IIIKのモデラー三昧なフロク

  製作した模型のレポートです。
  このページは、フジミ製 峠シリーズ「ホンダ・サイバーCR-X」の1/24スケール模型を取り上げています。







         テーマ: サイバーCR-X
         日時: 2014年10月19日


1/24スケール フジミ 峠シリーズ サイバーCR-X






  「人生は 限られた時間に

      どれだけ自分の要求を満たすかが最大の目標だから

                   スピードが絶対に必要だ」(本田宗一郎)


フジミ製「1/24 CR-X 峠シリーズ」のキットを860円で買ってきて、サクッと2〜3日で作っ
てみようかなと発奮。正直書くと、タミヤ製のサイバーCR-Xのキットが欲しかったのです
が・・・ないない。
(タミヤさん、CR-Xはバラードとデルソルしかキット化してないのはどうしてですか?)

左右のドアに、当時の高性能車の証である「DOHC」とデカールされているのが時代を感じ
させますね。全体的な造形と作りやすさはいい感じのこのキット。フジミさんの例の「イン
チアップ峠シリーズ」なので、ホイールが15インチ仕様になっていて大き目の印象。

あと、古いキットだからか、ウインドウのクリヤーパーツの一部がちょっぴり割れていま
した(泣)  それにしても、完成したボディへウインドウ一体パーツの取り付けが、苦労させ
られるキットでした。
全体的に歪んでいてセットできないという。(汗)



 




さて、今回は模型の話そっちのけで、実車CR-Xについて。
なんとも潔いデザインで、CR-Xは好きなのです、ずっと。
この型式のCR-Xが現役(現行)で走っていた頃、乗れなかったから憧れといっても過言では
ないかも。
このクルマが発売された20〜25年前頃のホンダ車はみーんな好き。わたしもカッコインテ
グラ(笑)乗っていましたし。
そういえば、ハリウッド映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で大ブレイクした、
マイケル・J・フォックスさん、今どうしてるかなぁ。


往年のホンダ車って、独特のおしゃれイメージが構築されだして、若い女性にも注目を浴
びだしてきた時代だったかと思いだします。そして、一方でやはりエンジン屋さんのクルマ
なので、走り屋ご用達のイメージが常にありましたね。

あと、車種全体でメーカーを鑑みるとトヨタ車とかと比べて全般的にやっぱり安っぽいよう
な。車体もぎしぎし。ただし、同じ車種でも上位グレードになると、ボディのリインホース
メント(補強)もパネルレベルでしっかり行われていてやっぱりイイクルマなのでありました。


この頃の走り系のホンダ車ってわたしはブラックカラーが似合う印象がすごく強いんですよね。
シビックにしても、インテグラにしても、このCR-Xにしても、プレリュードにしても。。。

走りに興味がないドライバーからすると、ちょっと「ややこしそうなヤツが運転しているヤン
チャなクルマ」的なイメージがある感じでしたねえ。(笑)

それでも、1995年前後からは、同社の新しい走り系市販車両のイメージ・シンボルとなった
「NSX-R」や「インテグラ type R」が、1960年代(1966〜)に活躍したホンダF1「RA273」
にペイントされたチャンピオンシップホワイト(生成白)のカラーリングを纏って登場してから
というものの、ホンダの走り系クルマでも、白クルマが台頭してきて圧倒的に人気カラーにな
った気がしています。

すこし遅れて、一般的な車両では、ミニバン?の「ストリーム」あたりのTV-CMから、
「ホンダ車は白が似合う」イメージが社会的に定着したような個人的な印象があります。




 




さて、本題のCR-X。
昔乗っていたわけでもないので、特別な思い入れはないのだけど、気になる存在ってヤツ
でした。

だって、カッコイイから。ちなみにCR-Xの「CR」は、カー・ルネッサンス(革新・復興)の
意味らしい。クルマ好きな方なら、ご存じだと思いますが、ホンダのCR-Xは、初代の「バ
ラード・CR-X」、2代目の「サイバー・CR-X」、オープン・スポーツに趣旨換えした3代目CR-X・デル
ソル」、といった変遷というか系譜があります。


CR-Xで人気を博したのは、初代のバラードスポーツ(デビュー当時、久々の本田スポーツだ
った。人気少年漫画『よろしくメカドック』や『バリバリ伝説』にも登場してヒットに拍車
かけた。)と、このサイバーCRX。作例のがそうですね。そういえば、20年前頃の元カノが、
CR-Xのカッコよさに惚れて、親に「これ買って」とせがんだところ、「ヤンチャすぎる。
女のコの乗るクルマじゃないからダメ」!と、却下されたという話を思い出しました。

で、この頃の日本車のマーケット・業界というのは本当に忙しなくて、発売から2年でマイナ
ー・チェンジ、4年でフルモデル・チェンジというサイクルが普通でした。日本人は2回目の
車検の前後、つまり5年以内でクルマを買い換えるという習性の市場動向に合わせた自動車メ
ーカーサイドの新型車販促のための開発スパンの結果だったのでしょうね。


ところで、今回の作例のフジミさんのキットは、サイバーCR-Xの中でも前期型のタイプ。
カーモデルというのは、新車の発売に合わせてキットが企画・製品化されるから、だいたい
そうなる。
グレードは、最高峰のホットモデルの「Si」で、まだV-TECエンジンが市販化されていなか
った1980年代末にして、ホンダの名作1.6リッター「ZC」エンジンを搭載したカッとび仕
様なのでありました。
全長3.8m、ホイールベースはたったの2.3m!というコンパクトボディ、900kgという軽い
車重に、ネットで130馬力のハイパワーは、必要充分で本当に素晴らしいスペックでしょう。
峠で走らせたら最高に愉しいライトウエイトスポーツ。



そして、サイバーの後期型になると、いよいよ先行してカッコインテグラに搭載されていた
V-TECエンジンこと「B16A」の搭載で、1.6リッターの排気量のまま、自然吸気ながらネ
ット160馬力を達成した最高峰グレード「SiR」が登場!
CR-Xは稀代のスーパー・ライト・ウェイト・スポーツへとドラスティックに進化を遂げた
のでした。




           



この画像は、そのサイバーの後期型のカタログで、当時のベルノ店でいただいたもの。
もう、擦り切れるほど見ていますね。「V計画、核心へ。」のあまりにもセンセーショナル
なコピー・・・つまりV-TECエンジン搭載の内容にしびれて。(この頃のアナログ編集なカ
タログの方が、今のカタログよりずっと訴求力があると感じるのはわたしだけ? こうした
ご大層なカタログがディーラーへ行けばタダでもらえるのだから、日本人ってやつは本当に
幸せなのです)

ただ、後期型のSiRに搭載されたV-TECの「B16A」エンジンはちょっと重くて、フロントヘ
ビーというウエイトバランス悪化と車両重量増を招き、結果的に「Si」グレードと、速さ的
にはそんなに違いはでなかったと思っています。


 サイバーCR-Xの前期型と後期型における外観上の相違は、マイナーチェンジにありがち
な、まずフロント・リアバンパーの形状変更ですね。とくにフロントバンパーは後期型にな
って、インテーク・グリルが追加になったり、ターンシグナルランプが立体的な造形になっ
たりで、後期型の方がカッコイイ。

細かいところでは、ヘッドランプや特徴的な横一直線になっているリアコンビランプ・ガー
ニッシュ一式も、後期型で多少上下の長さが短くシャープなイメージにされたらしいですが、
あまり気づかれないようです。あと、ルーフパネル部分が前面ウインドウガラス仕様の「グ
ラストップ」というのもありました。


一方で、前期型の方がカッコイイと思えるのが、ボンネットの形状です。作例の画像を見て
いただければわかると思いますが、前期型のボンネットは前から見て中心が一段落ちたスポ
ーツカーらしい凹形になっているデザイン。で、中に納まるエンジンの一部のでっぱりに併
せて、左側のパワーバルジの造形がスポーツカーらしくあって、なんともその気にさせてく
れる妙。
これが、後期型になると、ボンネットの形状は前から見て中央が一段盛り上がった凸形の意
匠に変更。
これは、腰上が大きなB16Aエンジンを搭載するためのエンジンスペース確保のための措置
だったのかもしれません。これはこれでソフィスティケートされたデザインで好きなんです
けどね。
とにかく、この当時のCR-Xやらシビックのエンジンルームは、都会の満員電車並みに本当に
超ぎちぎ
ちでしたから。。。



CR-Xは、同格車種ともいえるホンダの主力車種「シビック」とフロント内部構造、シャシー
・コンポーネントを共用している車でした。それでもシビックより、ほんの少し軽量だった
り、ホイールベースも短く(軽自動車並み!)、デザイン的にも洗練されていて、よりスポー
ティな雰囲気を持つ特別なクルマだった訳です。このショートホイールベースの概念は、ま
さに和製ランチャストラトス(ウルトラコーナリングマシン!)、といったところ。

CR-Xの意匠で、もっとも評価されるべき箇所(部位)は、やはり車体リアを上からスパッと切
り落とした潔いデザインでしょう。横から見た、この美しい弾丸フォルムにして流線型の姿
を、ホンダでは「ティア・ドロップ・シェイプ」と呼んでいました。

これは実は、「コーダ・トロンカ」スタイルといって、1960年代イタリアのアルファロメオ
の幻の名車「TZ-1」、「ジュニアZ(ザガート)」、フェラーリの「ディーノ」などで、空気
抵抗の軽減が図れるフォルムとして開発・採用されていたボディ(コーチ)ワークの手法。

このことを知らない、日本の多くのCR-Xファンのひとは、「このクルマのデザインには、
有名な海外のカーデザイナーが参画しているという噂がある」と認識しているようでもあり
ます。初代CR-Xバラードにしてもサイバーにしても、アルファのジュニアZとリア周りのデ
ザインが本当にそっくりで、正直パク○としか思えないのです。
同様のケースでは、2代目のトヨタMR2のリアウインドウのデザインなんかが、フェラーリ
・ディーノの模倣ですね。

でも、サイバーCR-Xについては、それでも評価点があって、クルマのお尻が持ち上がった
デザインになってしまうコーダ・トロンカに対して、後方視界確保のために、リアガーニッ
シュの上部パネル位置に「エキストラ・ウインドゥ」という窓ガラスを独自採用したことが
挙げられます。作例でも、クリヤーパーツになっている部分なので、どこの箇所かわかると
思います。

初見で誰がみても、「このクルマ、後ろがまるで見えないだろうなぁ・・・」と感じてしま
うものですが、いざオーナーになってみると、エキストラ・ウインドゥのお陰で、あながち
杞憂になってしまうことも多いという訳です。(夜はダメみたいです) 


コーダ・トロンカは日本車では同じホンダでハイブリッド車両の「インサイト」と「CR-Z」
がそうだし、ここ数年売れに売れまくっているトヨタのプリウス・カーも3世代すべてが、
ハイブリッドらしいインパクトと斬新さを狙ってかコーダトロンカ・スタイルそして、エキ
ストラ・ウインドゥを採用しまくっています。



あと、CR-Xの与太話としては、狭いリアシート。「1マイルシート」とホンダで名づけられ
たように、一時的に1.4kmほど人を乗せられる程度の座席機能でしかない。犬(ワンちゃん)
でもまいるから、ワン(犬)マイルシートなんていわれたほど。 (=^m^)クスクス



ところで、CR-Xについてのグローバルな話も書いておきましょう。
みなさんは、世界中のカー・ジャーナリストの頂点に立つお方ってご存知ですか。知らない
と、クルマ好き失格ですよ〜 (いいすぎ)。

世界中で最も尊敬され、愛され、何よりその評論が高く評価されている神様のようなジャー
ナリスト、ポール・フレールさん(故人)です。もとトップレーサーという経歴も見逃せません。
自動車界のクリント・イーストウッドさんって感じでした。

昔から、『カーグラ』とか読まれている人はよく知っておられる御仁かと思いますが、フレ
ール氏は、これまでよくインプレッションを書かれていたフェラーリやポルシェより、ホン
ダから供給された「サイバーCR-X SiR」のすべてに心酔し、15年以上も愛車として所有して
おられました。
このことを、日本のホンダファン、CR-Xオーナーの皆さんは、とても自慢していいと思いま
す。嗚呼、ポール・フレール様に「フェラーリやポルシェより佳い」といわせてしまうサイ
バーCR-Xは、やっぱり凄いクルマなんですねぇ。




   



まだまだ、CR-X関係の話を書きつづけてしまおう。 (さすがにながいな…笑)

ホンダのFFに対するこだわりについて。
今もそうですが、昔からホンダ車というのは、こと走りに関してはすごい!
たとえば、V-TECエンジンはこの場で語るまでもない、他の自動車メーカーの追随を許さ
ない無敵のNAエンジンだし、足回りもボディもしっかり設計されているから(上位グレー
ド系のこと。廉価車除きます)、コスト・フォー・バリューで見た場合、走りのドライブが
好きなひとにはお得な内容です。

これはこれで歓待したい自動車メーカーの姿勢だけど、それでもまだ、当時免許とりたて
で、クルマを疾ばすのが好きだった若かりし頃の自分には、いくつかの不満がありました。
 「これだけ、素晴らしいエンジンと足回りのクルマを作れるメーカーが、どうしてより
ファン・トゥ・ドライブなFR(後輪駆動)の市販車をださないのか。どうしてFF(前輪駆動)
にこだわるのか・・・」と。(この頃はS2000はまだ登場していません。)

その頃は、ドリフト走行が流行っていたので、クルマ好きのひとは、やはりFRの方がいい、
走らせて面白い、と考える傾向が依然あったと思います。実際、他社メーカーには、2リッタ
ー以下のクラスでFR車はありましたし。



しかし、理由は当時から知っていました。
何かの雑誌で読んだことがある、当時のミスター・ホンダのコメントはこうでした。
「安全のため」だと。
「自動車というものは、大変危険な燃料(ガソリン)を積んで走る。ホンダが得意とする小型
車の部類では、燃料タンクのレイアウトはかなり制約を受けることになる。フロントエンジ
ンからパワーをリアの駆動輪に連絡するためのプロペラシャフトとリアアクスルを装備する
FR車では、車体の一番後方となるトランク部分真下に燃料タンクを配置しなければならなく
なる。これでは、追突事故の場合、火災が発生しやすい。」
カーユーザーの命を預かる自動車メーカーとしては、そんな危険性を看過してクルマを設計
するわけにはいかない。「だからFFなのだ」と…。


実に、よくわかる話でした。小回りがきくメーカーらしい意見とも思いました。
このコメントを読んだ当時、クルマを運転しながら、よく前方を走る車両のトランク下を見
てしまうクセがついたものです。そして、実に燃料タンクが車体の真後ろにレイアウトされ
ているクルマが多く現存していることを知りました。


そういえは、かのバブル時代に登場したホンダのオープン2シーター軽自動車「ビート」では、
ミッドシップでありながら、カタログやCMのコピーに、一言もこのクルマが「スポーツカー」
とは謳っておらず、「アミューズメント・カー」となっていた記憶があります。

しかし、やはりというか、こうした理屈の一方で、ホンダがFFに拘りつづける根っこの部分に
は、やはり「速さへの追求・拘泥」があるのだと当時から確信せずにはいられませんでした。

「押しクルマ」(FR)と「引きクルマ」(FF)、どちらが速い? という真贋論は車種や走る場所
によっても変ってくるでしょうし、難しいことは、カー雑誌に寄稿しているような自動車評論
家の方にお任せしますので、ここはわたしの独断(と偏見)での類推をば・・・。勿論、わたし
はFF至上主義者という訳ではありません。FRだって4WDだって好きです。

とくに小型車の場合、まったく同じスペックをもつエンジンを搭載したFR車とFF車だと、FR
の方がドライブシャフトとリアアクスルがある分、車重が重くなるし、フリクション(摩擦抵
抗)ロスも増えます。またFRではエンジンを縦置きにする必要があり、駆動系を含めてシャシ
ーレイアウトに制約ができ、この結果、車両そのもののデザインや室内空間にも多少のデメリ
ットをもたらします。

ここらへんが、どこのメーカーでも25年前頃を境に、小型車のカテゴリーではFR車が廃止さ
れていった経緯・事由の柱の部分ではないでしょうか。往年のハチロクのレビン・トレノとか
惜しいですね。
全体の10%にも見たいな走り好きのドライバーのために、現在のトヨタ・ハチロク、マツダ・
ロードスターのように比較的小型のクーペかオープンカーのFRスポーツが新規開発され市販
される可能性はもうほとんどないでしょう。というわけで、走りのホンダ車の真骨頂は、や
はりライトウエイト精神、コンパクトボディ、インフィールドに強いNAの高回転型パワフル
エンジン、ケチっていない足回りなどにあると思うのです。



ところで、今なぜこんなにもわたしが記事を書きまくったかと吐露しますと…。
2015年はホンダの年になりそうで、ワクワクしているからであります。
1月か2月にはビートの直系後継であるS660がでます。それも、わたしが好きになれないS2000
やCR-Zなどに散見されたカモノハシちっくなフロントフェイスの意匠がようやく改善され、
高級感とカッコヨサが共存するナイスデザインで! さらにワイドボディ、パワーアップ版の
S900(S1000)も発売されるそうではないですか! もういてもたってもいられません。(嬉)
とどめに来秋にはニューNSXも販売発表に。その後はニューCR-Zもが満を持して待ちかまえ
ているという無敵の三段論法のすごい展開。

プリウスカーに惨敗を喫したインサイト、深いメタリックレッドに高級感のあるフロントフェ
イスデザインを完全に定着させたマツダカーなどに、やられっぱなしのホンダがいよいよスポ
ーツ部門では巻き返せるかもしれませんね。

…でも、そんなブランニュー・ホンダスポーツ以上に、ずっと好きなのが今回のサイバー
CR-Xでありつづけるであろうことがわかりきっている私でした。
(若いころに体験したものを超えることはそうそうない、という話。)




               投稿者: K                                    No コメント