IIIKのモデラー三昧なフロク

  これまでに完成させた作品です。
  このページは、アニメに登場する乗り物の模型を紹介しています。







         テーマ: SFの乗り物
         日時: 2015年9月19日

知覚ゼロの領域へ Go Go Go!
ウェーブ 1/43νアスラーダ ガレージキット



         



        ■菅生チーム ν-ASURADA AKF-0
         C.F.第15回大会参戦(ゼッケン9)仕様テクニカルサーキット・モード
         全   長  4,701mm
         全   幅  2,493mm
         全   高  942.7mm
         車体重量   461kg
         エンジン     SUGO SV-7/B V型12気筒
         総排気量   4,494cc
         最高出力   2,160hps/21,900rpm
         最大トルク  176kg/17,500rpm
         最高速度   685km/h over








「アスラーダというシステムがマシンを支配している」(ハヤト

2006年、世界最高峰の国際競技車両種目「サイバー・フォーミュラ」が開幕。
既存のモータースポーツの頂点であるフォーミュラ1(F1)と、サイバーフォーミュラの違い
は、そのマシンのレギュレーションの差以上に、モンスター化したマシンの操縦・制御に、ド
ライバーの運転をサポートする超高性能ナビゲーションシステムの導入が挙げられます。


この「サイバーシステム」の存在なくしてドライバーは、2,000馬力以上の途方もない出力に
より時速600km/h以上でサーキットを疾走、ハイスピードバトルを展開するマシンの制御はで
きないのです。

これまでのF1では、ドライバーの技量とマシンの性能でほぼレースの趨勢が決まっていたこと
に対して、サイバーフォーミュラでは、ドライバー(ひと)・ハード(マシン)・ソフト(コ
ンピューター)による三位一体となってのナビシステムの運用が、レースの勝敗に大きくかか
わってくるという訳です。



今回ご製作したν(ニュー)アスラーダは、主に2020年が舞台となるOVA「SAGA」に登場、
第15回大会で途中より参戦した菅生チームの新型車両です。この時の風見選手のゼッケンは9
番。

かつての(スーパー)アスラーダより基本スペックが向上しているだけでなく、ボディカウル
構成素材にレアメタルを採用し、臨機応変なモードチェンジが可能になっています。

また、サイドボディにスパイラルブースト機能を備え、超高速域におけるコーナーリング中で
のリフティングターンを実現。前作OVA「ZERO」にて知覚ゼロの領域を極めた天才ドライバ
ー、風見ハヤトの技量を余すことなく発揮できる常勝のスーパーマシンとして生まれ変わりま
した。

そして、「SAGA」の続編OVA「SIN」においては、さらなるパワーアップを果たします。

個人的な感想。
テレビシリーズから「ZERO」までのアスラーダと比べて、νアスラーダは、そのカラーリング
から黄色を排し、オモチャっぽかったデザインのホイールを、ゴールドの五つ星パターンで締
めて、グッと大人っぽい意匠になったのが素敵です。クレアさん偉い。






        


                フロントビュウ





           


                コクピット開放








                  


           最高速度は時速700km/hオーバーらしいです。








               


             ウェッジシェイプのきいたサイドビュウ。











Ah〜 綱渡りの日々 どちらに堕ちても命はない まっすぐ
に進むだけさーっ♪


ご依頼で製作させていただいたキットです。
実は、わたしは1991年に放送されていた人気アニメ「サイバー・フォーミュラ」を未見でし
た。したがって、その人気ゆえ放送終了後に「ダブルワン」「ZERO」「SAGA」「SIN」と続
いたOVAについても全然観ていませんでした。


まだ学生の頃で、ちょうどアニメ離れしていた時期で、今頃になってリアルタイムで視聴して
いなかったことを悔やんでいます。(やはり、リアルタイムで視聴した経験というのは大切で
すね)


それでも、SFチックな要素も取り入れたモータースポーツアニメは大好きです。「マッハ Go!
Go!」、「アローエンブレム グランプリの鷹」、「マシンハヤブサ」とか観て育った世代です
から・・・(うーん、我ながら古い 笑) 「サイフォ」は、どうもこの系統の血筋を連綿と
受け継ぐSFカーバトルアニメに思えるんですよね。


で、当然のように、サイフォは放送終了の後年になってレンタルビデオ屋さんに行く度に気に
なっていました。監督はSEEDの福田さんですし、キャラデザがイーノ・マータの女神(いのま
たむつみさん)。もうたまらないでしょう! そしてアスラーダのデザインは河森正治さん、
これはもうツボを押さえた作品としかいいようがない。


でも、勢いがなくてレンタルせずで、ずっとそのまま。
アオシマ製のプラモデルは模型ショップで見かけるたびに何度も買いそうになる衝動に駆られ
ましたが、値段が割と高いし、「作品知らないキットを買っても、モチベーションがないから
完成できないかも・・・」と及び腰なのでした。やっぱり、リアルタイムでの視聴体験って大
事です。



・・・こうした経緯の中、ご縁があって、アスラーダ、それもカッチョイイ方のνアスラーダ
のガレージキットを、ご依頼で製作させてもらえることになりました。願ったり叶ったりで
す。


今回はそれに加えて、サイフォすべて未見のわたしに、ご依頼主様が親切にもOVA「SAGA」
を視聴させてくださいました。感想は・・・「面白すぎる」。興奮して全8話を何度も視聴して
しまいました。♪おしよせるマテリアルワールド〜 OP曲からもう視聴者を駆り立てるような
扇情的なソングでたまりませんよね。


・・・と、これでキット製作に対する感情移入、モチベーションは10倍違うという訳です。
忘れた頃に、サイフォの魅力に気づかせてくださった、ご依頼主様に感謝します。

もうないですよ、こんなアニメ。
そういえば、サンライズ作品なので、同じ時期時間軸で放送されていた「ガンダムW」あたり
とキャラクターや声優陣がだぶっていて、なにやら懐かしかったです。池田秀一さんがCVをあ
てている黒髪長髪の南雲京志郎 社長に、ギルバート・デュランダル議長の雛形をみた思いです
(笑









           


             後姿は戦闘機然としてパワフルな印象。










               


          テールランプやエキゾーストをディテールアップ。










                 


         セットに苦労したコクピットとシートベルト・・







               


          ハンドルの奥にデカールでデジタルメーターが
          サイドミラーはメタルシールで表現しています。







製作の感想と内省について

製作について。
ウェーブさんのガレキにありがちな、組みに経験を要する内容でした。
いい設計と品質のキットなのに、作るのが難しいという。
車両模型専門のカーモデラーの方っていらっしゃいますよね。
このジャンルは、一切に美しさを求められるから難しいですね。尊敬してしまいます。

カーモデルといっても、わたしがよく作る1/24スケールの方ではなくて、1/43スケールの方が
マニア向けというか、ディープなんですよね、こちらの世界では。今回、1/43のアスラーダを
扱わせていただくにあたり、有名なガレージ・ロム本店に久々に足を運びました。

同店のショー・ウインドウに飾ってある数々の1/43のF1モデルを見て、「こんなに小さいの
に、なんと精巧に美しく作られているのだろう」と。いやはや、自己啓発といい勉強になりま
した。


さて、今回のνアスラーダのキットについて。
とくに製作で苦労したのは、タイヤの整形、エッチングのサスペンションの組み立てと取り付
け、それと塩ビ製のキャノピーとヘッドライトカバーの整形と塗装、といったところでしょう
か。あと、流石に10年前のキット(1996年製)なので、デカールの質が見た目以上に劣化して
いました。


カラーリングのイメージと塗装は、OVAでνアスラーダの出場シーンを細かくチェックして、
なるだけアニメ調との整合性を。(キットにカラーの完成見本写真がなく、またわたしも未見
作品だけにムックや資料が皆無のため)


したがって、キットの組み立て説明書にあるカラーレシピは、いつものごとく参考にせず、独
自に。白はピュアホワイトです。青は、コバルトブルーに白を若干加えた調色カラー。水色は
ライトブルーという最近発売された既存カラーです。

ボディのスミイレとデカールを貼った後、トップコートはスーパークリヤーIIを3コートです。

加工と成形に苦労したとっても小さなヘッドライトカバーのパーツは、拘りのクリヤーオレン
ジで。またこのカバーのアウトライン(輪郭)を、これまた拘って1mm以下ラインの墨色でフ
チ塗りしています。これぞ河森デザインの真骨頂ですから。

コクピットキャノピーのスモークグリーンは、クリヤーグリーンと同ブルーをティンティング
して用意したカラーです。コクピット内部が見えるように、劇中より若干明るい透過度・イメ
ージにしてあります。


コクピットの前方にあるアスラーダ・ナビシステムの端末(目玉オヤジのところ)ですが、劇
中ではここだけ擬人・差別化でライトブルーメタリックのような色指定になっていますが、周
囲と同じメタリックカラーのままにしています。


心残り、残念な点もあります。
気になる箇所は、リアタイヤのトレッドです。リアのボディカウルから、かなりオーバーして
セットされています。なんとかオフセット方向で、カウルと面イチになるようにしたいところ
ですが、エッチングパーツ製のダブルウィッシュボーン風のリアサスペンションの長さが決ま
っていて、車体内側に狭めることができませんでした。


1/43スケールのF1などを専門に作られているカーモデラーさんは、いつもこんな細かい組み付
け・調整をいつもされているんですよね。カーモデルは奥が深いです。







                     


          国際的なカーモデルの主流のひとつである
          1/43スケールとは、こんな大きさです。













    ー ここからキットの製作レポートです ー





             




ずっと作りたいと思っていた念願のアスラーダ

ウェーブから1996年頃に発売された、1/43スケールのガレージキット版 「νアスラーダ」に
ついての製作レポートになります。

小粒なキットながら、ウェーブさんらしい精密な造りで、1/24スケールで展開している青島社
製のプラモデルに勝るとも劣らない品質・造形のキットとなっています。作り応えがありま
す。


基本的には、カーモデルのガレージキットを製作する手法・要領で進行するわけですが、改修
すべきポイントについて、以下に画像と一緒に説明しています。

何せ今回はスケールが小さいですので、仔細な作り込みや、チョイスできるディテールアップ
素材にも限りがあります。ひとつ小人になった気持で、いつもより指先の感覚レベルを半分に
絞って作業していきます。


ちなみに、上の画像はキャストパーツすべての整面・表面処理まで済ませた段階なので、全体
的にしっとりとした印象がつたわってくると思います。

とにかく、この手のF1っぽいボディデザインの車両の場合、エッジの美しさと薄さをどうだす
か、割らないようにするかが、作業において大切になってきます。

あと、やはり面倒でも、全身のモールドはすべてエッチング(モデリング)ソーやケガキ針な
どで多少でも深く彫り直しています。カラーリングの見切り線をマスキング塗装する際、仕上
がりに差がでます。









         


エッチングパーツ

これは改修点でも何でもないのですが、あまりに精巧に作られていて感動したので記念にパチ
リ(撮影)させてもらいました。

リヤウイングやシャーシなどはいかにもという感じでエッチングの採用がわかるのですが、サ
スペンションやホイール、コクピット周辺、ハンドルまで折る形で使う巧みな仕様になってい
ます。

こういう組み立て工程を要するのが、実にウェーブさんのガレキらしいですね。









          



シャーシ

設定資料にはある、中央線(モールド)や小さな6つのマス・モールドがスジボリとして入って
いないので、ナイフやエッチングソー、ケガキ針で彫り起しています。

柔らかいキャスト素材はケガキ針が使えないので、ナイフとモデリングソーでこつこつと溝を
つけていきます。

シャーシの一部、コクピット下側は、画像の左下に写っている移っているエッチングパーツな
ので、ちょっと彫るのが厄介でした。








          



シートベルト

カーモデラーだと、絶対手を入れたくなる部分ですね。シートはしっかり造形されているし、
エッチングパーツまで付属しているのに、なぜかこのキットにはシートベルトのパーツがオミ
ットされてしまっているのです。

大阪・福島にあるガレージ・ロムの本店で、1/43 F1用の6点式シートベルトのエッチングパー
ツを購入して付けてみました。イタリアのMGモデル社の品です。

このキットのνアスラーダのバケットシートは、実在のF1より一回り小さいようで、ちょっと
オーバースケール感もありますが、いい感じかと。この画像の段階では、まだちゃんとフィッ
トさせていません。








          



エキゾーストパイプ

設定では、リヤ下方に2つ穴が開いているだけなのですが、それでは絵的にも模型的にもちょっ
と寂しいので、細い径の真鍮パイプを仕込んで、それらしく演出です。

突き出ている長さ(マフラー・エクステンション)は、まだ調整していません。最終的にもう
少し短く揃えた方がリアルでしょうね。

ご承知の通り、真鍮パイプの切断面はつぶさない・ひしゃげさせないように美しく。









         



テールランプ

アスラーダのテールランプは、中心の丸く突き出た箇所とその両脇がそう。
今回のキットでは、ここらすべてがボディパーツと一体成形の構造になっていて、モールドで
表現されているだけです。

これらの部分を、慎重に彫り込む形でカット・除去して、クリヤーパーツから削りだした新造
のテールランプパーツをマウントしています。小さいので、形状だしと隙間合わせは結構難し
いです。

中央のポジショニング灯?は楕円を半分に割ったクリヤーパーツで、後でクリヤーイエローに
塗装。左右のランプの方は、表面がフラットな形状だと寂しいので、すこしディテールが入っ
ているクリヤーレッドのパーツから削りだしています。








         



サイドインテーク

νアスラーダの特徴のひとつでもあるバリアブルファン機能を備えたサイドボディ。
インテークの掘りが浅いので、もう少し深く彫り込みたいところですが、周辺のエッジがぺら
ぺらで折れそうなので止めておきました。コクピット上にも小さな三角ダクトがあるのです
が、やはり断念です。

その代わり、サイドインテークについては、ディテールアップ策としてエッチングのメッシュ
を表面にセットしてガーニッシュ風に。

こうしたパーツは適当に大きめに切り出して裏から貼り付けるのが楽なのですが、今回は無
理。小さな楕円形にキレイにカッティングするのはテクが要ります。









         



キャノピー

コクピットの天蓋はクリヤーパーツといっても、なんと塩ビ製。
透明度がよくない素材ですが、薄さ(とコス○?)の方を採った仕様なのでしょう。
まあ、透明度については、後でスモークグリーンに塗装されるのであまり問題ではないです
ね。

キットのパーツ状態では最初、ヒートプレス成形されたシート状になってくっついているの
で、モデリングナイフで慎重に切り出して形を整えていきます。

割れる心配はあまりなさそうですが、扱っているとフニャフニゃしてエッジの整形がちょっと
しづらい素材です。








         



ヘッドライト

キットではヘッドライトはクリヤー仕様になっておらず、ノーズパーツと一体成形。オプショ
ンでキャノピーの塩ビシートに一緒にヘッドライトカバー用の切り出し部分が用意されていま
す。

あまりに小ささ(爪楊枝の先から7mmくらい)に泣きたくなりますが。失敗したらスペアがな
いので、最初は少し大まかに切り出して、少しずつボディ側とサイズ・形状をすり合わせ。素
材が素材なだけに、面イチ加減には限界がありますが、上手く加工できたと思います。

ノーズボディ側のヘッドライトカバー内部は、画像のように彫刻・造形しています。倍くらい
大きさがあればレンズを組み入れたいのですが、厚さ0.7mmほどしかなくて無理でした。








         


エッチングパーツ組み立て

冒頭にあったエッチングプレートから、各パーツを切り出し、所定のアングルに折ったりし
て、ボディ組み付け状態の形にしておきます。

塗装の先にしておかないと、山折り部分の剥げが心配なので。切り出しの際のゲート切断部分
は、普通にヤスリがけやペーパーで整えます。アルミほどではないですが、銅は柔らかいで
す。

それにしても、金属疲労でポキリといってしまいそうで扱いが怖いです。








         



サスペンション

塗装の前に、実際にエッチングパーツのサスペンションを仮り組みしてチェックしておきま
す。

サスアーム1本1本は頼りないので、組み付けは、かなり繊細な作業です。組んで、6輪にドラ
イブシャフトを通して、タイヤまで付けると結構安定してがっしりします。

サスのIアームの先端に、ブレーキのローターが付いているのが、アイデア的なパーツ構成にな
っていて好感がもてます。

こうして観るとまんまF1スタイルですが、なんとフロントサス側のアームは、1輪につきアッパ
ーもロアも1本ずつしかありません。よほど剛性がある鋼管素材なのでしょう。









         



アライメント

カーモデルの製作において、とても大切なのが車輪の整列状態(アライメント)です。とくに
車高関係は目立つ。ここが普通車並に浮いていると、かなり興ざめです。

その点、このキットはかなりペタペタ仕様でドライブシャフトの高さ位置が決まっているの
で、心配ないようです。エッチングのサスアームは、少し沈み込む形で、ドライブシャフトに
追随していて、F1っぽい雰囲気がちゃんとでています。

コクピット上方に、エッチングパーツ製の小さなアンテナも取り付けています。仕上がり時は
角度はまっすぐになりますので。








         


アンダーフロア

さらに、サスペンション組み付け状態で、アンダーフロアを観たところ。
フロント4輪のサス基部がモノコック構造でのエッチングパーツで構成されているのがよくわか
る画像です。

ところで、この部位のエッチングパーツのサイズが、前後長さで2mmもオーバー、サスマウン
ト位置も1.5mmずれていて、まったく組み付け不可能な設計ミスのようでした。やむなく銅板
の方を刃物鋼のヤスリでカッティングして、絶妙なサイズ調整ではめ込んでいます。

追加で施した、スジボリも確認できますね。エッチングパーツの弱点は、この通りその製法上
から、表面側しか彫刻ができないということです。







         


サフチェック

2度目のサフチェックと面だしです。だいだい3回までやって整面にもっていきます。
サフを吹く前のキャスト状態の整形段階で、できる限りやっつけておくのですが、絶対に段差
やスアナなど新たな発見があります。

とくに今回のような10年前の品ですと、キャストの素材自体は最高峰の品質でも、予断を許し
ません。というか、結構手強いです。ツヤツヤボディ勝負のカーモデルなので、入念に下地処
理を。


この後は、塗装工程へ。今回の製作レポートはここで終了です。




               投稿者: K                                    No コメント