分的でもシャープな造形が加われば、面と
して外観性に締りがでるはずですから。
 加えて、またもや市販のディテールアップパーツの助けを借ります。ホイールロックのボルト風に、近
しい形状のパーツを所定の位置にひとつずつ貼り付けてみました。この定番6角ボルトパーツの外径はわず
か1mm。この箇所はシド・ミード氏のデザインでは、SFチックにシンプルでフラットな丸粒のディテール
に過ぎないのですが、やはりカーモデルなので6角ボルトは似合います。今はダークグレーなので真っ黒で
のまったく雰囲気が伝わりませんが、シルバーに塗装すると格段に精密感がでてくると思います。

 ところで再びタイヤの方。できればゴム製のパーツに換装したいな、という欲求が日に日に高まってき
ました。やはり全然質感が違いますもん。それにコロコロできるように。(笑)
 暇があれば家のジャンクパーツ置き場などを漁って、同じサイズのゴム製のタイヤを探しているのです
が、やはり珍しい1/16スケールということでありません。1/24スケールのタイヤなら腐るほどあるのです
が。
 ここをご覧になっておられるどなたか、もう要らないカーモデルのゴム製タイヤパーツをお持ちでした
ら有償で譲ってください。トレッドパターンはバイアスっぽい単純なブロックな感じです。パーツサイズ
はタイヤの外径が31mm、タイヤ幅が11mmです。扁平率は60くらいです。







          


■ディテールアップ工作9 オーナメント

 オーナメント(飾り)というか、エンブレムというか。これは恐らく、シド・ミード氏の仕事ではな
く、映画のミニチュア製作監督のマーク・ステットン氏か、撮影用実車モデルを製作したジーン・ウィン
フィールド氏の仕業。そう、ポリススピナーにはかっこいいオーナメントまで付いているのです。ハリウ
ッド映画流拘りのモデリングなのですかね。リスペクトです。
  ポリススピナーのオーナメント意匠の内容は、ダイヤモンド形にSPINNERの凝った図柄のロゴを組み
合わせたおしゃれで立派な見映えのもの。かのスーパーマンの胸のマークと同じ輪郭モチーフですね。
(ということはDCコミックス系か〜。なーんて) 色はシルバーですけど。画像のテール位置とサイドド
アにも塗装扱いで入っています。どんなのかは完成してのお楽しみ。
 でも、SPINNERのロゴでエンブレム扱いということは、作品世界ではスピナーというカーメーカーか同
ブランドが存在するということかしら。

 このロゴについては、キット付属のデカールで再現されているので大いに助かります。リヤのオーナメ
ントについては、実車モデルではちゃんと厚みをもたせた格式のある仕様になっているので、画像のよう
に、アウトラインの形状を細かく切り出した0.25mm厚のプラ板を貼っています。
 これをシルバーに塗って上からロゴのデカールを貼ればいいのですが、付属のデカールの印刷は何と白
文字で、シルバーカラーになっていません。大人の事情で、金や銀は特色インクで使えなかったのでしょ
う。ここはデカールを、00番手のコリンスキーセーブルの面相筆でシルバーに精密塗り絵してあげましょ
うかね。

 一緒に写っている各種V型エンジンは気にしないでください。単なるエキストラです。(笑) スピナー
の内燃機関はどうなっているのでしょう。何気筒? シリンダーレイアウトは? 排気量は? 馬力は? 蒙昧
で何も知らないのです。








          


■透明パーツの工作と設定9 フロントウインドウの型おこし

 また透明パーツの設定作業に戻って、フロントウインドウ透明パーツを新造するための作業に入りま
す。
 高級クレイ(粘土)を用意して、ヒートプレスの型を製作しました(画像右)。結構面積が広くて大き
いコアなので、造形にきめ細かく良質のクレイを使用しても、造形過程で表面にある程度凹凸が発生して
しまいます。そうした凹凸もシアノアクリレート系パテできれいにツライチに整面して(桜色のシミみた
いに見えている箇所)、全体をツルツル仕上げに。高さをかせぐための台座は発泡スチロールのブロック
から削りだしです。

 肝心の曲面構成のむずかしい造形の微調整については、何度か捨てヒートプレスを行って車体側と付き
合わせて、削ったりパテを盛ったりして微調整を繰り返し、絶妙なコア形にもっていきます。この手の調
整作業は、わたしのような凡百モデラーだと膨大な時間が費やすことになり、休みの日丸々1日かかってし
まいます。焦って造形品質が落ちては元も子もないので、牛歩上等です。

 画像左がヒートプレスした塩ビ製透明プレート。時間と手間をかけただけあって、キット付属の品と比
べて格段に美しくできあがりました。(涙)
 このくらいのコアのサイズになると、一度や二度できれいにヒートプレスできる透明パーツができあが
るというわけにはいきません。加熱がいきわたらなくてうまく成形できなかったり、熱で透明プレートが
部分的に白化してしまったり、どこかにちょっとたシワが寄ったり・・・。高価な塩ビ製透明プレートが
勿体ないですが、5、6回はヒートプレスして、一等きれいにできた品をチョイスします。
 今回の製作で、ここが一番技術的にむずかしいプロセスかもしれません。レベルE(形而上)。








         


■透明パーツの工作と設定8 フロント・ドアウインドウ その2

 造り起こしたフロント・ドアウインドウの透明パーツを設定する前に、受け皿としてのマウント側のパ
ーツに、確実に位置固定できる処置をまた施しておきます。
 こうした工作をしておかないと、大きな面積の透明パーツは安定しません。ましてや、新造した透明パ
ーツは左右Aピラーの線で、フロントウインドウと左右ドアウインドウに3分割にカットするのでフラフラ
動きやすい。各々が独立して正しい定位置に収まるよう、堅実な策を講じておく必要があります。完成し
てからフロントウインドウとドアウインドウのAピラーに隙間が散見されてしまうようでは、カーモデル
として興ざめですから。

 画像右の矢印の追加プレートについては以前のプロセスで説明済みなので、ここでは割愛します。
 上を向いている矢印の箇所は、ルーフパネルエクステンションの工作につづいて、フロントウインドウ
の脱落防止に、エクステンションの下側に、同ウインドウを挟み込む形の枠を追加しました。この両端は
サイドのセンターピラーまで外側・下方向へ伸ばし、ドアパネルの上端位置まで連絡します。
 これによって、フロントウインドウとドアウインドウは底支えができて自動的にツライチに並ぶ恰好に
なります。また、ドアウインドウ後端とセンターピラー接合面の縦チリ(隙間)の裏側に壁ができること
になり、精密な密閉感ができます。








          


■透明パーツの工作と設定8 フロント・ドアウインドウ その3

 新造した透明パーツを、フロントウインドウと左右ドアウインドウの3分割に慎重に慎重を期してカッテ
ィング。ナイフに力を入れて透明パーツを割ってしまったり、刃先を滑らせて表面に傷つけてしまったら
一巻の終わりです。
 この後、カッティングラインに沿って、Aピラーを構成するための厚さ0.3mm、幅2mmの極薄いプラ板
を各々のウインドウパーツに接着固定します。ここも接着剤をはみ出さないように超慎重に。極薄いプラ
板を使用するのは、ウインドウとAピラーの段差について、視覚的にフラッシュサーフィスを感じる範囲
内に抑えたいからです。こうした段差が大きいと、カーモデルの場合とくに野暮ったくなるので。

 苦労して製作した各ウインドウパーツを実際にボディに取り付けたのが画像の状態です。十全な工作を
してきたので、ほぼパーフェクトな組み仕上がりで合格。バルクヘッド、ルーフパネル、Aピラー同士の
接合面(ライン)にも隙間なし。一等懸案課題だったフロントウインドウ部位が片付いて、とりあえず安
堵。

 右のドアパネルは、ガルウイングを開けてみました。軸打ちギミック工作済みですので、この状態と閉
じた状態の2パターンを安定して固定・展示できることを確認。カウンタックと同じスタイルのガルウイン
グの開角度は、ドアが立ち過ぎても寝過ぎてもよくないですね。それにしても、ガルウイングって実際に
乗り降りする立場になると、すぐ頭をぶつけそうで怖いです。

 ・・・なんだかポリススピナー、徐々に形になってきましたね。嬉しい。でも、まだ全体の作業工程の
半分にも達していないのです。手強いですね








          


■ガレージキットの軸打ちについて

 ここで、すこしガレージキットの軸打ちの考え方について。
 プラモデルの接着ポイントの要であるピン・ダボに相当するのが、各種金属線によるキャストパーツな
どへの軸打ちですが、かなり重要視しています。塗装後、円転滑脱にストレスなく各パーツを組み立てて
いくために、仮組み工程の段階で十全な軸打ち処理をしておくことをつねに念頭においています。人間の
身体でいえば、経絡秘孔牽制のための北斗有情拳みたいなもの。(意味不明)
 今回のキットのように細かいパーツが多い構成だと、とかくナーバスになりがちなガレキの組み立て接
着・固定ですが、事前に綿密な軸打ち処理さえ完了しておけば、快刀乱麻のごとく塗装後さくさくと楽し
く組んでいけるはずです。(それでも神経使いますけど)

 今回の製作の場合、肝というかむずしい部位は、数多く用意したウインドウ系など透明パーツにまつわ
る接着・固定のところでしょう。この画像の中心に写っているのは、ドアウインドウを裏(車内)側から
見た状態。例の楕円のクォーターウインドウの小さな先端の窓枠パーツの取り付けさえ、やはりこのよう
に丁寧に軸打ち処理を施しておくと、実に安心です。
 透明パーツに対して安易に面と面で接着するのは、もし接着剤がはみだたら取り返しがつきませんし怖
いです。また、完成後に何年かして取り付けたパーツがポロリということもありえます。できるかぎり普
遍的な品質の完成品を目指したいものです。







         


■フラップパネルの建て付け調整

 どういう設計・造りなのか、とにかく普通に組んでも、まずパーツ同士がまったく合ってくれない迷キ
ット。。。モデラー泣かせです。
 シャーシとアッパーボディの位置関係が確定したので、ドアパネルで行った建て付け調整と同様に、ク
ォーター(サイド)パネル位置にあるアウターフラップパネルの建付け調整を行います。
 ここもルーフパネルやサイドピラーとの隙間がかなり目立つところなので、フラップパネルパーツの断
面にプラ板を貼るなどして、微妙なチリ(隙間)を調整します。あと、ルーフパネルやサイドピラーとの
表面でのツライチにするための高さ調整も。こちらの方が、パテを持ったり削ったりで手間がかかりま
す。

 画像の通り、フラップパネルは閉じた状態と展開した状態を、金属線軸打ち部分での差し替えでできる
ように工作しました。ヒンジ工作だとパーツの自重に耐えられそうにないので。








          


■リヤメカフレーム&リヤサスペンション部位の工作

 コクピット後方にあたるリヤボディ内部は、見事なまでにすっからかん構成のキットです。フラップパ
ネルを展げると、リヤタイヤの隙間から結構内部が見えてしまいます。中が空っぽで、向こう側まで通し
て見えてしまうようでは興ざめもいいところなので、「詰め物」の工作をしておきたいところです。

 まず。リヤタイヤのドライブシャフト(2mm径の真鍮線)を通してコロコロできるようにしました。そ
して流用パーツやプラ棒、真鍮パイプなどで、エンジン、同ケージ、リヤサスペンション部位の工作を施
しました。
 リヤタイヤについては、飛行モードでは車体上方内側へホイールごと持ち上がる形で収納され、車体下
面がすっきりする設定です。これは、ホイールの取り付け位置差し替えで可能にしておきたいところです
が、今回は諦めました。ポリススピナーのリヤタイヤの取り付けは、アッパーボディとサイドピラーをシ
ャーシに組んでしまうと、リヤタイヤの5分の1くらいサイドピラーで隠れてしまって、もう取り外せない
からです。ということで、地上走行モードの方を優先で。

 エンジンは考証なしで適当です(笑)。すみません。映画撮影用の実車モデルがフォルクスワーゲンの
シャーシ・コンパートメントを利用していたとのことなので、一応縁のあるポルシェの空冷フラット6の平
たい格好のエンジンをチョイスしています。実際のスピナーの設定でシド・ミード氏が描かれた側面透視
図では、この位置に「パワープラント」と記されたエンジンらしいシルエットの輪郭だけが描き込まれて
います。しかし、これがガソリンエンジンなのか電気モーターなのか、はたまた水素エンジンなのかも知
りません。

 エンジンマウントなどのための鋼管スペースフレームっぽい部分は、手持ちの品でほぼ同スケールのブ
ラーゴ製ディーノ246GTのダイキャストモデルからの加工・流用です。足りないところはプラ棒で構築し
ています。前方・上辺がコクピットとの隔壁パーツと干渉しないよう、うまく構築します。
 リヤサスペンションのウイッシュボーン式ロアAアームも同じく加工・流用です。ダンパーシリンダー
は、市販のディテールアップ製品の長さをカット・調整して使用しています。ここらへんの金属パーツ
は、わざとチラリと見えるようにレイアウトしておきます。
 右の画像がボディ・アウターパネル越しに見た状態。まあチラリズムの範囲です。







          


■・・・ピタゴラ装置?

 おやおや、これは何のパーツのスクラッチでしょう? 某何とかスイッチのTV番組にでてくる、仕掛けみ
たいですね。造りは細かいです。細いプラ板の帯を切り出してこつこつ組み立てていき、徹夜して何とか
ふたつ分ができあがりました。(呆)
 パンタグラフっぽい橋桁構造で、よく観ると伸縮のためのシリンダー(真鍮パイプによる段継ぎ)が工
作されているのがわかるでしょうか。(可動はしません) 天地位置に接続のための軸打ち処理がされてい
ます。何の部品なのか、答えは次の画像にて。







          


■フロントサスペンション部位の工作

 上の画像の構造物の正体は、フロントサスペンションアーム部位におけるカバー展開機構のためのギミ
ックでした。『スピナー読本』には実際に劇中の映像からドローイングされた、この部位の線画の掲載が
あり、それに準拠する形で似せてスクラッチしてあります。
 とにかく、地上走行モードでアームカバーが上がった状態になると、キットのままでは何もパーツが用
意されておらず、すっからかんが思いっきり露呈してしまう箇所なので、それらしい造形物が必須と考え
ました。
 きっとこのアーム全体が、トーション系のサスペンションの機能も果たしつつ、ホイールアーチであ
り、同カバー・シュラウドでもあるのでしょう。なーんて。

 フロントタイヤを取り付けるサスペンションの方もキットではパーツが一切ないので、それらしい演出
の工作を。こちらはフロントタイヤを取り付けると懸架装置系は隠れてほとんど見えなくなってしまうの
で、上半分のアッパーAアームとダンパーシリンダーぐらいで充分です。あと、よく見えてしまうカバー
内側面(奥)がシンプルでフラットな造形なので、ディテールアップパーツなどでうるさくならない程度
に情報量を増やしておきます。

 見えているパーツの画像底位置で、すこし飛びだした真鍮線がフロントホイールを取り付けるドライブ
シャフトです(スピナーは4輪駆動らしい)。地上走行モードでは、前輪が収納カバーよりせりだして、こ
のようにかなり下方向へ移動して、地面と接地する仕組みですね。
 ちゃんと後輪との最低地上高のバランスを合わせておく必要があります。しかし・・・この造りだと、
スペース的にもバンプラバーなど知ったこっちゃあない! という潔い設計ですね。単純にサスペンション
ダンパーとしての機能だけでなく、カバーからの懸架装置上下出し入れのためのアクチュエイターを兼任
していると考えたいところです。
 飛行モードでのアームカバーを閉じた状態は、軸打ちの差し替えで可能にしてあります。







          


■コクピットのディテールアップ工作1

 いよいよコクピット(車内)を扱います。スピナーを基本的にカーモデルとして考えた場合、外側と内
側の仕事があるのが、模型趣味では製作が楽しい部分といえるでしょう。
 当該キットは1/16スケールということで、そこそこ詳細な車内パーツが用意されています。しかし、例
の芳しくないキャスト品質のため、細かなディテールはカケと気泡がいたるところに散見されて、残念な
がらほぼアウト。新造・再構築の必要があります。

 この画像に写っているものは、取り外しのきくような小物パーツ類と、コンソール(メーターナセ
ル)、センターコンソール(画像左)、運転席側である左ドアインナートリム(画像上)など。プラ材、
金属線、市販のディテールアップパーツなど埋め込み・組み合わせて、スクラッチ、ディテールアップを
施しています。

 まず、画像中央に写っているコンソール部位の下辺両端についている半球状(正確には不規則なダイヤ
モンドカットスタイル)のものは、スピナーのステアリングです。通常の自動車のようなステアリングホ
イール(ハンドル)はありません。ハンドルだと飛行時の操縦性に問題があるのかも。キットのパーツは
単純な板だったので立体的に造り起こしました。ドライバーは手をこの中に入れてグリップを握って、ス
ピナーを操縦するみたいです。『逆シャア』世代MSのアームレイカーとか想起してしまいます。

 そのコンソールの右に写っているのは、実際に車内で右側にレイアウトされるサブモニターみたいなパ
ーツ。(画像では横向けになっています。)小粒丸形のディテールアップパーツの埋め込みは、これだけ
小さいサイズだと位置関係を正確にしないと、かえって不細工なので気をつけています。
 横にくっついているボンベみたいな形状のパーツはさて何の役割でしょう? 配線はアルミ線と真鍮パイ
プによる工芸。楕円の球状なのでこちらの方が造形はテクニカルです。キャスト色の部分はムクからの削
りだし。

 さらにその画像右側に写っているキャスト色の小さなパーツは、セミバケットスタイルシートのヘッド
レスト部分。搭乗者の両耳をカバーする羽の部分にはスピーカーが内蔵されているらしいので、それらし
く。

 画像手前の白色の細長い棒みたいなのは、我々の世界の車で謂う天井に付いているルームライトの位置
から、助手席前方に向かってフロントウインドウの傾斜に沿って伸びているナビゲーター用インジケータ
ー(コンソール)っぽい装備。プラ板プラ棒によるスクラッチですが、サト○のキリモチみたいな部分
(パネル類)の造形が難儀でした。あとバーの角度、形状、曲がり角の設定はもう絶妙です。プラ棒に熱
を当ててじっくりと調整しました。バーの先端とパネル類の接続位置には、設定を参考に電源コードのよ
うなものを3本、0.6mm径の金属線で配してあります。

その右側の斜めにカットされた白い細長菱形のようなパーツは、センターコンソールを跨ぐスイッチのス
テーみたいなパーツ。設定に習い、5連トルグスイッチ(つまみがある)のようなものをきれいに並べてみ
ました。

 さらにその右側に写っている白い板の集合体のような造形物は、足元のフットペダル類です。カーモデ
ルとして考えるなら、やはりこれがないと締まりません。それにスピナーは運転席側のダッシュパネルが
吹き抜けで、足元が丸見えのデザインなので、この手のパーツの用意は必須と考えます。
 シド・ミード氏が描かれたであろう初期のスピナー側面透視図の画稿に、オルガンスタイルのAペダル
とやはり床出しスタイルのBペダルのレイアウトがかろうじて確認できます。それにしたがって、右側か
らアクセラレイター、スピードブレイクの各ペダルを造形しました。Cペダル(クラッチ)は画稿で確認
できなかったので用意していません。左端の造形はフットレストです。これは当方のオリジナル。各々ド
ライバーが足を当てる表面の模様は実車同様に変えてあります。

 画像でその下に見えている小さなピストルのようなパーツは、パーキングブレーキレバーです。これも
ちゃんと画稿にドローイングされていたので、それっぽく。









          



■コクピットのディテールアップ工作2

 実際に、コクピットモジュール一式を仮組みしてみた全容です。
 「毎度毎度、画像が小さくてわからない! おもしろくない!」と思われる方が多いと思いますが、どう
かご勘弁ください。これだけたくさんの画像を掲載すると、ネット画像データ転送量がもうエライことに
なっていますので。お楽しみは、完成後のギャラリー画像ということで。

 パッと観、なかなかカッコイイですね。ドアトリムからダッシュパネルまでグルッと半周を描くアウト
ラインの採り方が非常に美しいです。今の時代だと、この手法のデザインはスポーティカー系の実車でも
よくみかけるようになりましたが、『ブレラン』映画公開の80年代前半当時ではエポック過ぎる発想でし
た。足元に配されたウインドウ、フットペダル類がダッシュからシースルーになっているのも興味深いで
すね。

 もうクルマ然としたイメージではく、やはり飛行する乗り物感が漂っております。運転席側にメータ
ー、スイッチ関係の情報量が集中していて、助手席側はさっぱりしている感じ。一方で、第一印象は、
「それにしても窮屈そう・・・ノン・コンフォータブル」です(笑)。軽自動車より狭いですね。車高が
カウンタック並に低いので、搭乗者の座面と前にほおリ投げた足の踵の高さがほぼ同じになりそう。お尻
が痛くなってしまいます。
 あと、フロントウインドウが搭乗者の頭上まで来ているので、視界は大変良好ですが、実際に乗るとサ
ンバーンで相当に苦しみます。(『ブレラン』の世界観はちゃんと曇天の設定になっています。)

 さて、この仮組み作業で苦労したのが、アウターボディのフロントバルクヘッドと、ダッシュパネル、
ドアトリムの位置・高さ関係をツライチにしつつチリ(建て付け)を揃えること。もう全然むちゃくちゃ
なパーツ構成だったので、プラ板貼ってカットして・・・トライアル&エラーの繰り返しでどうにかここ
までもってきました。ここら辺がビターッっと揃っていないと気持ちよくないので。

   シート後方、コクピットとエンジンルームの隔壁についても同様です。かなり調整しないと収まりま
せんでした。用意したリヤスペースフレームとの位置・高さ関係はあらかじめ計算していたので問題な
し。
 ダッシュやトリムに走っているコード類をアルミ線で造形しているのは、通常の電線を使うより、任意
のライン取りで固定しやすいからです。







          


■電飾工作1 乱麻な配線

 ♪YOUはデンショクッ! 哀でモチが落ちてくるぅー 熱い心コードでつないでも今はムゥーダだよ〜

 ・・・オホン、電飾の作業に入りました。
 電飾に対する興味が薄いので、所期の考えでは行う気持ちはあまりなかったのですが、当該キットのオ
ーナー様が愉しみにされているということで、施行することにしました。あと、ポリススピナーの模型製
作といったら、電飾必須という不文律があるみたいなのでやはりやっておくべき課題のようです。
 劇中で曇天の空もしくは夜の帳を、ボディ各所に配されたライト類やパトライトを煌々と点灯させてラ
ウドネスに空舞するポリススピナー映像のインパクトが強いのでしょう。闇と光を効果的に利用した80年
代特撮マジックにだまされてしまいます。

 この画像は、ひと通り配線し終わった状態です。発光機能にLEDやバルブを使わず、使い慣れたムギ球
ベースで構成しているので、コード類が凄いことになっています。これでもシャーシ側だけの配線で、ま
だアッパーボディ側にたくさんあるパトライト系のごちゃごちゃした配線が、組み立ての際加わることに
なります。
 今回は、ムギ球を仕込む本数がかなり多いので、まるで実際のクルマのハーネスのようになってしまい
ました。もう混沌とした状態ですね。冥界の王ハーネス。・・・なーんて(寒ッ)。

 冗長なのはここまでにして、真面目な話。配線は確実な接触と絶縁の工作が命。各コード、はんだ処理
と絶縁テープを施行済みです。次に確実なレイアウト。水道のホースと同じで、コードが長かったり曲率
が多いと無駄な電気抵抗が増えますので、極力抑えるようにします。

 今回使用している光源は、模型店などで普通に売られているムギ球と、パトライト用のその点滅球。こ
れらを計34点くらい搭載することになります。ちなみに模型用のムギ球は定格3V仕様。LEDのように電
圧・電流に神経質にならなくても、弱い電力でも点灯してくれます。しかし、点滅球の方はやはり3Vの電
圧をかけてはじめてピカピカ発光してくれるので、やはり定格にしたがった電源の構築が必要です。
 余談ですが、市販のアルカリ乾電池は1.5V、充電式のニッカド電池は実は1.2Vだったりします。パワー
があるから、使えますけどね。
 電源の用意は、よくある単三2本の電池ボックスです。出来あいの製品は選択肢がいろいろありますが、
わたしはリニューアルされたタミヤ製品で。スピナー本体に仕込めるスペースはないので、ジャックピン
を介しコードを伸ばして外部入力式に。

 ・・・しかし、このややこしい配線はどうでしょう。塗装後に各パーツの最終組み立てをしながら、ま
たはんだ付けして結線しては、まとめていくことを考えると何やらゾッとしないですね。仮組みで確認は
しているのですが、ちゃんと収まるかしら。。。杞憂であってほしいです(汗)。嗚呼、自動車電装の神
エレキング・ウラゴー様、天国の奇天烈賽様、どうか知恵をお授けください。







          


■電飾工作2 フロントホイールカバー・ポジショニングライト

 では、具体的に各部位の電飾工作を見ていきましょう。
 これは、フロントホイールアームの展開式カバーの部分。裏側からムギ球2つ使って、このようにポジシ
ョニング灯を演出します。画像の通りムギ球は結構明るいので、キャストパーツが透けて光ってしまって
います。これは仕上げ塗装後に、パーツ裏面に透過防止のアルミ箔シートを貼るなどして対応していくこ
とになります。電飾で大変なのがこの処置ですね、ホントに大変。それでも若干光は漏れますが、まあ許
容範囲に収まるでしょう。
 この部位のムギ球の配置で必要になったのが、裏からフタをする格好になるムギ球の台座作り。プラ板
で作った白くて丸いヤツです。光漏れを防ぐ構造にしています。







          


■電飾工作3 フロントヘッドライト、フロントアンダーライト

 これはフロントのボンネットというかバルクヘッド部位というか。とにかくフロントヘッドライトの部
分です。こうして暗がりで撮影すると、何でもカッコよく見えてしまうから困ったものです。
 劇中の映像を観ると、ヘッドライトカバーの中に5つか6つくらい光源バルブが横一列に並んでいるよう
です(眩しい!)。しかし、流石にそんなに沢山つけるとダッシュ内側の配線が大騒ぎになってしまうの
で、2つ置きに。

 アンダーフロアのフロントセンターにも、小さな電灯がひとつ付いて光っているのがわかるでしょう
か。これも映像で確認できたので追加しました。下方向を照らすライトかポジショニング灯なのでしょ
う。ちなみに、リヤにも付いているのですが、こちらは電源のピンジャックに取って代わられています。








          


■電飾工作4 ルーフ部位のパトライト

 電飾工作では目玉となるルーフ部位のパトライト類です。賑やかですね。
 見えているだけでムギ球が12個。ランプの赤、青、黄、白の各色レイアウトは定められています。中央
の煙突スタイルの照明灯の中にもムギ球がひとつ入っています。半球タイプのパトライトの台座はまだ固
定していないので位置・角度は曖昧です。
 最終組み立て時のコード類の結線処理がむずしそうですね。コードが緑色なのは点滅球のためです。








          


■電飾工作5 シャーシ部位のパトライト

 車体を裏返して、シャーシに付いている四角型のパトライト類です。8個あります。ランプの青と赤のレ
イアウトはやはり決まっていて、青が内側です。
 画像向かって右がリヤ側になります。パトライトの間に黒くて丸いパーツが見えますが、これが外部電
源入力のためのピンジャック(メス)になります。ピンの方はL字タイプの品をチョイスしてあり、スピ
ナーの低い車高(最低地上高)に対して地面に当たらない位置に配置し工夫しています。








         


■電飾工作6 サイドフラップパネル翼縁灯

 ここは個人的にオキニ工作の部分です。美しい。
 スピナーのサイドパネルがフラップ(展開)式になっているのは、これまでに述べましたが、さらにそ
の翼の後ろ側のナナメカットされている縁部分は、帯のように発光するのです。これがまた見映えがよく
て劇中でも実にカッコよく映っています。是非光源を仕込んでおきたいところ。

 透明パーツの工作・設定のところで紹介しなかったのは、この箇所は工作のアプローチがむずかしく
て、思案六歩していたからです。薄いし曲面だし。
 透明パーツの部分は、やはりヒートプレスで新造。慣れてきたようで、我ながらきれいに成形できまし
た。問題はフラップパネルへの透明パーツの取り付け・固定の方で、やはりステディに細く薄いプラ板の
帯を窓枠のように貼り付け工作をして、透明パーツ固定のための「のりしろ」を設定しています。ここの
作り込みだけで丸一晩かかっています。

 ムギ球のレイアウトは、このフラップパネルパーツの断面に3.2mm径の穴を慎重に開けて、アクロバチ
ックに裏側からパーツ内に寝かせて仕込んでいます。
 惜しむらくは、劇中イメージのように帯全体で均等に発光させられないことですが、これは致し方ない
ですね。









          


■電飾工作7 テールエンド5連スラスター

 わかりやすい見せ場の部分です。スラスターのディテールパーツを外した状態で光らせてみました。
 実際のスピナーがここからガスを噴射しているのか、何らかの推進剤を燃料にしたジェット噴射で前へ
進んでいるか不勉強でわかりません。ただ、映像では白か赤色に発光していた印象があるので、赤のムギ
球をチョイスしました。
 この画像で太陽のように紅くぼやけて見えているのは、やはりムギ球の光がキャストパーツを透過して
いるためです。5連のムギ球・・・裏側の配線はえらいことになっています。









          


■電飾工作8 コクピット部位メーターナセル、メインモニター

 車内側にひとつも光源がないと実に寂しいので、コンソール系を2箇所光らせることにしました。ステア
リング前の電光式(メーター)パネルとその横のメインモニター。それぞれ中にブルーのムギ球を仕込ん
でいます。
 メーターパネルの方は、いったんパーツを前後にカットして内部をくり貫きやすくしてから、ムギ球を
通しています。画像の通り、今のままでは光らせると明るすぎて雰囲気がでないので、後にブルーライト
とすこし減光の処理・調整を施します。
 パネル面は当然、透明プラ板から切り出して用意したものですが、劇中のモニターグラフィカルな雰囲
気に準じて、裏側からパネル内区分のモールドをケガいて表現しています。







           


■下地塗装のプリパレーション

 さて、すべてのパーツの下地塗装に入ります。
 金属系パーツについてはメタルプライマーから。キャスト、プラ製のパーツについてはオリジナルブレ
ンドのプライマーサフェーサーを吹いて、表面処理のための二次整面、気泡処理、微妙な凸凹弁別などの
作業へと移行していきます。上塗り塗装・仕上り品質を左右する、勝負どころの重要なプロセスです。
 フロント・ドアウインドウ、ループの照明灯の透明パーツなどは、Aピラーをすでに一体化しているの
で、こんな感じで養生塗装になります。小物パーツは軸打ちの真鍮線を利用してクラッピング。
 通常サイズからアッパーボディ、シャーシなどの大物パーツは、完成すると見えなくなる箇所に穴を開
けて、塗装用の支持棒をしっかりとれないように串刺しします。まるでヴィラド・テペッシュ!の惨劇の
よう(禁句)
 大きく重たいアッパーボディやシャーシのパーツにいたっては、かなりの保持力が必要なのでゴツイ割
り箸を支え棒に使います。







           


■プライマーサフェーサー吹き

 すべてのキャストパーツに、プライマーサフェーサーをエアブラシで吹きました。
 プライマー、サフェーサー、シンナーの調合比率は、今回キャストパーツの品質が気泡だらけなので、
最初から「埋めにかかる」方向性でブレンドしています。1コート目の仕様は、プライマーの比率を少し高
めて塗着効率重視。2コート目はサフの埋め機能を発揮させる形で金属粒子重視の配合で。サフコーティン
グの塗膜厚の調整はエアブラシ運びで慎重にコントロールします。

 遠目の上の画像だと、しっとりとしたいい感じに見えますが、下の画像のクローズでは、もう微細な気
泡のスアナだらけ(滝汗)orz。。。んと非常識なレベルのキャスト品質です。気泡が群集になっていると
ころはウエハースのように脆弱な構造に、硬化剤が凝り固まっている箇所はザラメ(砂糖)のようにカチ
ンコチンでペーパーの刃がかまないくらい硬い。・・・どうしたらいいのっ!
 まあ、実のところ想定内です。一次整面・整形作業の段階で予測はついていました。あれだけ時間と労
力を費やして頑張った甲斐あって? 細かいサイズ以上の気泡やカケ・段差はほぼ整えられているようで
す。

 これでも、最初の状態と比べたら、格段によくなった状態です。1次整面の段階では視認できなかった気
泡群が、サフを吹いたことで露呈というか視認できるようになった格好ですね。これから暫く、これらを
自分の体力と指の力がつづく限り、こつこつ延々とやっつけていくことになります。地味ですが、玄人目
線ではここらが腕の見せどころなのだと思います。







          


■2次整面・表面処理作業1

 まずは、また爪楊枝を使った、深い気泡へのロマン差しを徹底的に。
 左画像の横にピンバイスが写っていますが、やっつける必要がある気泡の中で中途半端に微細なサイズ
のものは、0.5mm径のドリルでわざと穴を広げてから、爪楊枝を刺した方がかえってキレイに穴が塞げる
ので、この作業プロセスではピンバイスは必須ツールとなります。
 爪楊枝は勿体無いので、使った後また鉛筆削りの要領で先を尖らせて再利用します(セコ笑)。
 この後、爪楊枝を刺した根元でカットして、瞬間接着剤を点付け。そして、次に各パーツ表面に点在す
るうんと細かな気泡やカケ、段差、キズなどに対して、シアノ系とラッカー系パテを併用しつつ盛って
は、またペーパーで整形・整面していきます。







           


■2次整面・表面処理作業2

 ふぅ。一週間毎晩サフを吹いた各パーツにペーパーを延々と研磨しつづけた結果がこうなります。
 たとえば最近の品質の安定したガレージキットのキャストパーツなら、サフェーサーの塗膜は表面処理
作業後も半分以上残るのですが、今回の場合はご覧の通り。サフが気持いいくらいペーパー粉塵と化して
いきました。
 地味ですが、いかにもガレージキットを扱っているというシーンですね。

 こういう過酷な基本作業の連続になるとつい思い出します、修行時代を。。。15でこの世界に入り、3
年間はただの使い走り。親方に怒鳴られどおしの毎日。。。カッターの背中で何百回と頭を小突かれた。
 バシィッ!
 イ、イタイーッ!
 「何度いえばわかるんだ、おメーはッ!」 「プラもレジンも生きてんだヨ。人間の皮膚と同じで呼吸
してんだバカヤロォ!」 「もっと話せ、もっと対話しろ」 「気泡だらけのキャストは何をしてしがっ
てる!? ゆがんだパーツはどうしたら喜ぶ!?」 「パテつけて、ペーパーかけて、面だしして、樹脂の気
持になれ! パーツの気持ちになれ!」(高木)








         


■2次整面・表面処理作業3

 ショッキングというか、わかりやすい絵を。
 2次表面処理作業の成果物となったパーツの拡大画像です。細かい気泡群が埋められているのがわかるで
しょうか。まるで大銀河に煌く、あまたの星々のようではないですか。(・・・そんないいものではな
い)
 典型的な1980年代のキャスト品質の実態でしょう。

 茶色い点は爪楊枝と瞬間接着剤スポット打ちの跡です。サフ色もしくは黒色はサフと金属粒子パテ。キ
ャストパーツと似た色で視認できないのがアクリレート系パテによるパテ埋めの結果です。
 わたしの場合、これができるようになるまで何年もかかりました。何にも考えなしにサフを吹いて、た
だペーパーを当てていくだけでは、細かい気泡はまったくといっていいほど埋まってくれません。度重な
るサフ吹きとペーパーがけで、キャストパーツがいたずらに削れていって正規の形状を失っていくだけで
す。模型に杓子定規な考えは通用しません。

 一方、これでほとんど全部の気泡が埋まってくれて解決したかというと、全然そんなことはなくて、ま
だ目に見えない気泡がゴマンとあると思料されます(汗)。サフェーサーを吹き直して、また延々とペー
パーがけとスアナ埋めに腐心します。今回の場合、ピストン4回目ぐらいで上塗りに入れるかどうかとい
う、気の遠くなる話です。

 ・・・正直、この工程の作業でかなり体力を消耗してしまいました。ずっと各パーツの面に精神を集中
させてエッジを出しながらの面だし作業でもあるので、このプロセスではどうしても心身ともに疲弊する
傾向にあるようです。指先コキコキ。しかし、まだ長丁場。体力の配分を考えながら、完成までコンスタ
ントに作業を続行していくのみです。








          


■パトライトの塗装・組み立て1

 ♪あーか あーお きいろのー 意匠をつけたー カタツムリがしゃしゃりでてー(古)
 ウエハースorザラメ構造のキャストパーツのサフ研ぎばかりでは気が滅入るので、並行して自作した小
物パーツなどの塗装作業も進めていきます。画像は、ルーフ部位に装備されるパトライトのランプカバー
など。なんだか美味しそうな色合いですね。
 塩ビ製クリヤーパーツへの塗装は、わたしの場合、そのよくない塗着効率を考慮して、メタルプライマ
ー吹きから始めます。次にクリヤーカラー。インク系クリヤーカラーのままだと経年で艶びけするので、
さらにスーパークリヤーIIでトップコーティング。ピカリン♪
 画像左は、自動車で謂うところのリヤコンビネーションランプ位置の5連スラスター。ファインシルバー
塗装後、クリヤーレッドをコーティングして、メタリックレッド仕上げに。







          


■パトライトの塗装・組み立て2

 これは、電飾(発光体)を仕込む台座側のパーツに施している光漏れ・透過防止のためのアルミ箔テー
プ貼り。
 ・・・今回のようにパトライト台座などの数が多いと、時間のかかる地道な作業です。面倒でもこれを
しておかないと、完成後いざ光らせた際、光って欲しくないところから光が漏れて、カッコ悪いです。こ
の役割は、塗料をいくら厚塗りしてもムダですね。ペラペラでも金属系を一枚かますのがベストです。
 画像でゴワゴワとアルミテープを貼ってあるのは、光を分散させるために半分わざと。模型用として売
られている極薄の品は下地のミクロン単位の凸凹を拾うので、実は鏡面表現には向きません。日曜大工セ
ンターや百円均一ショップで売っているアルミテープの方が、少し厚みがあって鏡面にしやすいです。
TPO(?)に応じた使い分けをしたいところです。








          


■パトライトの塗装・組み立て3

 ちょっとはしょっていますが、各々自作してきたルーフ・パトライトのステー、台座、そして肝心の点
滅ムギ球を仕込んで組み立てた状態です。接着・固定は、強力な瞬間接着剤の流し込みに頼っています。
 その後、画像のようにムギ球の露出したランプ部分(バルブ)、コードを養生して、スーパーファイン
シルバーカラーを、微粒子メタリック顔料を均一に整列させるように美しくコーティングします。
 工程として組み立てと塗装の順序が逆と思われる人もいると思います。先にステーと台座は同シルバー
で塗装を済ませているのですが、瞬間接着剤を使っている都合上、微量の接着剤使用であっても、どうし
てもその硬化化学反応でガスが発生し、周辺のパーツの塗装をわずかに白く曇らせしまいます。これはメ
タリックカラーの場合、コンパウンドで磨いて除去するわけにはいきません。
 それを隠すためにマスキング+再塗装をする必要性がでてきます。ここまでしなくても、いいといえば
いいのですが。やはり美しく仕上げたいのです。(単にちまちまマスキングが好きなだけ)








          


■パトライトの塗装・組み立て4

 パトライトの各色ランプカバーを、組み上がったステー台座に、今度は少量の木工用ボンドで接着・固
定して完成。クリヤーパーツの接着についてシアノアクリレート系の瞬間接着剤はやはり鬼門です。一発
で白く曇ります。とくにパトライトのような内部密閉の構造だと内側が。そうなって泣くに泣けません。
 あと、点滅ムギ球は通常球との区別のため緑色のコードなのですが、このままではオモチャっぽいので
フラットブラックで塗っておきます。
 これで、ルーフ部位のパトライトユニットが完成。完成への第一歩といったところでしょうか。それに
してもこの配線の量・・・凄いです。・・・何だか王蟲の目みたいですね。 ♪風の谷のナ○シカ〜(映画
ネタは苦手やー)








          


■自作小物パーツの塗装・仕上げ

 パトライト同様に、自作してきたたディテールアップ用、小物パーツ類も塗装して仕上げていきます。
 これらは普通に、プライマー吹いて、サフェーサー吹いて、チェック・修正をして、上塗りして、スミ
イレしてフィニッシュです。手がかからない子たちなので、サクッと一晩でできます。
 スペースフレームやサスペンションアームなどを、フラットブラックではなくシルバー系カラーにして
いるのは、ちょっとしたミーハー心から。せっかく用意したのだから、チラリと見せたくなってしまいま
す。
 実際、初代インプレッサに採用されたサスペンションのフロントアルミロアアームとか銀色のままでし
たし、そんなに不自然ではないはず。スピナーは飛行機能上、車(機)体は軽ければ軽いほどいいと考え
ますので、アルミ合金は積極的に採用されているかと。なーんて。







          


■上塗りの開始

 下地塗装と表面処理の飽くなき作業を延々と4ピストン繰り返し(呆)、ついにすべてのパーツの表面処
理作業を終えることができました。ふぅ。。。
 疲労困憊の精神と手指を休ませたいところですが、間髪をいれずに中塗りカラーをコーティングし、い
よいよ全パーツの上塗り塗装作業のステージへと入っていきます。製作プロセスも佳境に入ってきまし
た。
 今回、ポリススピナーのボディカラーとして望むカラーイメージは、澄んだ青と高級感のある特殊顔料
演色性の両立です。ということで、チンチングレスのコバルトブルーの発色塗装と、微粒子ブルーパール
クリヤーのコーティングという塗装仕様にしています。パール顔料はハイコンク(高濃度)にブレンドし
ていることで、微粒子ブルーメタリック風塗装にみせる演出となります。ハイコンクの濃度に比例して吹
きムラになりやすいので、エアブラシ運びは慎重に。

 画像はまさに塗りたての状態。このパールブルーカラーはいつ見ても美しいです。それにしても隠蔽性
がほとんどないコバルトブルー(だから透明感がある)の塗装は本当にトマリがわるいので、一般的なイ
ンディブルーと比べてかなりむずかしいです。

 パール顔料の半透過・反射の演色性のため、デジカメが異様に明るい対象と認識して撮ってしまうた
め、実物の色合いが撮影画像ではなかなか表現されません。実物はもう少し深みのあるブルーで、すかし
角度で見るとパールの輝きが確認できる、という感じです。ここらへんは「やれ発色だ、パールだ」と、
明度がありすぎるブルーにすると、軽佻浮薄な印象になってしまうので気をつけています。
 そして目に見える気泡など、もう何処にもないでござるよ、ニンニン。

 塗り方については、未だ冬場の気候なので(作業はいつも深夜)ストーブを焚いて、室温と湿度をベタ
ーな環境に設定(18℃くらいで充分)。コート数はソリッドカラーもパールクリヤーも各々2コートで
す。カーモデルなので艶をだしていくエアブラシ運びが肝ですね。1コートするたびに溶剤揮発のフラッシ
ュオフタイムを5分弱設定してから、2コート目で塗膜が垂れないように少しずつ塗り面積を拡げてコーテ
ィングの塗り肌を一気に決めていきます。
 5分というインターバルは、冬場でウェットオンウェットコーティング法のちょうどいい頃合でしょう。
艶のある塗膜作りはエアブラシ運びとコートタイミングが重要です。








          


■デカールの準備  嘘だといってよバーニィ!(ア

 ボディカラーの塗装作業と並行して、デカール貼りの準備に入ります。
 こちらはキット付属(パソコン制作)のデカール類を、デザインナイフで際切りして並べたところ。文
字系のマーキングデカールの種類、残念ながらちょっと足りないです。用意されているものは、予備分ま
で含めて4つも印刷されているのに。デカール、デッカール、デッカード・・・ふたつで充分ですよ。
(呆)
 デカールカッティングは基本的に、たとえ直線でも定規などは使わず、フリーハンドでやる方が際ぎり
ぎりに切り抜きできます。余程長い直線以外。(勿論練習要ですが) 少なくとも10年以上は経った可能
性のあるデカールなので、これらの貼る時は、デカールに多少のダメージを与えてしまうマークソフター
や同セッターの使用は様子をみながらにします。

 それはそうと今更ながら、とんでもないことを発見。
 このデカールの黄色のものは、まったく使えません。。。前もって下に白を印刷していないので、もと
もと隠蔽性(ここでは下の色を隠す性質の意)が悪い黄色の発色が完全に死んでいます。これでは実際に
貼ると、見えないぐらい薄い黄色のデカールになるだけ。
 いろいろ青天の霹靂なキットです。「嘘だといってよバーニィ!」(ア。

 白文字系のデカールは使えそうです。44とあるでかい白数字はストロガノフ(誰?)が使用する車両ナ
ンバーということでしょうか。
 画像右上と中央の、黄&黒、白&朱のゼブラパターンは、上記理由などで付属のデカールが使えないの
で、こちらで制作したものです。発色が全然違うのがわかると思います。実際に貼るとさらに違いがはっ
きりします。
 画像左下のポリススピナーのオーナメントは白地デカールだったので、コリンスキーセーブルの00番で
クロームシルバーを筆塗りしました。このサイズだと000番の面相筆がほしいところ。反射してよく見え
ませんね。








         


■養生作業 黄黒ゼブラパターン

 マスキング塗装について。
 警察車両であるポリススピナーには警戒マーキングの一種として、日本でいう工事現場の領域を示す黄
&黒のゼブラ模様が車体各所に施されていて、カラーデザイン上のよいアクセントになっています。これ
らもキット付属のデカールで一応再現されているのですが・・・ このゼブラマーク、車体の左右でゼブ
ラパターンのナナメ方向が各々決まっているみたい(撮影用実車モデル、プロップによって異なる)なの
ですが、片側方向分しか制作されていません。

 あと、個人的にはこちらの方が気になるのですが、先述の通り、パソコン印刷されたデカールの黄色は
発色が完全に死んでいます。
 ブルーの車体基本カラーに対する黄色マーキングのコントラストは、補色効果・バランスが高く、それ
がポリススピナーカラーリングの魅力にもなっているわけですから、とにかく黄色の存在と発色は疎かに
したくないという意向があります。黄黒ゼブラのマーキングはマスキング塗装で仕上げていくことにしま
した。

 左の画像は、車内ダッシュパネルの箇所。蜘蛛の巣のように細かいチマチマ養生です。パキッとした発
色の黄色を塗装してから(黄色の発色はむずかしい)、マスキングテープをこのようにネットパターン風
に貼っていき、この後ブラックをエアブラシでふわっと塗装していきます。
 隠蔽性が著しくわるい黄色の上に黒を塗ると、はみだし修正のためのリタッチなどのリカバリーはもう
ききません。あまりに細い養生なので、マスキングスキーのわたしでもここの完璧な養生塗装は自信なし
(あかんやん)。マスキングテープを剥がして、わずかにでも黒がはみ出てるようでしたら、用意されて
いるデカールの上から黄色を塗り直して使います。

 右の画像は、リヤの5連スラスターノズルの下にくるバンパー部位で、一番気になるところ。ここの黄黒
のゼブラパターンの設定はジグザグの稲妻模様になっていて複雑。しかもバンパーのベルトラインが自由
曲線のアーチで立体的に構成されているので、定規で規則正しいパターン線を描くようにはいきません。
 このためか、付属デカールのデッサンは結構狂っています。パーツとデカールアウトラインの形状も合
わず、黒線のパターン幅が狭く目に見えてバラバラで見苦しく訴求がよわいです。黄色の発色もやはり死
んでいますし。
 こちらも時間をかけてチマチマとマスキングテープを貼って、もっと視覚的に主張してくれる黄黒ライ
ンの再現に努めます。デカールを使用するよりきれいでカッコイイ仕上がりになると思います。







          


■トップコート

 使えるデカール類についてひと通り各パーツ所定の位置に貼って、最終のトップクリヤーコートを吹い
た状態です。やはりウェットオンウェットで吹いて、最終塗膜なので、ほんの少し厚めのダブルコートで
す。
 デカール貼り作業自体は、結局マークセッターを使いました。デカール自体の糊の力がほとんどなくな
っていたので必要でした。
 このクリヤー塗膜のコーティングは、デカールの密閉・安定化と際切りの段差消しの意味はもちろんの
こと、ボディカラーのパール顔料の演色性(透過と反射)の視覚的効果増に貢献します。ぴかぴか。画像
のフラップパネルに何か白い筋が写っていますが、何かの光の反射です。キズがついているわけではあり
ません。
 さて、この後は大きなアッパーボディとシャーシのパーツの内装側をグレーに塗ったりしていくことに
なります。








         


■車内パーツの塗装

 インナートリム、コンソール、シートといった車内関連のパーツを塗装しました。ホイール&タイヤ
も。もちろんすべてエアブラシによる塗装でやっています。
 トリムやコンソールは基本的にグレー系で統一しています。設定にあるのかどうか知りませんが、所々
グレーの明暗2色を使い分けて2トーンカラーにしています、メーターとかコードとか。
 シートはブラウン系。濃い茶色のマホガニーレッドをベースに吹いて、キャラメルカラーに近いサンデ
ィブラウンでライトグラデーションをかけています。往年のフェラーリ内装の肌色のようなシートカラー
も好みなのですが、どうも雰囲気的にスピナーには似合わないので敢えて濃いブラウンにしています。







          


■組み立て・配線の準備へ

 ふぅ、だいぶ形になってきました。
 キラキラするパール顔料の反射がない環境(照明や光をほとんど当てない)で撮影してみました。実際
に吹いたソリッドカラーのコバルトブルーはこういう深みと透明感のある青です。
 うーんホイール、クロームシルバーで塗装したので輝らせすぎてしもうたか。。。
 外装パネルの塗装、デカール貼り、車内の塗装、そして全体のスミイレ作業へと進んでいきます。
 楽しそうなのは、車内のメーター類などへのデコレーション作業。適当な(それらしい)シールとか貼
っちゃいます。撮影用実車モデルだって、小型ブラウン管テレビや日本製?の目覚まし時計がジャンク流
用されていますから気にしません。

 あと難関は、猥雑な電飾の配線(結線)と、細かい透明パーツの組みといったところでしょうか。気を
緩めずにこつこつ慎重に、残された作業をひとつずつ確実にこなすのみです。







          


■アペンディックス 飾り台の製作1

 ・・・また製作の風呂敷を広げてしまい、完成までの道のりが遠のくという。
 付録というには、本体より大きな専用飾り台(ベース)作りです。これが残っていました。
 自動車規格サイズ準拠の模型で1/16スケールということから、結構大きさのある完成品になるので、製
作当初からベースをどうしようかと考えていました。
 現在は、模型メーカー各社からいろいろと透明アクリルケース付きの品が売られているので、適当なサ
イズのモノを購入して、そのまますっぽり入れてしまおうかと考えていたのですが。

 今回のポリススピナー製作で、専用のベースが必要な理由はふたつあります。
 電飾仕様にしており、電源を本体に仕込めないことによるところが大きいです。このためベース側に電
池ボックスを隠して仕込む外部電力方式になります。
 それとスピナーは、クルマ扱いで車輪を出して地べたにつけて展示してもいいですが、飛行モードにし
て空中浮遊の姿勢での展示も楽しみたいところ。このことは、車体底辺に設置したパトライトの点灯を目
で愉しめることにもなります。

 ・・・ということで、飛行モードの展示法については既製品のベースなどに極太の真鍮線を突き刺して
スピナーを浮かせてあげればいいのですが、それでは何か工夫とサプライズがないです。それで今回は、
前から「面白そうだな、使ってみたいな」と思っていたバンダイさんの新製品アクションべーススタンド
を使ってアレンジしてみることにしました。
 ご覧の通り8角形のアクションベースを、オプションブロックの小さな正方形をかませて8の字風にふた
つつなげてみました。ポリススピナー本体より大きい(長い)です。

 そしてこの製品の目玉はやはり、しっかりした造りで、なおかつかっこいいデザインのシリンダークレ
ーン(支柱・スタンドのこと)です。高さ・位置・角度が細かく任意に設定できるスグレモノです。もち
ろんこのクレーンごと脱着可能なので、走行モードのスピナーにして地べた展示もO.K.です。平坦な中に
も最大公約数的印象の無難なメカニカルなディテール・造形になっているので、雰囲気的には劇中の警察
署のスピナードックとか、700階建てティレル社の屋上パーキングとか。(・・・すみません、無理あり
ますね)

 それにしても、バンダイさんはいつも小粋な素晴らしい製品をプロデュースされます。しかし、万事い
いことばかりではなくて、もともとパチ組みユーザー向け仕様・設計の製品なので、ちゃんと展示する場
合は問題もあります。(次につづく)








          


■アペンディックス 飾り台の製作2

 アクションベースは台座が8角形になっていることからも想像できるように、複数購入して連結して幅広
く遊べる仕様になっています。一方、この弊害として台座の側面はすべて連結用の開口部がでかでかと口
を開けていて、折角の高級感をスポイルしています。
 今回これをジャストサイズに切り出したプラ板をこつこつと丁寧に断面に貼り付けていって、整形・面
だししてきれいにベース側面をツライチにしていきます。2段階になっているので面倒です。その上、件
(面)数が多いので表面処理まで丸一晩かかってしまいます。
 天面も同じく、目玉ギミックの支柱パーツコンパートメントが何処にでも設置できるように、5mm径ほ
どの目立つダボ穴が10ヶ所以上開いていて見苦しいです。ここらへん、見映えよりプレイバリューを優先
されているところが、すべての年代層ユーザーに優しい製品づくりを信条とされるバンダイさんらしい企
業姿勢といえます。歓待。
 これらは、同じ径のネジ目モールドなどの市販ディテールアップパーツですべて塞いでいます。

 あとは、電池ボックス(単4電池にしました)と、電源ON/OFFスイッチの設定です。
 アクションベースは台の高さが割と薄い設計なので、単4の電池ボックスでも収まりません。そこで画像
のように電池ボックス輪郭いっぱいの切り欠きを天面に大胆に入れて、底側には落ちないように裏打ちの
プラ板を貼り付けて、画像のように電池ボックスがすっぽり置けるようにしました。
 このままでは天面に電池ボックスが高さ3分の1くらいはみ出したままなので、隠すためのボックス風の
フタをあまったパーツとプラ板で製作しました。フタの底面には固定のための小さな爪を付けてあるの
で、電池ボックスに被せるとカチッとはまります。
 これで、電池交換は容易にできるようになりました。台全体における、この電池ボックス位置は上の全
体画像でいうと支柱の向こう側へのオフセットになっています。

 画像に写っている青い物体が、電飾点灯ON/OFFのためのトグルスイッチです。日本橋の電気パーツ屋
さんで、なるだけ小さくてトグった際のカチリ感が気持ちいい品を探してきました。個人的には、これを
ベース天面手前右の位置にスイッチを立てる形でもってきたかったのですが(カチカチしやすいから)、
やはり台の高さがないので、基部の方が収まりませんでした。丸い大きな穴を開けた側面に設置します。

 工作がひと通り終わったら、また延々と時間をかけて全体をペーパーがけして整面・表面処理を行いま
す。なぜ台を丁寧に表面処理をするかというと、この専用ベースを微粒子メタリックシルバー系で塗装す
るからです。微粒子メタリックは表面処理を丁寧にしておかなければ塗膜の高輝感がでません。
 ポリススピナーの専用ベースの色には、黒でもグレーでもウッドでもなく、メカニカルなディテールと
シルバーのベース(台)カラーが似合う気がします。











■アペンディックス 飾り台の製作3

 下地塗装から中塗りまでを終えたベースの各パーツに、スーパーアイアン(少しだけガンメタが入った
微粒子メタリックシルバー)を塗装して、黒と茶でスミイレをして、ほんの少し錆びが入った雰囲気にし
て完成です。・・・配線は未だですけど。
 スタンド(支柱)にスピナー(シャーシ)を載せるとこんな感じです。完成品を載せた時、雰囲気でて
るといいのですが。・・・あっ、しまった。わたしは地上走行モードのスピナーの方が好きだったのでし
た(笑)。せっかく展開カバーのアーム作ったのに。まっ、いいですね。

 これで、長期にわたるポリススピナー製作レポートは終了です。
 製作中、たくさんの応援をありがとうございました。



               投稿者: K                                    No コメント