IIIKのモデラー三昧なフロク

  これまでに完成させた作品です。
  このページは、「ファイブスター物語」に登場するモーターヘッドの模型を紹介しています。







         テーマ: SFの乗り物
         日時: 2015年11月9日

地獄の業火 星団史恐怖の記憶
- レッドミラージュ 重装版 編 -
ボークス 1/100 レッドミラージュ Ver.3 インフェルノ・ナパーム  ガレージキット




 


    ネオキチン製 白色半透明装甲。 イレーザーが光を電子に変換する。
    際に発生するプラズマ炎を乱反射させ、蛍のごとく朧げに発光する。







■ 最凶の幻像 インフェルノ・ナパーム

「道具は組みあがった あとは・・・ 我がこれらのMHを見ても
立ち向かおうとする おろかな者がいないことを祈るだけだ」 (天照

「天照陛下か・・・ すでに千年も生きていらっしゃるならば
さぞ人生に退屈なさっているのでしょう。
全世界を灰にでもなさるつもりなのかな あんなMHを造って・・・」
(ダイヤモンド・ニュートラル)








 


      世界のすべてを焦土・灰塵と化すフレーム・ランチャー。











 


     スネ朱色のフチにある黒いラインは、業火に焼かれる民が連なる彫刻。
     朱色の中央部分には、焼かれる民を救済する女神が彫刻されている。









 


    ソードホーン、スカートなど美しく銀色に輝く部分はメトロテカクロム鋼製。
    これほど長大な砲身でなければ、自身の放つ灼熱の焔で騎体が溶けてしまう。











 


       星団最強の3兆3,000億馬力をたたきだす悪魔のMH。
       騎体各所に200以上のミラージュマーク、天照家の菱紋、
       モナーク・セイクリッドのインシグニアが刻印されている。









 


                Side View 1









 


                Side View 2









 










       


                   The End.












    ー ここからキットの製作レポートです ー






 LED MIRAGE Ver.3 Inferno Napalm
     1/100 scale High-Spec Motar Messiah
        - 製作レポート インプレッション 編 -




      

■向こう側へいけない日々

ご依頼で製作させていただいたキットです。
他のお客様とのオーダー順の都合により、製作スタートまで随分待っていただきました。あれ
よあれよと無情にも月日は過ぎ去り、こうしてご完成にいたるまで何ヶ月もかかってしまいま
した。


実質的な製作期間は、1ヶ月強といったところでしょうか。噂にたがわぬ超絶キットでした。通
常、ひとつでも製作が大変な1/100スケール級のモーターヘッドガレキの、おおよそ3倍の製作
労力が必要です。やってもやっても終わりが見えない、という感じで。


以前製作させていただいた、1/35 K.O.G.に匹敵する作業量でした。製作代行をしています
と、年に一度や二度は、こうした超大物キットを扱わせていただく機会がでてくるものです
ね。


内容も3倍なら、お値段の方も3倍。78,000円の高額キットということもあり、受注生産による
2,000個程の限定販売だったかと記憶しているのですが、このスーパーキットを購入された
何%の方が、完成まで至ったでしょう。恐らく10%きるのではないでしょうか。

技術的にも根気的にも、ハードルが高い最高峰のガレージキット。

今回のご製作代行で、マスターピースともいえるこのキットを扱うことができたお陰で、また
ひとつ確かな技術と経験が身についたように思えます。このような素晴らしい機会をくださっ
たご依頼主様に感謝するばかりです。







             





■稀代のスーパー・ガレージキットについて

設計思想、キャスト成形の品質、造形センス、組みやすさ、全体のバランス、いずれをとって
も今日のボークスさんらしい高品位のガレージキットでした。内容を考えれば、充分値段にも
見合った模型製品でしょう。


かつてムック「ナイトフラグス」の巻末において、永野先生が「このレッドミラージュは立体
化は不可能です」と記述されていたことに対して、造形村の方々が執念で立体・商品化された
意欲と残留オーラが、ビシバシ伝わってくるキットなのです。


長大なフレイム・ランチャー砲身と、巨大なナパームユニットタンクを装備して自立させるた
め、脚部の股から踵まで3mm径の1本の真鍮線をインサート成形しているなど、賞賛したくな
るポイントは山ほどあるキットです。


その中でも、実際扱ってみて、個人的に最も感心させられたのは、やはり接合しあうパーツの
組み合わせの精度でした。これがもし、キャスト製法によるガレージキットのパーツでなく金
型成形などであれば、ほんの1mmの誤差もないレベルではないでしょうか。すごい。


一方、少し気になったのは苦言を呈して書きますと、四肢や沢山ある装甲類について、左右パ
ーツのシンメトリーが違っている印象がありました。フトモモ外装の太さが若干違っていた
り、右と左のパーツで原型師が違う人かなと感じてしまったり。

気のせいかもしれません。これだけのボリュームの品だと、ひとりの原型師ですべて形を造り
だす、というわけには諸事情があっていかないのかもしれませんね。


それから、流石に製造・販売から数年が経ってしまっていることから、今回製作することにな
ったキット個体は、残念ながらクリヤー系のパーツが変質(黄変)し、また反り曲がってしまっ
ていました。

この問題は、とくに大きな構成パーツが顕著でした。ここらへんはガレキの場合、経年の問題
でやんごとないですね。







■製作にあたっての心得など

上記の通り、完成例は極端に少ないと思える「インフェルノ・ナパーム」ですが、地元のボー
クスショールームに出向いたり、ネット上でも素晴らしい作例を拝見できる機会が数件あり、
大いに製作のイメージングやコンセプト設定に役立ちました。


ご依頼主に納品差し上げてからの長期展示に耐える仕様とするため、ノーマル最適化の方向
で、組み立て・軸打ち補強をしていくのは当然のこと。やはりわたしらしく、仕上げの塗装に
こだわりました。


目指したのは、ムック「ナイトフラグス」の表紙を飾り、発行当時ファイヴスター・ファンの
度肝を抜いた、あのレッドミラージュ・インフェルノナパーム画稿の色合いです。なんといっ
ても、永野先生自らの仔細な配色指示がなされてのカラード・イラストレーションなのですか
ら、真のレッドミラージュのカラーはやはりこれが正しいのかと。。。


まず、このキットの製作に当たられる誰もが、注力されるのが、内部のフレームが透過して見
えることで、ほんの少し灰色がかった乳白色に見える独特の騎体カラー、蛍光パールホワイト
の表現でしょう。

ここはもう、モデラーのセンスと技術経験で大きく仕上がりが異なってくる、腕の見せ所だと
思います。蛍光ホワイトパールクリヤーといった本来隠蔽性のよくない変異性カラーをいかに
発色させるか。そして相反する矛盾として、いかに内部フレームを透過して視せるか。結果は
画像にてご判断ください。


個人的な配慮・ポイントとしては、フレームカラーの選定を間違えると、乳白色の装甲がどす
黒く透けて見えてしまい、全体の外観性をスポイルしてしまうので、比較的明るいシルバーを
選んでいることです。


そしてもうひとつ。今回、個人的には騎体各所に数多く刻まれたミラージュマークと脚部帯の
赤色に拘りました。こうした箇所について、クリヤーパーツということで、彩色にクリヤーレ
ッドを用いられるモデラーもおられますが、やはり発色の問題が残ります。


また、ここでの根本的な拘りは、イラストを見る限り、本当の配色は赤色(レッド)ではなく、
朱色(バーミリオン)が正しいという私的な見解なのです。したがって、今回の作例では、イラ
ストのイメージに限りなく近いバーミリオン(サーモンオレンジのような色)を調色で用意し、
仕上げに用いています。













         




■膨大な仕事量を要求するパーツ群

文字がつづきますねー。安心してください。
ここから、少しだけ製作レポートです。

このパーツ数と内容を見て、多いとするか少ないとするかは、個人の主観の問題。
質量的には、通常の1/100モーターヘッド・ガレージキットの2.5倍といったところ。
しかし、作業量としては優に3倍以上はあるでしょう。透明パーツの裏面処理があるから。
そして、このキットのパーツは全体的に大柄に作られているのでした。










■ 白色半透明装甲はこうして作られる


  

透明パーツの製作手順について簡単に。
これがキットのままの状態。ちなみに一等大きな盾のパーツです。曇りガラスのような印象。
まず、バリをカット。次にヤスリがけで全体の整形処理。クリヤーパーツなので、基本的に一
切パテ類を使わない。そしてペーパーの番手を600から1200までシフトしていき、パーツの
表・裏をくまなく面処理。

最後に仕上げ目のコンパウンドで全面磨き倒す。



 

クリヤーパーツなので表面処理のチェックに、サフェーサーは使えない。念には念を入れてペ
ーパーがけの段階で。目を皿のようにして調べていく。

この後、下地塗装にとりかかる。クリヤーパーツには下地塗料としてプライマーを使う。ちょ
っとしたクリヤー効果がでるので、吹き終わると画像のような感じで、パーツに透明度がでて
くる。以降、仕上げ塗装でクリヤーコートすれば、さらに透明度が増す。これは面だし作業で
パーツについた微細な傷が、クリヤーで埋まり平滑になるため。




  

騎体基本カラーの蛍光パールホワイトクリヤーを塗装する前に、裏面のフレームカラーを塗装
しておく。まずは、一段落ち込んだ凹みモールド部分にだけシルバーその1で塗装し、次にシル
バーその2を。パーツの表側からどのように透けて見えるか、イメージして行っていくことが大
切。

フレーム色が、パールホワイトクリヤー塗装部分に着くとまずいので、画像のように表側やフ
チを完全にマスキングしておく。




  

シルバーその2まで裏面全体を塗装し、表側とフチに貼ったマスキングテープを剥がし、表側か
ら見たところ。

この後、逆にフレームカラーを塗装した箇所をマスキングしていき、蛍光パールホワイトクリ
ヤーをパーツの表側やフチにコーティングしていくことで、レッドミラージュの怪しく乳白色
に光る半透明装甲が表現される。

つまり、クリヤーの装甲パーツに関しては、マスキングを二度することになる。















 LED MIRAGE Ver.3 Inferno Napalm
         - MHフレーム・装甲・武器 編 -






             





■空中宮殿にて・・・

「そうだ いいものを見せてあげる ぼく専用の工房さ!」(天照
「・・・お 大きい」(ラキシス
「今やっと第一装甲をつけたところさ このあと2次装甲をつけてMHらしくなるだろうけれ
ど」(天照

「たくさん人を殺すのですか いい人も 悪い人も」(ラキシス
「まともに使えばそうなるね・・・昔から兵器というものは 使い方次第で人を殺さず その
何倍もの命を救えると言われてきたよね。だけど それはウソだよ こいつらは何万の人命を
奪い 破壊するためだけに生まれてきたんだ。それは歴史が証明しているのさ」(天照







           


               Front View








           


               Rear View









                    


       意外と知られていませんが、このキットに
       は精密な?ファティマ・シェルが付いてます。
       永野先生オキニのオペラカラーで塗装です。













■盾と装甲類について

ここから一端、レッドミラージュVer.3の盾と装甲における個別の画像を掲載します。
組み上げてしまうとほとんど見えなくなってしまう、個々のディテールや裏面のフレームカラ
ーの塗り分けなどの確認用です。









    


血の十字架を象徴する、ハサミ付きの盾です。かなり大きく重いパーツ。
天照のもとへこれを届ければ、一生遊んで暮らせるだけの報酬が・・・?








         


左右の肩から伸びる副腕が、支える形で装備する肩の盾。これが付いているとVer.3。
裏面のフレームカラーの塗り分けラインが複雑なデザインになっています。









     


こちらは、長大なフレイム・ランチャー(火炎放射器)の砲身基部あたりに着く三角型の盾。
飾り程度のものか、ちゃんとした防御性があるのか怪しいですが。
表面から、裏面のフレームカラーが透けているのがわかりやすい画像ですね。











         


肩を構成する装甲パーツその1です。透けてますね・・・










         


肩を構成する装甲パーツその2です。








         


いろいろと細々とした小さな装甲類を集めました。
胸部のリフレクター、背中の中央、右前腕のアタッチメント、副腕、ヒザの側面など用。









         


こちらは、メッキ調塗装を施した装甲パーツの裏面塗り分け。
メッキ調は難易度が高い塗装で、今回の目玉仕上げのひとつですね。
通常のフレームカラーだと、メッキシルバーに色が馴染んでしまうので、こうした箇所の裏面
は色差が確認できるガンメタリックカラーにて、マスキング塗装しています。












■ インフェルノ・ナパームの装備について

火炎放射器(ナパーム)部位における、背中のタンクとフレイムランチャーついての個別の画像
です。

ボリュームたっぷりのタンクも、背負ってしまうと、遺憾ながらディテールが半分以上見えな
くなってしまうので、全体像と隠れてしまうアングルを中心に撮影しました。

フレイムランチャー砲身の方はあまりに長大すぎて、ギャラリー(画像)ページの方では正確な
その全体像や、先端、中央、後部といった箇所ごとの仔細な掲載ができませんので、ここでア
ップ画像を載せておきます。






           


まずは「ナパーム・ユニット」と呼ばれるタンク部位。普通に斜め後方からのカット。
こうした単独で拝見すると、不思議だけど、説得力のある形状をしていますね。
上部左右に振り分けられた球体の中に、危険な燃料が一杯入っているのでしょうか。くわばら
〜。

それにしても、模型の方の実物は大きくて本当に重いです。
けっしてムクのパーツではないのですが、それだけ多くのパーツの組み立て・構成されている
ということです。


実は、このユニット関係のクリヤーパーツは経年による黄変と歪みが顕著で、他の装甲部位よ
り、白色半透明塗装をわずか濃い目に吹いています。わずかながら、組み立てに隙間もできて
います。








         


同じくタンクの裏側というか、レッドミラージュとのマウント基部側を下方からのカット。
設定やキットの完成見本より、パイピングなどの塗り分けを複雑にして視覚情報量を増やして
います。

4つ突起がでているのが確認できると思います。これでレッドミラージュの背中とドッキングし
ます。

インマニ、エキマニ、エキゾーストがチラホラと見えますが、組み立ては大変でした。まる
で、V6エンジンの各ブロックにターボを2基がけしつつ、等長パイプを連絡しているような、
絶妙かつ複雑怪奇なパイピング。

間違いなく、一等組み立てに時間がかかった箇所です。その割には、完成するとほとんど見え
なくなり、自己主張なしという・・・(笑








         


タンクのサイドからのカット。とくに意味はありません。
調色で作ったバイオレットグレーがおしゃれ。それにしても、ミラージュマーク、モナーク・
セイクリッドのインシグニア、天照家の菱紋の多いこと。永野先生はデカールの使用を由とし
ないのです。








         


フレイム・ランチャー砲身の先端部位です。
ここらにも極小のミラージュマークが散見できます。








        


砲身、中央前方よりの部位です。
この砲身の内部には先端から後端まで、4mm径のアルミ棒が入っています。







        


砲身、中央後方よりの部位です。マーキングが集まっていますね。
前方へいくにしたがって、下方向へ若干反り曲がってしまっています。








        


フレイム・ランチャーの後方部位(基部)です。
結局、フレイム・ランチャーを構成するクリヤーパーツも、経年による黄変は目立たないもの
の、細長いパーツだけに反り・曲がりはかなり進行していました。










         


タンクと砲身を結ぶ、エネルギー(液化燃料供給)チューブ?
将棋の駒みたくブロックが、何気に存在感あります。テカリモノは撮影しにくい。
小さなミラージュマークの手描きが沢山あって愉しくなります。













 LED MIRAGE Ver.3 Inferno Napalm
         - レッドミラージュ 軽装版 編 -





■レッドミラージュ Ver.3本体について

インフェルノ・ナパーム仕様の撮影と並行して、レッドミラージュ単体での撮影をしました。
重装備になると騎体そのもののディテールが割と隠れてしまうので、MH自体の画像確認用で
す。出来上がった時点の感想は、「うーん・・・大きい」です。本当に1/100スケールなので
しょうか。


「しかし ここから見るレッド・ミラージュは美しいね まるでドラゴンに見える」(ルース閣







        


           正面 絶妙なプロポーション。










         


             右前 白と銀と朱色のMH。









          


                  右後。










■MHの各部位について

骨格たるフレームに、装甲を着込む形が基本となるモーターヘッドの鎧的意匠。
人型に組み立ててしまうと、見えなくなってしまうディテールが多いので、ここでは、頭部や
胴体、四肢類を一端分解して、個々に撮影した画像を掲載しています。

・・・などと用意してみたものの、あまり意味がなかったやふな(汗









          


頭部ユニット。
ヘルメット上面にはうっすらと内部フレームのシルバーが、そして左側面にはファティマシェ
ルのオペラカラーが透けて見えています。ソードホーンはメッキ調、モヒカンのカウンターウ
エイトはフレームカラーからガンメタリックのグラデーション塗装です。









             
          


胸部から肩、腕部位全体を取り外して。
ご覧の通り、結構透けすけで、インナーフレームの内蔵感が愉しめます。
一方、胸部装甲にある左右のビームリフレクターは、このキットでは本来、閉じ状態の設計で
すが、全然かっこよくなるので、真鍮線で小細工をして展開状態にしています。

2枚目の画像は、後方下から覗いたアングル。このように、MHはアンダーが装甲がら空きで
す。










          


美しいデザインのウエストアーマー周辺です。
レッドミラージュのそれは、MHのティピカルなデザインですね。










        


重厚かつ精密な設計・造形の脚部。惚れ惚れします。
フトモモの上辺に極太の真鍮線が見えますが、これが踵まで脚部フレームを貫通する形で、イ
ンサートキャスト成形されており、重量のある火炎放射器の砲身とタンクを装備しての自立確
保に役立っているわけです。

しかし、こんな細いフトモモに、あのイレーザーEgが入っているのですかね。
必殺ッ ミクスチャーブースト!








          


腰のスカートや脚部を真下から覗いたショット。
このようなアングルで見てもなお美しいのは、世界中のロボットでMHとGTMだけ。



               投稿者: K                                    No コメント