IIIKのモデラー三昧なフロク


  このページは、80年代のロボットアニメOVA『メガゾーン23』を紹介しています。







         テーマ: ロボットアニメ
         日時: 2016年1月31日

- MEGAZONE23 REPORT -
しる人ぞしる1985年度ビデオ販売第2位に輝いたOVA金字塔
アニメファンを驚かせたバイクが変形する4m級ロボの魅力と「巨大宇宙船の中の東京」





リアルタイム視聴者Kの独白

1985年にビクター音楽産業から発売されたマスターピース・オリジナルビデオアニメ『メガゾ
ーン23』の紹介です。

ロボットアニメに革命をもたらした『機動戦士ガンダム』から尾をひいていたリアルロボット
アニメ人気が、世の中で徐々に衰退しかかっていたこの頃、「ついにアニメがビデオ市場でや
ってくれた!」のが、この金字塔的OVA作品です。


内容がいろんな意味で濃かったせいか、当時かなり話題になりました。なにせ、このページの
見出しに書いているように、1985年度ビデオソフト全部門において、売り上げ第2位という快
挙を成し遂げたのですから。ちなみに第1位は「ウイ・アー・ザ・ワールド」で、うーん納得と
いった感じです。


まあしかし、おそらく日本でもっとも名作でありつづけるであろう傑作ロボットアニメOVAで
あることはまちがいありません。

(注 ネタバレを気にされる方は、作品をご覧になってから以下を読んで下さい。)







           


■斬新な変形メカと劇中アイドルのコラボレーション

1982年に放送された『超時空要塞マクロス』が草分けとなった、ロボットアニメのカンフル剤
的施策として、この頃のアニメ制作会社が行なう新たな手法が、斬新かつカッコいい変形ロボ
メカのデザインアップと、劇中にアイドル歌手を登場させて、オリジナルソングを流すことで
士気高揚を高める作品スタイルで、若い男女の視聴者層からの人気を得ようという試みでし
た。


しかし、マニアに受ける変形ロボットのデザインと仕組み、そして劇中のアイドルが唄ういい
曲を用意するのは、想像以上にかなり大変なことです。あたるも八卦あたらぬも八卦。

それをオリジナルの舞台設定とストーリーにのせて、うまく昇華できたのがこの『メガゾーン
23』という作品です。


この作品のアクション部門担当監督は、マクロスで躍動感の塊のようなアクションシーン、所
謂「板野サーカス」」でアニメ業界を沸かせたあの板野一郎さんですから、アクションシーン
の素晴らしさと訴求効果はもうお墨付き。面白くないはずがない。


全高4m弱のロボットに変形する主役メカが、バイクを基本形態とする軍用兵器「ガーラン
ド」。バイク時もロボット時も格好いいフォルムを両立させた永遠のグッドデザイン&コンセ
プトです。

メカデザインは、モスピーダのメカでも有名なアートミックの荒牧伸志さん。

しかし、ビデオの発売から軽く15年以上、21世紀に入ってからの空前のキャラクター・トイブ
ームになる(2000年頃)まで、この「ガーランド」はガレージキットを除いて、プラモデルや変
形オモチャがまったく発売されていなかったのが、非常に惜しまれるところでした。

メカオタクな巷間では、人気アニメロボメカの十指に入るかというほど、ものすごくかっこい
い傑出したデザインなのに。



一方、この作品のスペシャルゲストデザイナー、美樹本晴彦氏(アートランド所属)による唯一
のキャラクターデザインで、リン・ミンメイ譲りのルックスタッチと歌唱力を備えた劇中バー
チャルアイドル(この頃には未だバーチャルなんて言葉はなかったのですが)、時祭イブの歌
と振り付けも、世間を驚かせた劇場版マクロスの映像品質に勝るとも劣らないレベルの高さ
で、視聴者を大いに魅了してくれました。


時祭イブの唄と声優役には、宮里久美さんというオーディションで選ばれた、若干15歳の新人
歌手が抜擢されました。年齢は劇中キャラの時祭イヴと同じ。


その数年前に大ブームとなったマクロスのリン・ミンメイが、当時の現実世界でアイドル不動
の地位を気づいていた松田聖子さんのブリッコぶりを採り入れていました。これに対して、時
祭イヴはどこか中森明菜さん風に年齢より背伸びしたちょっぴり不良の香りがする曲の味付け
がなされていたことが、当時的には何とも興味深いところでありました。

(個人的にイブの曲調に一番近いと思うのは、山口百恵さんの唄のイメージですが)。ただ、時
祭イヴというキャラクター自体は、髪が白いだけで普通の15歳の女の子・・・という感じでし
た。不良っぽくはなかったです。


当時のリアル変形ロボットアニメ作品において、『超時空要塞マクロス』が一般向けの陽(表)
なら、『メガゾーン23』はアニメファン向けの陰(裏)の関係といったところでしょうか。マク
ロスは身近な若者たちの恋愛ドラマと宇宙規模の戦争における音楽と歌の可能性を説いた作品
でした。では、メガゾーン23は?













MEGAZONE 23 partT




      


         当時、OVA発売と前後して業界でも話題沸騰の作品に。
           単独新規のOVAとしては異例あつかいのムック化も。






                    


         ノーテンキのめげない男の子が悩むとどうなるか。
           (塗り絵っぽいイラストでもうしわけないです。)



■シリーズpart1 巨大宇宙船の中の東京?

『メガゾーン23』はOVAヒット作ということもあり5、6年の期間に結局part3まで制作された
3部作です。ここでは、まずは記念すべき第1作目(part1)について述べていきます。


作品タイトルの『メガゾーン23』の「メガゾーン」とは、作品の舞台となっている1985年当時
の東京都市を内包!している超巨大宇宙船のことです。おそらく全長にして100kmクラスの途
方もないサイズの宇宙船。


「23」の方は、わかるまで難しかった。最初は、おそらく作品の本当の時代設定が23世紀頃と
いうう意味ではないのか・・・と考えていたのです。しかし、話の流れからすると作品世界に
おける実際の時代は、なんと29世紀くらいなのです。それでよくよく思い直している内に、や
っと「東京23区」のことなのだということに気が付きました。そしてこのことが「メガゾーン
23」の舞台と物語の大きなカギとなっているのです。

(厳密な意味では、23番目に建造された巨大宇宙船という意味ですが、東京23区ともひっかけ
ているタイトルと思われます。)



我々が今住んでいる地球は、24世紀頃になると自然破壊や世界規模の核戦争などで環境が激変
し、人が住める星ではなくなってしまいました。

「地球を自然に帰して再生させよう」、「我々が新らしく居住できる惑星を探そう」と、大規
模急ピッチで建造した巨大移民船団で荒れ果てた地球を離れた人々は、その宇宙船の中に人々
の文化が最も輝いていた1985年当時の東京都市を構築しました。


また、その超巨大宇宙船の中で人々が何百年も平和に暮らすために、宇宙船の航行制御から
人々の生活まですべて管理・コントロールするようプログラムされた巨大コンピューター「バ
ハムート」が、住民すべてに対して、本当に西暦1985年の東京に住んでいるかのようなマイン
ドコントロールを数百年もの間ずっと行なってきたのです。


そうして、汚染されつくした地球離脱から500年が過ぎようとしている頃の宇宙船の中の都市
が、この作品物語の舞台となっています。そして宇宙船「メガゾーン23」の航路に、何十日後
かに接触すると思われる別の宇宙船の姿が確認されました。その宇宙船もまた「メガゾーン
23」同様、500年前に地球から旅立った人々の子孫が乗る巨大宇宙船「デザルグ」(過去の火星
移民の俗称。後述)なのでした。


500年という永い年月を隔た宇宙移民船同士の接触は、「部族間の衝突」という過去の歴史
上、人間が何度も犯してきた過ちを再び繰り返すことになります。いずれ、主人公たちの棲む
「メガゾーン23」と航路がぶつかることになります。(航路プログラムは出発時から設定され
ていて変更できない)


相手の宇宙船の軍隊と交戦するために、唯一「メガゾーン23」の秘密を知り、住民の生活をバ
ハムートと並行してコントロールしてきた軍隊と政府高官達が、秘密裏に戦力の増強を図りに
かかります。そのためには、世界を支配しているバハムートの存在も邪魔であり・・・


そんな中、軍の手によって、巨大コンピューター・バハムートの支配プログラムプロテクトが
ほぼ解除され、中に残された技術データを元に試作戦闘バイク・ガーランドが製造されます。
そしてガーランドは、軍部裏切り者の手によって、一般市民である主人公の矢作省吾(やはぎし
ょうご)に譲渡され、盗難車であることをわかりにくくするため赤くリペイントされます。


省吾は幸か不幸か偶然にもガーランドのオーナーとなってしまったことで、バハムート最深部
のプログラムEVEに、直接リンクすることを許された「7Gのオペレーター」として認識されま
す。これが契機となり、彼はガーランドに搭載されたバハムートと接続されているコンピュー
ター端末により、徐々に自分達が巨大宇宙船の中にある虚構(ハリボテ)の東京年に棲んでいた
ことを知ることになります・・・愕然。


そして、巷でNo.1のアイドルシンガー、時祭イブの正体も、バハムート・レベル7のEVEプロ
グラムが創り出した幻影・・・実在しないバーチャル・アイドルという衝撃の事実を知ったの
でした。


省吾の女友達であった映画監督志望の少女 村下智美も、不幸にもメガゾーン23の舞台裏とバハ
ムートの秘密を知ってしまったため、軍によって暗殺されてしまいます。


これに激怒した省吾は、ガーランドに乗り込み軍部に特攻をかけますが、その圧倒的戦力の前
にガーランドは大破、彼も重症を負い完全敗北をきします。その後の省吾の行方は不明に。ガ
ーランドの残骸は軍に回収され、きたるデザルグとの戦闘を控え、ガーランド兵器量産化のベ
ースとなっていきます。。。


・・・なかなか面白そうなストーリーでしょう? 『メガゾーン23』という作品は、メガデザ
インやその描写と演出に長けているので、アニメメカファンの支持をを多く集めるタイトルで
はありますが、本当はストーリーでみせる作品というのが制作側の狙いのようです。


主人公と主役メカがポロ負けして終わるというのも面白いです。巧みな演出のストーリーボー
ド、魅力的なキャラクターとメカデザイン、そしてアクション、劇中アイドルのキャッチィな
オリジナルソング、テレビ放送ではできない過激なお色気シーン、そして80年代の若者のパワ
ーとフラストレーションを象徴的に表現した作品として、この『メガゾーン23』は80'sアニメ
のマスターピースといえます。






                 


          かっこいいバイクがロボットに変形するなんて。







           


          劇中アイドルがオリジナルソングを歌うため
            レコードも発売された。たまに聴いています。
            時祭イブ役の宮里久美さんは魅力的な歌声。




■裏話とそうそうたるスタッフ陣

もともと『メガゾーン23』という作品の企画は、アートミックの鈴木敏充代表によって原案が
作られた、TV放送『機甲創世記モスピーダ』の後番組として準備されていたものらしいです。

初期タイトルは「バニティ・シティ ガリアード」(虚構の都市。ガリアードはガーランドの以
前の名称)。


モスピーダは画期的なバイクが変形するパワードスーツや、マクロスばりにファイターからロ
ボットまで三段階変形するロボットメカの痛快アクションで印象深い、アートミックの代表作
品のひとつです。

しかし、世の中全体の動き(若い世代の視聴者層)は、そろそろそうしたリアルロボットアニメ
に食傷気味になってきており、モスピーダの頃から視聴率は低迷し始めていたため、メガゾー
ンTV番組の企画は玩具メーカーをはじめとするスポンサーからゴー・サインがもらえなかった
ということです。流行の移り変わりなので、ここらへんはやんごとないでね。


それで、バニティシティの企画は、当時ビデオカセットレコーダーが全国の一般的な家庭へほ
とんど普及した時代でもあったことから、市場拡大が注目されていたビデオ販売部門(OVA)の
方へシフトして、80分完結ものとして制作することになったそうです。作品タイトルの方もま
ず、「オメガゾーン」になり、「メガゾーン」になっていったようです。


その頃すでに、オリジナルビデオアニメ部門では『ダロス』や『グリード』、TV番組と連携し
た『巨神ゴーグ』といったタイトルが先鞭をつけていましたが、商業的にはいずれも鳴かず飛
ばずの実績。ビデオの価格設定も高額でしたし。

『メガゾーン23』が先述の通り、1985年度ビデオソフト全部門において売り上げ第2位という
大成功の快挙を成し遂げたのは、やはり総合的な作品クオリティの高さと深い設定背景による
面白さによるところが大きいでしょう。


あと、時代的に本当に質の高い、子供だましではないSFリアルロボットアニメのOVAという新
たなジャンルに対しては、まだまだ当時の若者視聴者にとってはメガゾーン23は新鮮な存在だ
った(飢えていた)、ということも挙げられると思います。

それまでアニメのビデオでペイしたといえば、レンタルビデオエロ市場向けの『くりいむレモ
ン』とか『うろつき童子』とかだけでしたから・・・


そう、他にもメガゾーンの制作・販売がビデオに移行してよかった点もありました。一般のTV
放送ではできない過激なエッチシーンも話題になりました。(ビデオ版より映画版はもっとエロ
イ・・・) いろんな意味でキング・オブ・OVAなのでした。


数年前、大ヒットしたマクロスを制作したアートランドの石黒昇監督を旗頭に、キャラクター
デザインに繊細で親しみやすい柔らかいタッチのキャラクターを得意とする平野俊弘(現 俊貴)
さん、メカアクション監督板野一郎さん(メカアクションで右に出る人はいない。バトルアニメ
ーター!)、美樹本晴彦さん(繊細優美で陰のあるキャラクタークリエイターの雄)らが参画。

そして、直近に放送されていた『モスピーダ』のメカニックで脚光を浴びたアートミック陣ら
が、がっぷり四つに組んだ(4つはおかしいけど)作品なのですから、当時のアニメ業界での前評
判と期待感は、本当にすごいものがありました。


原画担当では、平成アニメ奇跡の大ヒット作『エヴァンゲリオン』の監督、庵野秀明さんも参
加されています。氏もマクロスがこの仕事のデビュー作で、当時『風の谷のナウシカ』の巨神
兵、『DAICON III』などで注目を浴びていました。


『ストップ!!ひばりくん!』や『レンズマン』、『機動戦士Ζガンダム』後半オープニングの原
画、作画監督などの仕事で有名になった梅津泰臣さんも、メガゾーン23でかなりの原画を手が
けています。そして氏は、メガゾーン23の続編(part2)で何とメインキャラクターデザイン担当
に大抜擢されています。


サンライズ・ロボアニメではなくてはならないスタジオ・ビーボーからは人気アニメーターの
雄、北爪宏幸さん、大森英敏さん(part2から)が参加し、作品のビジュアル面に深みとバラエテ
ィを与えています。北爪宏幸氏はメガゾーン23の第3作目で、キャラクターデザインを担当し
ています。


・・・んー、何かこうして一部のスタッフ陣容を俯瞰してみると、昭和35年前後に生まれた才
能あるアニメーターが集中していますね、メガゾーン23には。アニメ制作の業界は一般社会と
違って、ヘッドクォーターも実働部隊も裏方も皆若い世代で構築されていましたことを思い出
します。







         


■メガゾーン宇宙船について

メガゾーン23は、超巨大移民宇宙船メガゾーンの建造順で23番船と思われます。メガゾーン23
は1980年代の東京23区の擬似世界とそこに住まう人々を内包しています。作品タイトルをひね
って、23番と23区をひっかけているということですね。他に建造されたメガゾーン船には、パ
リやニューヨーク都市の擬似世界・空間を内包したパターンも存在するらしいです。


公式の設定には見当たりませんが、メガゾーン宇宙船の大きさは、その形態が円盤型と仮定す
ると、高さ8km、直径100kmにも及ぶ超巨大宇宙船という推論もあります(これは東京23区、
東京都以上の面積に)。上層・中層・下層の3層で構成され、主人公達が暮らしているのが上層
部で、上空2kmの見えない高さに宇宙船の外壁が存在すると思料されます。


登場人物たちが暮らす上層の地下にあたる中層が、メガゾーンのすべてを支配するコンピュー
ター・バハムートが存在する中核エリアです。ここは、宇宙船の下層に対しても隔壁が存在す
るため、事実上空がない。代わりに、天と地の両方が地上という特異な構造をもつ。


重力はそれぞれ上と下の地表に働いており、ちょうど中間の位置で重力が逆転する仕組みにな
っている様子です。劇中でも、矢作省吾がガーランドとともにエレベータに乗っている時にこ
の説明らしきセリフがありました。

 
巨大コンピューター・バハムートの建造物は、この天と地の両方を支えるように中層の中心に
そびえ立っており、ちょうど高さの中心にある辺りが最も狭まっており、そこから天や地に向
かって扇状に広がった砂時計のようなシルエットを持つ巨大構造体です。

ちなみにバハムートとは、アラビア神話に登場する世界を支えている魚の形をした神様の名前
です。

宇宙船の最下層は、過去の大戦でほとんど破壊された廃墟のエリアで、無重力状態で宇宙空間
にそのままつながってしまっています。




                 











MEGAZONE 23 partU





             


           パート2でもメガゾーン23は依然として人気があり、
             アニメ雑誌系出版社などからムック化された。








                      


         1作目とガラリと絵が印象がかわった主人公 矢作省吾。
            (また塗り絵っぽいイラストでもうしわけないです。)



■シリーズpart2 『秘密く・だ・さ・い』の内容は?

戦争を題材にした初めてリアルロボットアニメ『機動戦士ガンダム』の影響で1970年代後半か
ら隆盛を極めたロボットTVアニメですが、1980年代後半にはその傾向も不遇の時代へと突入し
ていきました。

そんな中、OVAで金字塔(金字塔とはピラミッドの意)を打ち立てたこの記念すべき作品は、人
気が人気を呼び、part1(1985年)、part2『秘密く・だ・さ・い』(1986年)、part3『イヴ
の目覚め』、『解放の日』(1989年)まで制作されました。


メガゾーン23 part2『秘密く・だ・さ・い』の内容は、part1の実質的な続編で、登場人物たち
とメガゾーン23宇宙船の半年後が描かれています。制作者側がこの作品のテーマとしていたで
あろう、メガゾーン23が波乱万丈の中、如何にして500年前に旅立った地球へ帰還するか、と
いったストーリー中核の部分が描かれている位置づけが、part2になります。


このpart2作品も、当時のアニメファンの間では印象が深く(評価が高く)、その理由のひとつに
キャラクターデザインを、繊細で親しみやすい柔らかい描画風だった平野俊弘さんの絵柄か
ら、当時メキメキと頭角を現していた、ハイソなリアル志向で斬新かつオシャレなタッチの梅
津康臣さんにバトンタッチしたことが挙げられます。


したがって、part1とpart2のキャラクターの印象は、同じ登場人物であっても、まったく違っ
た絵柄になりました。キャラクターの服装も、前者はまんまアニメっぽい感じでしたが、後者
では皆さんホットドッグ、ポパイ、メンズノンノなどにでてくるモデルさんのような洒落た格
好をしていました。


ここまで徹底的に前作とキャラタッチの印象が前代未聞に違うのは、もしかしたら今でもメガ
ゾーン23だけでは。こうしたキャラデサのスイッチターンは、当時としては大冒険だったと思
いますが、監督側の思惑通り功を奏してファンに従容と受け入れられたのは、やはり梅津キャ
ラが文句なしにかっこよかったからではないかと思います。


この一方で、メガゾーン物語のすべての鍵を握る謎の少女、時祭イブのキャラデザインについ
てはpart2も美樹本晴彦氏のままであり、それがかえってpart1とのつながりをしっかりと感じ
させせれたものです。イブのキャラクターデザイン自体は美樹本氏によって変えられていま
す。


気になるメカニックデザインの方も、ひきつづきアートミック陣容が担当していたので、前作
路線で、さらにパワーアップしたメカデザインが楽しめる、質の高い作品に仕上がっていま
す。





          


             主役メカのプロトガーランド。
                さらにカッコよくなった。






        


             パート2でもレコードが発売された。
               新規のイブの曲が収録されているので購入。゛





■part2のあらすじはこんな感じ

舞台は、part1の半年後の世界。メガゾーン23はデザルグ宇宙船と航路接近で戦闘に突入。メ
ガゾーン内の一般社会である東京では「某外国との戦時下・・・」という設定です。


軍部はメガゾーン23をコントロール下におくために、バハムート・レベル7・EVEプログラムの
最終解除が急務となっています。(part1の終盤時点で、レベル7とEVEプログラムを解除しては
いたが、EVE中核プログラムは軍に解析される事前に、バハムート・コンピューターから自ら
の経路を切断したため生き残っていた。)


この結末のキーワードを握るのはEVEプログラム(時祭イブ)に7Gのオペレーターとして認識さ
れた矢作省吾。そして彼は、一般市民でありながらメガゾーン舞台裏の秘密を知る唯一の人物
として、身柄を軍で捕獲しなければならない存在です。軍は、part1のラストで大破したガーラ
ンドを改修して完成体に戻し、矢作をおびきだします。


軍部は、バハムートの全プログラムの解除に成功したことで、コンピュータとメガゾーン23の
すべてを支配下におき、強力な軍事政策を推し進められるようになりましたが、時すでに遅
し。強力無比なデザルグ軍の侵攻で(デザルグは科学技術でメガゾーン23より50年程進んでい
る)、メガゾーン23は復旧不可能の壊滅状態に陥ります。もう脱出しかないのか・・・


この頃、メガゾーン23の宇宙船はバハムートに設定された基本プログラムにしたがい、浄化さ
れたであろう地球へ向かっていました。地球を500年見守りつづけていた月の防衛システム
「ADAM」からコールされたためです。それはデザルグ宇宙船も同様です。


しかし、優位であったデザルグ宇宙船は、地球に到着する直前に、月の防衛超兵器システム
ADAMのプログラム(500年間地球への進入を監視・防衛する、月が改造されて超巨大兵器にな
ったものもの。)によって、完全に破壊し尽くされ宇宙の藻屑となってしまいます。

このことは、過去に異文明と接触し、兵器開発を推し進めて邪悪な意思をもってしまったデザ
ルグに対して、ADAMプログラムは地球への帰還を認証しなかったためなのかもしれません。


これに対しメガゾーン23では、真のEVEプログラムが発動し、宇宙船で暮らしてきた500年後
の人間が本当に地球に帰還してよい性質の存在かどうかを諮問・審査します。その対象に(無作
為で)選ばれたのが7Gのオペレーターである矢作省吾なのでした。


「やつらは汚ねえ存在」と省吾がいう大人(メガゾーンにはびこる軍部のような)は、かつて地
球を汚染した人間と同質であり、彼はそんな大人には絶対にならない、なりたくないとイブに
主張します。EVEプログラムはこの若者とその仲間たちに希望を与え、地球への活路を開くこ
とを決定します。


こうしてメガゾーン23の一部の人々(EVEプログラムが選んだ地球に帰ってよい条件を満たす
人々)を率いて、巨大コンピューター・バハムートの中に用意されていた大気圏突入用脱出ユニ
ットで地球へ帰還します。

・・・はるかな昔にメガゾーン船団の出発からちょうど500年が過ぎていました。
地球は緑の星へと浄化・再生していました。どこまでも緑の野が視野に広がる自然世界。大円
団のラスト。。。






         


       1作目で大破したガーランドを軍が修復したプロトガーランド。














        


          デザルグのまがまがしい都市型宇宙船の外観。
            その全長はなんと1,000kmに及ぶという。
            (こんなの描けないので設定画を掲載しています。)
            ちなみに主人公サイドのメガゾーン23宇宙船の設定画
            は存在しない。全長100kmほどで形状は球体のよう。




■敵デザルグとは?

メガゾーン23のpart2「秘密く・だ・さ・い」では、メガゾーン23宇宙船と敵対するもうひと
つの宇宙船勢力、「デザルグ」が登場します。双方ともに地球を離脱して500年がたった今、
月のADAMからコールされ地球への帰還ルートをとります。これによって、航路衝突とともに
抗争の火蓋がきられたような展開になっていきます。


劇中本編では「デザルグ」とは敵であるということ以外、ほとんど語られていません。メガゾ
ーン23に攻撃をしかけてくる戦闘兵器はいろいろと登場するものの、デザルグに住む人々は一
切画面に出てきません。

そのまま、不気味なデザルグ宇宙船は地球帰還直前に、月のADAMシステムにより完全に破壊
されてしまいます。

一体デザルグとは、ADAMシステムとは何だったのでしょうか。当時に発行されたメガゾーン
関連のムック・資料本などから、わずかな情報源を頼りに考察してみましょう。

アニメには登場しない裏話として。

デザルグとは、500年前にメガゾーン宇宙船が人々を乗せて地球を旅立つ時代の頃、火星なら
びにその付近で生活していた人々の総称のようです。この頃(24世紀)、人類はすでに太陽系へ
進出していて生活圏を広めていたわけです。

人類の総人口は約140億とされ、その内の約1割がデザルグであったとされています。地球連邦
政府から区別の意味もこめて。(火星は地球連邦政府の管轄下にある。)


火星は惑星改造によって何とか居住できるようになってはいましたが、まだまだ人が住むには
劣悪な環境で、人間の方が遺伝子レベルの改造でこの悪環境に適合するようになっていまし
た。


『機動戦士ガンダム』において、地球から最も遠いサイド3の人々がジオン公国を名乗って独立
宣言をしたのと同様に、やがてデザルグも火星解放政府の設立と新たなる惑星国家としての樹
立を宣言する道をたどります。自由と平等を求めて。


こうして、地球側と火星勢力の一大抗争は、太陽系全域へと広がっていきます。そして、この
ことが結果的に、地球環境破壊の最たる原因の弾きがねとなっていきます。デザルグが放った
ミサイル攻撃により地球は34億人もの人々が死亡していきます。


地球側では、恒星間移民船団の計画が推し進められ、メガゾーン巨大宇宙船の建造が進められ
ています。そのクラウディア宇宙海域メガゾーン建設プラントは、デザルグ戦闘艦隊の襲撃さ
れ、メガゾーン宇宙船の13、14、15、16番の4隻がデザルグ側に略奪されています。デザルグ
はこの4隻を使って、地球の人々同様に居住可能な惑星へ向かって外宇宙へ旅び立つ、というわ
けです。


メガゾーン(地球)船団とデザルグ(火星)船団は、500年後の『メガゾーン23』のpart1、2の劇
中での接触以前にも、実は地球を旅立ってから1年後に接触・戦闘をした経緯があります。海王
星軌道付近で、地球連邦船団とデザルグ船団が接触して武力衝突に突入。相当に大規模な戦闘
が行われたようで、双方数隻が大破という最悪の事態を招いています。


シリーズpart1劇中でも、矢作省吾がガーランドとともに突如宇宙に出てしまったシーンがあり
ます。メガゾーン23宇宙船の最下層部が廃墟になって、宇宙とつながっている映像。これは、
過去に海王星付近でメガゾーン23宇宙船がデザルグの戦闘によって破壊された形跡なのではな
いでしょうか。


この悲劇の戦闘の後、デザルグ船団は予定航行コースを大きく外れていきます。そして33年
後、デザルグ船団は異文明と接触。地球政府側メガゾーンに対して、飛躍的に科学技術が進展
していくことになります。


メガゾーン23に侵攻してきた戦闘兵器や、part2のラストで描かれた途方もなく巨大で禍々し
いデザルグ宇宙船のその姿はもはや原型をとどめておらず、彼らそのものが地球の人間ではな
くなっているような連想を喚起します。


もともと永年、火星居住で虐げられ、奪った宇宙船で外宇宙にでて、異なる文明と接触したば
かりに、500年生き残ってはいても最終的にADAMに葬り去られるという悲惨な運命の人々。
考えてみれば、とても哀れで可哀想な存在なのです。


ところで、個人的な印象としてデザルグが「接触した異文明」とは、その戦闘兵器や宇宙船の
デザインから察するに、インビッ○ではないかと。・・・アートミ○クですし! なーんて。








      


            完全なるガーランドこと、軍用量産型ガーランド。
            本当(劇中)のカラーリングはカーキグリーンです。






■月のADAMシステムとは?

つぎに「ADAMシステム」について。
人類が地球再生のため外宇宙へ旅立ってから、地球を保護するために18年の歳月をかけて建造
された途方もない規模の地球再生監視衛星システム。


      

地球外で身近な鉱石採掘の場であった月を改造したもので、その体積の40%をも人工物に改造
し、地球から半径40万km圏内に侵入しようとするものに対して、完全に防御・破壊する役目と
機能をプログラムされた超巨大兵器といえます。某スターウォーズのデススターどころではあ
りません。


これは恐らく、地球政府側が敵対していたデザルグに対する地球乗っ取りの防御と牽制も兼ね
ていると思われます。プログラム設定により、500年の間はたとえメガゾーン船団であっても
地球への接近ができなくなっています。接近すると攻撃の対象になるのでしょう。


ただし、永年の地球監視の結果(500年後?)、地球環境が再生されたとADAMが判断した場合
は、メガゾーン船団に対してコールが発令されるプログラムになっているようです。劇中のメ
ガゾーン23とデザルグは、500年の長い歳月をかけて外宇宙を航行してきましたが、居住可能
な惑星が見つからぬまま500年が経過したため、ADAMのコールにより地球へ帰還してきたと
いうことになります。


旧約聖書に出てくるアダムとイヴは、地球上に生誕した最初の人間といわれています。
メガゾーン23に登場するEVEとADAMの関係は何だったのでしょう。EVEは未来の地球へと
人々を先導・審査・選定するソフトの役割が主で、ADAMは「それ」(容認もしくは拒絶・排
除)を実行するハードの部分、といったところでしょうか。いずれにしても、恐ろしい運命の神
のごとき存在ですね。


ところで、他のメガゾーンやデザルグの船団は一体どうしたのでしょう。十数隻はあったはず
なのですが・・・。

ADAMから一斉コールがあったはずでは? それとも長い長い旅路の果てで事故に遭って消滅し
てしまったのか、運よく居住可能な惑星を見つけることができたのか・・・







                


              量産型ガーランドの後ろ姿。













MEGAZONE 23 partV





                 


            パート3のころは人気も下火となり、単独
              ムック化についてはわたしは知りません。
              これはB-CLUBのパート1・2・3総集本。






                        


         エイジ・タカナカ art3の完全無欠優等生の主人公。
          (またまた塗り絵っぽいイラストでもうしわけないです。)



■part3「イヴの目覚め」&「解放の日」は隠れた名作

メガゾーン23のpart3「イヴの目覚め」(前編)、「解放の日」(後編)も、part2同様、時祭イヴ
を除くキャラクターデザイン担当が変更されています。今度は当時の若手ベテランアニメータ
ー雄の賞賛をほしいままにしていたスタジオ・ビーボォの北爪宏幸さんに。


そして、物語の鍵を握る時祭イヴのキャラデザインについてだけは、part1、2からひきつづき
美樹本晴彦氏がペンをにぎりつづけています。

イヴのキャラクターデザインはpart2からまた少し印象が変えられています。ちなみにpart3作
品では、時祭イブではなく、はっきり「時祭イヴ」(ウに濁点)と表記されていますので、ここ
ではイヴで書きます。


part3の舞台は、part2から500年後の地球のエデンシティです。メガゾーン23のEVEプログラ
ムによって選民されて地球に降り立った前作の登場人物達は、その500年前に地球に残されて
いたメガゾーン33宇宙船の機構をもつ都市エデンシティで暮らし、文明を復活させながら子孫
を残すようになって、すでに500年もの歳月が経っていました・・・


このエデンシティでは、かつてのメガゾーン宇宙船が巨大コンピューター・バハムートに支
配・管理されていたように、人々はシティ中枢機関「E=X」(イーエックス)の存在によって、
完全にその生活・人生を隅々まで管理されて安穏に暮らしています。


しかし、その平和と思えるエデンシティを統括するE=Xの真の目的は、エデンシティのメガゾ
ーン33番船としての反重力システムの機能を使用して、すべての人々を有害とみなし地球から
排除し、いつの日か再び宇宙へ放逐することでした。(先天的な計画ではなく、後天的な判断と
して。)


これを阻止するため、part3の主人公エイジ・タカナカの手によって、1,000年前にエデンシテ
ィの最深部でコールドスリープの眠りについた時祭イヴが覚醒します。そう、時祭イヴとは、
バハムートが創り出していた幻影プログラムだけでなく、実在の人物モデルがいたのです。


時祭イヴは、この時代の新たな7Gのオペレーターとなるエイジ・タカナカと新ガーランドとと
もに、強大なE=Xに立ち向かっていきます。この戦いの中、イヴ同様1,000年前にエデンシテ
ィの地下500mに封印されていたマシンソルジャー「オリジナル・ガーランド」(型式SMS-
18E)も発掘され、主人公エイジとE=Xガーランドの前に強敵として立ちはだかります。


この事件・抗争により、エデンシティからE=X中核と反重力システムのみが天空へと旅立つこ
とに。そしてE=Xの実質的な支配者、ウォン・ダイ(その正体はメガゾーン23の7Gオペレータ
ーであった矢作省吾! 彼は500年前の地球帰還時、エデンシティのシステムに7Gのオペレータ
ーとして認められず、システム管理のための象徴としてのシステムの取り込まれ、人身御供に
されていた!)はついに・・・


シティに残された人々は、E=Xの支配から解放され、真の自由の下で奔放に生活していくこと
になります。地球は新天地の時代へ・・・





                


           part3の主役メカ、E=Xガーランド 。
            これは作った模型ではなく完成品フィギュアです。






■part3の評価すべき点

メガゾーン23のpart3の発表は、part2から数年の隔たりがあり、当時ドラクエなどの大ヒット
を受け、社会現象的傾向にあったTVゲーム、アーケードゲーム、そしてサイバー・デジタルチ
ックさを前面におしだした演出が随所になされていて、アニメーションの動きも既存の内容と
印象が変わっています。俗な書き方をすると、サンライズ系アニメのような印象です。


舞台設定も含めて、前二作とは異質なムードが感じられる内容に仕上がっていて、本当の意味
でレベルの高い作品ではないでしょうか。ただ、それまでのメガゾーン23作品お約束のオイロ
ケシーンはほとんどなくなってしまっていました(笑)。これもまた時代の流れということで
すね。

  
ところで、劇中アイドルの時祭イヴ役の声優さんは、part1、2では宮里久美さんが、part3で
は当時デビューしたての高岡早紀さんが大抜擢の末、唄と声を担当されています。

好みの問題もありますが、宮里さんは声の性質も歌唱力も抜群であったのに対して、高岡早紀
さんのイヴは残念ながら、すこしパワーダウンした感が否めません。歌自体(作詞作曲の内容)
の魅力も、ちょっと浮いた感じが。いや、充分に楽しい作品に仕上がってはいるのですが、
par1、2が凄すぎたのでしょう。


高岡早紀さんには当時「20世紀最後の妖精」というコピーがありましたが、女優としてはピカ
イチですが、アニメの声優さんはやっぱりいろいろと難しいようですね。メガゾーン23の時祭
イヴといえば、唯一マクロスのリン・ミンメイと拮抗するほどの実力派アイドルのイメージが
あったので、ちょっぴり荷が重かったようです。


まあ、part1、2の時祭イヴはコンピューターが創り出したバーチャルアイドルで、part3は実
在の人物なので、そこらへんの区別のためにCVが異なるというのもありだと考えます。


part3では、メガゾーン23シリーズの大きな見所のひとつである変形メカは、主人公のエイ
ジ・タカナカの駆る「E=X ガーランド」、敵となるE=X局長ヤコヴの駆る「オリジナル・ガー
ランド」、また別の第三の勢力の民間企業オレンジが使用する「ハーガン」などが、前作から
さらに線の多いメカデザインとなって登場してくれます。メカデザインは、前作同様ひきつづ
きアートミックの荒牧伸志さんらです。


主役のE=X ガーランドについて、当時の模型雑誌のずんぐりした作例を最初に観てしまった先
入観があって、「なんだかカッコ悪い・・・」とずっと残念に思っていたのですが、アニメと
してpart3を観賞してからは、その印象はガラリと一転しました。文句なしにカッコいいです。


それまでのガーランドのデザインワークと比してとくに何が変わったかと書けば、それは四肢
のシリンダーギミックなど内部メカむき出しの処理が導入されたことです。脚部はモビルスー
ツの百式みたいですね。ロボメカとして関節や動力部の機構をより複雑・精密に描き、デザイ
ンしていく傾向が高まっていた時代だったと思います。






                        


         500年の技術進化で空も飛べるE=Xガーランド 。
















 - MZ23のもうひとつの主役、ガーランドメカを語ろう -

■スーパーメカニクス「ガーランド」について

『メガゾーン23』作品の大きな魅力、ガーランドについて。
バハムートの残存データを元に軍が建造した戦闘用バイク。
約500年前、バハムートが建造された頃に設計開発されたデータが、バハムート・レベル6に残
っていたため、それを発見した軍が極秘裏に建造したものです。

故に、メガゾーン23を支配する超巨大コンピューター・バハムートの最深レベル7(EVEプログ
ラム)と直接リンクしている唯一の端末となっています。この部分は少々こじつけっぽいです
が、ここが作品を語る上でも重要なポイントになっています。


ではここから、Part1に登場したガーランドを中心に書いていきます。
軍内部でガーランドは、主に首都防衛(本土決戦)専用車両として開発・位置づけられていたも
の。劇中の時点では、まだ公に正式発表されるミリタリーアームズ(軍用兵器)ではなかったた
め、極秘重要機密のひとつ。


この試作機が完成後に、軍部裏切り者の中川真二に略奪された後、その友人である矢作省吾に
渡され、結果的に彼が7GのオペレータとしてEVEプログラムに認識されることになります。

(以下に掲載しているガーランドのデータ・スペックは、ビデオ発売当時に発行されたムック・
資料によるものです。主にジ・アニメ別冊、秋田書店ムックなどの掲載文より。したがって公
式データとはいいきれません。近年ではまた新しいスペックも紹介されているようです。)





     
     ここでちょっと宣伝。
     昨今のMZ23・リバイバルブームの先陣ともなった、日経BP社発行の『メガゾーン23・
     マニューバーブック』。part1のDVDコンプリートBOXのセット本にもなっている。
     編集の視点が現代から当時の作品を振り返って取材している点が実に興味深い。
     威風堂々表紙カバーを飾る片桐K氏のMクラフト・Mスレイプのイラストが格式モノ。
     美樹本さん、荒牧さんなどインタビュー多し、part1設定資料も多数掲載の豪華本。
     僭越ながら2D&3Dロマン謹製、旧ラーク製1/32ガーランドのガレージキット完成品も
     紹介されています。




マニューバクラフト・モード】(バイク形態)

全長 3.96m
全幅 1.35m
全高 0.94m
重量 1,805kg

原動機形式 ガスタービン・エンジン 車体両サイド(マニューバスレイブ脚部)に2基がけ。左
右エンジンは、メインシャフトを逆回転させトルクアクションを打ち消している。(既存のバイ
クと同じ搭乗者のシート下にメインエンジンがあるようにも思える。)


最高回転 15,000rpm.
出  力 2,080ps(アフターバーナー使用時) 1,200ps(片側1基のみ使用時)
 変速機 クラッチレスのオートマチック・トランスミッション
     左足ペダルでドライブ、クルージング、リバースなどを選択。
最高速度 320km/h 0〜400m加速は、7.20sec.

フロントサスペンション:ダブルウイッシュボーン(当時のビモータ・テージに似ている形式)
リヤサスペンション:セイヴァーショックシステム(飛行機の着陸客のような機構)
ブレーキ インボード・ベンチレーテッド・ダブルディスクブレーキ (後輪も同じ)
     有効ディスク径500mm、対向ピストン型ダブルキャリパー
ステアリング 油圧式パワーステアリング機構


■特殊装備について
ジャイロバランサー(自動自立システム)。停止時に人が乗っていても傾かないほど強力。本来
は、機体両サイドの巨大なエンジン部によって、走行の際ほとんどバンク角がとれない意匠上
の問題に対応するためのもの。

タンク真下のアンダーガード内側に位置するフライホイールが高速で回転してジャイロ効果を
発生。フライホイールは、速度やハンドルの切れ角に反応して回転速度が変わる。高速直進時
はジャイロの必要性が少なく低回転。停止時でハンドル角が最大の場合などは、ジャイロ機能
を最大にするため、フライホイールは最も速く回転する。マニューバクラフトをわざとフルバ
ンクで走行される場合は、ジャイロバランサー・キャンセラーを使用する。

なお、ガーランドの前腕や脚部フクラハギに見られる、取っ手(ステー)部分のデザインは、実
は握り手としての機能ではなく、内部に動力パイプが通っていて、そのカバーとなっている模
様。


■ガスタービンエンジン始動方法
専用電子キーを差し込んで、デジタルスピードメーター、タコメーター、アンメーター、フュ
ーエルメーターなどの作動を確認。

1段階キーをひねると、DANGERランプ(赤)が点灯。同時にセルフスターター作動。約5秒後、
DANGERランプ消灯。

この後、キーをもう一段階ひねると、ガスタービンエンジンが始動しキーンという音が聞こえ
る。アイドリングのエンジン振動はほとんどない。







【マニューバスレイブ・モード】(ロボット形態)

首都防衛用戦闘バイクであるガーランドは、搭乗者保護機能を搭載している。戦闘状態に入っ
たり、搭乗者が危険に陥ると自動的にマニューバスレイブ・モード(人型)に変形して、搭乗者
を完全に外界からシャットアウト、保護する。

当然マニューバスレイブは、白兵・格闘戦などを含めた戦闘仕様のモードともいえる。全高3.
85m。

搭乗者はヘッドコネクターを装着することで、ロボットの複雑な操縦も、思考操縦システムな
らびに音声操縦システムなどのサポートでイージーかつ的確に操縦を行なえる。

反発動力(反重力と扱いが多少ごっちゃになっている)システム、熱源探知モニター、超指向性
集音マイク、センサーリダクションなど数々のハイテクを装備。機体各所に配備されたガス噴
出・機動ノズルによって、暫時空中戦、宇宙空間での行動が可能。

専用武器は、レーザーオーブガン。ガーランド専用のレーザー焦点照準機能が付いた実体弾ハ
ンドガン。装弾数は4発。弾薬予備カートリッジは前腕部に収納されている。

またガーランドは、バハムート端末であるため、バハムートによる操縦サポートならびに直接
操縦も可能と思料される。







『メガゾーン23』3部作に登場する6種類のガーランド

ガーランド(part1に登場)
メガゾーン23・バハムート・レベル6の解析によって得られた未知のテクノロジーで建造され
た試作機。当初は軍用としてカーキカラーだったが、盗難後、物語の主人公によって、行きつ
けのバイクショップ「ココ」で鮮やかなレッドカラーにリペイントされた。なお、塗装代はツ
ケのままである。バハムートの端末とダイレクトリンクしている。part1終盤の戦闘で大破。乗
り捨てられる。



プロトガーランド(part2に登場)
part1で大破したガーランドを、矢作省吾を捕獲するための罠として、軍部が量産型ガーランド
のパーツを流用して改修した機体。形式番号は「GR-00X」。性能は前作のガーランドより向上
している。part1のガーランド同様、バハムートの端末とダイレクトリンクしているのは同じ。
カラーリングはワインレッド。part3にも、大破した姿でチラリと登場。



軍用量産型ガーランド(part2に登場)
part1で大破したガーランドを軍部が回収し、機体解析の結果、発展・完成させた完璧なガーラ
ンド。軍用として量産化されている。正式名は「GR-2 ガーランド」。もはやバイクの車輪はな
く、反重力システムによって浮遊して移動するクラフトである。プロトガーランドより完成度
が高く、性能も戦闘力も上。



E=Xガーランド(part3に登場)
E=Xが開発し、選ばれたエリートにのみ配備される対ネットジャッカー用機動ターミナルマシ
ン。3機のみ存在が確認されている。モトフォーム(バイク形態)からGフォーム(ロボット形態)
へ変形する。part2までのガーランドに対して500年の経過・技術進化があるため、性能は比べ
ものにならない。カラーリングはガーランド伝統のスーパーレッド。



E=X量産型ガーランド(part3に登場)
エリート部隊用のE=Xガーランドを、量産に向くよう機体各部位を簡略化した機体。カラーリ
ングはグリーン。



オリジナル・ガーランド(part3に登場)
エデンシティの地下500mに保管されていた1,000年前のオリジナル機体。型式はSMS-18E。
最古にして最強の性能を誇るラスボスキャラ。非変形のマシンソルジャーである。腹部に超強
力なビームカノンを装備している。レプリカ(物語の主人公たちが登場するガーランドのこと)
に対して、ふた周りほど大きい。カラーリングはダークブルー。E=X局長のヤコブ自らが搭乗
し、主人公のエイジ&E=Xガーランドを苦しめた。
















■APPENDEX メガゾーン23世界の歴史

以下に掲載している年表と内容は、平成2年に発行されたB-CLUB特集本に掲載されていた、夢
野れい氏によるイラスト・ストーリーボードの内容を再編、換骨奪胎しわたしなりに文面を加
えたもので、当方のオリジナル年表になります。史実を類推した点もあり完全な公式データか
どうかは保証できかねます。参考まで。



         
西暦 主なできごと
1980年代 「今がいちばんいい時代だって気がする」と人々に思われていた素敵な時代。
2000年代  現代。我々が今いる時間流の世界。
2331年  ツースリー・スリーワン。地球は人類によって環境破壊が進行し、大気汚染、生態系の変化・崩壊により、人々はマスクなしで外出することさえできないほど劣悪な状況になっていた。絶滅の危機に瀕した動物たちは、やむなくコールドスリープという形で人類の手で保護された。
 こうした中、地球連邦政府は、フェルディナント・F・ハインケル博士が提唱した「地球再生計画」(地球の再生、そのためには人間を一時排除すべきである)の実行を決議した。およそ5世紀にもわたる地球再生プログラムのスタートである。
2337年  この時代、すでに太陽系宇宙へまで進出するようになった人類。その総人口は140億人。その内1割ほどの人々は、火星ならびにその衛星圏に居住しており、地球連邦政府の管轄下にあったが、火星解放政府の設立と新たなる惑星国家としての樹立を宣言した。
 この頃の火星は、惑星改造が進んでいたが、まだまだ人が住むには劣悪な環境であったため、人間の方が遺伝子レベルで、居住可能な体性へと改造されるようになっていた。そうした火星で生まれ、火星で暮らす人々のことを、地球に住む人々はいつしか「デザルグ」と呼ぶようになった。
2345年  10年前に建造を開始した恒星間巨大宇宙船メガゾーン1号が完成。全長は140km、収容人口1,300万人。内部は1950年代のニューヨークの都市を模して建造されている。以降、4隻ずつ建造が繰り返される。船内の都市のスタイルは、個々のメガゾーンによって異なる。
 2353年のADAMシステムの始動と同時に、すべてのメガゾーンは全人類を乗せて地球から離脱していった。宇宙船メガゾーンの目的は移住できる惑星の探査。
 各メガゾーンが内包する都市モデルは、巨大コンピューターバハムートならびにEVEプログラムによって完全に統括・管理されている。バハムートが行うマインドコントロールによって、メガゾーンに住む人々は500年の期間、安定した生活を送ることができる。
 メガゾーンの航路は、バハムートが恒星間宇宙航行中、人類があらたに居住できる惑星がない(発見できない)と判断した場合、500年後に再生している予定の地球に帰還するようプログラムされている。ただは、この場合、再び地球を汚染させないため、人々はEVEプログラムの、ある種の思考操作を受ける必要がでてくる。

 EVEプログラムとは、メガゾーンやADAMシステムの基本設計者であるハインケル博士によって生みでされた一種の人類保全プログラムである。バハムートを解してEVEプログラムが創りだす虚像アイドル時祭イヴのビジョンと思考パターンは、博士の助手プログラマー時祭イヴ本人をモデルとしている。

 もし、メガゾーンに住む人々がバハムートの管理・支配から逸脱を望む場合、同コンピューターの7つのプロテクトプログラムを解除しなければならない。この最終解除キーワードは、時祭イヴの遺伝子パターンが用いられている。

 恐らく最後のメガゾーンと思われる33番船は、新しい反重力システムを導入。建造途中で戦争下に陥り、宇宙へ出発することなく、地球再生システムの一環として都市エデン・シティに改造される。
2347年  デザルグが、地球連邦政府に対し宣戦布告。太陽系全域へと戦争の余波が広がっていく。
2348年  デザルグが放ったミサイル攻撃により、地球は34億人の人々が死亡した。
2349年  地球側のクラウディア・メガゾーン建設プラントが、デザルグ戦闘艦隊の襲撃を受ける。メガゾーン13、14、15、16番の4隻がデザルグに略奪される。
2353年  ADAMシステム完成。2335年から18年の歳月を費やして建造された、地球再生システムの監視衛星。人類にとって地球外で身近な鉱石採掘の場であった月を改造。体積の40%を人工物に改造し、地球から半径40万km圏内に侵入しようとするものに対して、完全に防御・破壊する役目と機能をプログラムされた超巨大兵器。
 地球が自然再生するまでの数百年の期間、誰にも進入を許さないために人類が選択した究極の措置である。

 この年、月面クラビウス会議場にてハインケル博士が暗殺される。博士の暗殺を機に、助手時祭イヴは、最後まで地球再生プログラムを見届けるため、地球エデン・シティにひとり残り、シティのポイントゼロにて永いコールドスリープに入る。

 惑星を内部より破壊する兵器が開発され、2年後デザルグの火星が崩壊する。

 この頃までにマシンソルジャー(人型機動兵器)は各種開発され、実戦に投入されている。サイバーシステムを導入した最新最後のガーランド、SMS-18E(オリジナルガーランド)はプロトタイプの1機のみが建造され、エデン・シティの地下500mに封印される。
2355年  ADAMシステムの作動開始。地球連邦のメガゾーン24隻、デザルグのメガゾーン4隻が新たな居住可能惑星を求めて、外宇宙へと飛び立つ。
2356年  海王星軌道付近で、地球連邦船団とデザルグ船団が接触、戦闘状態に突入する。双方数隻が大破という最悪の事態を招く。
 この後、デザルグ船団は予定航行コースを大きく外れていく。
2363年  7年前の海王星付近での戦闘の被害で、メガゾーン22が航行不可能になる。
2489年  デザルグ船団、異文明と接触。地球政府側メガゾーンに対して、飛躍的に科学技術が進展していく。
2854年  OVA『メガゾーン23 part1』の舞台。
 メガゾーン23で、バハムートの支配プログラム・プロテクトがほぼ解除され、残されたデータから試作戦闘バイク・ガーランドが製造される。ガーランドは、軍部裏切り者の手によって、一般市民である矢作省吾に譲渡され、赤くリペイントされる。
 矢作はバハムート最深プログラムEVEに、7Gのオペレーターとして認識される。矢作の知り合いであった村下智美は、メガゾーン23の舞台裏とバハムートの秘密を知ってしまったため、軍によって殺害。孤軍の矢作とガーランドは軍部に抵抗するが、その圧倒的戦力の前に大破・完全敗北。
 その後の矢作の行方は不明。ガーランドの残骸は軍に回収され、ガーランド兵器量産化のベースとなる。
2855年  OVA『メガゾーン23 part2 秘密 く・だ・さ・い』の舞台。part1の半年後の世界。
 メガゾーン23はデザルグ宇宙船と航路衝突で戦闘に突入。軍部はメガゾーン23をコントロール下におくために、バハムート・レベル7・EVEプログラムの完全解除が急務となる。このキーワードを握るのはEVEに7Gのオペレーターとして認識された矢作省吾。
 軍部は、先に大破したガーランドを改修して、矢作をおびきだす。彼はメガゾーンの秘密を知る重要参考人でもある。軍は最終的にバハムートの全プログラムを解除、コンピュータとメガゾーン23のすべてを支配下におき強力な軍事政策を推し進めることができたが、時すでに遅し。強力無比なデザルグ軍の侵攻でメガゾーン23は復旧不可能の壊滅状態に陥る。
 しかし、デザルグ宇宙船は地球に到着する直前に、月の防衛超兵器システムADAMのプログラムによって、完全に破壊され宇宙の藻屑となる。過去に異文明と接触し、兵器開発を先行し邪悪な意思をもってしまったデザルグに対して、ADAMプログラムは地球への帰還を認証しなかったためと思われる。
 これに対しメガゾーン23のバハムートは、EVEプログラムを発動し、メガゾーン23の一部の人々(EVEが選んだ地球に帰ってよい条件を満たす人々)を率いて大気圏突入用脱出ユニットで地球に帰還。2355年にメガゾーン船団の出発からちょうど500年が過ぎている。地球は緑の星へと浄化・再生していた。
3355年頃  OVA『メガゾーン23 part3前編 イヴの目覚め』『同後編 解放の日』の舞台。part2から500年後の世界。
 500年前、メガゾーン23で再生した地球に帰還た人々は、2355年の地球に残されていたエデンシティ(メガゾーン33)で子孫を増やし、繁栄を繰り返していた。かつてのメガゾーン宇宙船が巨大コンピューター・バハムートに支配・管理されていたように、この時代のエデンシティの人々は、シティの中枢機関E=X(イーエックス)の存在によって、完全にその生活・人生を隅々まで管理されて安楽に暮らしていた。
 しかし、その平和に思えるエデンシティを統括するE=Xの真の目的は、エデンシティのメガゾーン33番船としての反重力システムの機能を使用して、すべての人々を再び宇宙へ放逐することであった。
 これを阻止するため、2353年にエデンシティの最深部でコールドスリープの眠りについた時祭イヴが覚醒。この時代の新たな7Gのオペレーター、エイジ・タカナカと新ガーランドとともに、強大なE=Xに立ち向かっていく。この戦いの中、イヴ同様1,000年前にエデンシティの地下500mに封印されていたマシンソルジャー、オリジナルガーランド(SMS-18E)も発掘され参戦している。
 この事件・抗争により、エデンシティからE=X中核と反重力システムのみが天空へと旅立つ。E=Xの実質的な支配者、ウォン・ダイ(メガゾーン23の7Gオペレーター)は死亡。シティに残された人々は、真の自由の下で生活していくことになる。新たなる人類の歴史へ・・・






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