IIIKのモデラー三昧なフロク

  これまでに完成させた作品です。
  このページは、アクアGM(ガンダム)の模型を紹介しています。







         テーマ: G作戦 アクアGM
         日時: 2014年11月11日

連邦初の水中用MS アクアGM
G作戦 1/130 アクアGM ガレージキット





          


                 R A G - 7 9




■80's MSVは懐かしくなんかない

アクアGM完成しました。
最初は、「世界一のアクアGMに仕上げてやるぞー」などと息巻いていたのですが、あまりのキットの手強
さに一時はどうなることかと(汗)可動仕様のガレージキットは扱いがむずかしいです。


それにしても苦労した甲斐あって、完成の感動もひとしおです。アクアGM、素直にカッコイイです。大河
原デザインの真骨頂ここにあり!って感じがします。

工作でも時間がかかったダクトフィンや機体各所に記された小さな三角マークって、80年代の大河原先生
のメカ独特のものですね。

下手にMSVにならなかったマイナーMSだから、懐かしいどころか、わたしには今観ても新鮮なデザインに
思えます。ゲームなどをされる方にとっては、結構知られたMSらしいですが。


サプライズ工作(と書くほどでもない)は、キットに武器の付属がゼロで寂しかったので、アクアGM専用
武器のビームピックと、専用握り手をHDM加工で用意しました。やはり武器があるのとないのとでは、全
然雰囲気が違いますね。あと、水中メガネのデザイン最高です♪


最後になりましたが、このような素敵メカキャラクターのキット製作の機会を下さったご依頼主様、本当
にありがとうございました。








              


         何という線の多いデザインなのでしょう。
         青色が目に染みます。エース機みたい。









             


       細々としたオレンジイエローがアクセントカラー。全
       身のスジボリ彫り直しています。ヒザと足首横の円
       モールドの3ポイントマークのケガキに腐心の苦心。










              


         連邦軍には水中用MSがなさすぎると。





■塗料・仕上げについて

今回の製作は、大河原コレクションの設定準拠。
カラーリングは、そのイラストのイメージに合わせる形で彩色しています。コーション系のデ
カールは今回はなしで。


機体基本カラーの水色は、エスペオリティブルーとホワイトグレーによる調色。胸部などの濃
いブルーの方は、コバルトとインディ両ブルーのティンティングで、発色と透明感のある色合
いにしています。


アクセントカラーになっている機体各所のダクトフィンは、やはり調色で作ったオレンジイエ
ローです。ビームピックの先端と背中の一等大きなフィンの後端のパーツだけはシャインレッ
ドの配色になっています。大河原先生の色使い、流石です。


オフホワイトに塗る箇所は、イラストをじっくり拝見して判別し、できるだけ細かく塗り分け
ています。たとえば、鼻面のところだけとか、エリの内側とか。


水中メガネの部分は、手持ちのオレンジメタルカラーの反射シールを、ドンピシャのサイズ・
形状に切り出して貼っています。普通にソリッドカラーで塗るよりずっと存在感と表情がでま
すよね。


あと、アクアGMを作られる誰もがきっと苦労させられるのが、ヒザ前部分に記された水色の楕
円模様が横に並んだ意匠のところ。キットには当然のように、塗り分けのガイドラインとなる
スジボリさえなかったので、同色に塗った極薄シールをきれいにカッティングして貼付してい
ます。位置決めに有利な方法として。







           


         ベストアングルというか、オキニの一葉。
         ダクトフィンの整列感が気持いいですね。








              


        背中のフィン下の赤色の丸いでっぱりは何の機能?










                     (ここから下は、製作レポートのコンテンツになります。)




      深青に潜む試作機
   −アクアGM ガレキ製作レポート−





      


       R A G - 7 9                フィンが雰囲気あります。




■MSVになれなかった幻の機体

時は1980年代初頭。
世は、社会現象までになったガンダムプラモデルでキャラクターモデルが一世を風
靡。。。

ガンダムのプラモデルを製品化すればするだけ売れた時代の中、MSV(モビルスーツバリ
エーション)の登場はあまりにも自然すぎる成り行きだったのかもしれません。この頃、
一番忙しいというか嬉しい悲鳴をあげていたのは、大河原邦男先生だったのかもしれませ
ん。


さて、今回のお題はアクアGM(アクアジム)です。MSVネタの大河原コレクションとし
て、大河原先生によるイラストやスペックの設定が存在するものの、不幸にもガンプラ
MSVとしてのラインナップから漏れてしまったが故に、世間一般的にはMSVになりえなか
った不遇のモビルスーツです。


しかし、ちゃんと見直すと流石は大河原先生というか、かなり味があってカッコイイMSな
のです。

昔の設定資料を紐解くと、形式はRAG-79でやはりジムの系譜。ジオンの水中型MSに対抗
するため急遽開発された水陸両用試作型MSという位置づけらしいです。

突貫で開発されたため、各所のバランスがわるく扱いにくい機体として、量産化の軌道に
は乗らなかったようです。


一方で、このアクアGMは再設計がなされ、エースパイロット向けにチューンナップされた
「水中型ガンダム」の原型にもなった訳ですから、あながちその存在は無意味ではなかっ
たのだと思います。


MSVは、もう遠い昔のシリーズ。このアクアGM、キット化としては一生陽の目を見ること
はないだろうとされ、人々の記憶から完全に忘れ去られて。。。随分と歳月が流れまし
た。


しかし、そのアクアGMを、ガレージキットで立体化された漢が現れたのです。そう、
2005年のキャラホビにて、G作戦というガレキメーカーからわずか15キットの限定販売と
いう形で。1/130スケールで、販売価格は9,000円でした。


その希少なキットが今手元にあり、こうして完成されるのを待っています。
このような希少なメカキャラクターにして貴重なキット。これは丹精を込めて製作しなく
ては。20ン年来の万感の想いを込めて。・・・ご依頼で製作させていただくキットです。
実に感慨深いアイテムです。









■こういうのが本来のガレージキットでは

まだ製作の途中ですが、キットの印象について。
G作戦さんというメーカー(ディーラー)のガレキは初めて扱わせていただく形なります。
HJ誌のホビキャラ2005年のレポート記事で、G計画と記載されていましたが、正しくはG
作戦です。カトキ先生風のスタイルがもてはやされる昨今、往年の大河原先生の画稿のテ
イストによる造形を追究されている漢組なのです。


同グループのガレキは、ボークスや海洋堂、ウェーブといった有名どころの企業色が強い
ガレージキットと異なり、まだどこか個人の手作り感や人の温かみが感じられる品、とい
った印象があります。


キットの構成や造形的な感想としては、原型師(ウチダハルユキさん)の熱意と意欲が強
く伝わってくる秀逸な内容です。ひとつひとつのパーツの造りを拝見していると、ホレボ
レします。

B社を考慮してか、1/130スケールという独自性を感じさせるスタンスですが、便宜上のこ
とで1/144スケールと考えても違和感はないようです。


特筆すべきは、このコレクションスケールのガレキにして、全パーツ数83という多さ(滝
汗)。このキットはフル可動仕様になっており、関節に用いるポリパーツなどを足すと
100を超えます。つまり、かなりの本格仕様のガレージキットということです。


これだけパーツが細分化されている背景には、アクアGMというカラーリングが複雑なMS
であるため、塗り分け作業が大変であろうユーザーに対する配慮ともとれます。実際、パ
ーツ分割は、かなり塗り分け区分と一致しています。


一方で、ちょっと残念に思えたのは、キャスト・抜きの精度です。充分合格点なのです
が、今の時代の精度からすると、けっして高い水準にある成型とはいえないレベルです。
緻密な細部のディテールに対して、キャストの品質が追いついていない感じがします。ま
た仕上げの塗装に入れるようになるまで、表面処理に何日も眠れぬ夜がやってきそうで
す。。。


キャストパーツの素材色からして、抜きは業界最大手のベルクさんでしょうか。ガレージ
キットとは、本質的に製作・完成しにくい性質の模型です。ガレキを購買されたユーザー
の製作の労苦が少しでも省けるなら、コスト(=キット価格)が高くなっても、キャスト
成型は最高品質であってほしいと、ついつい作り手側の勝手な考えをしてしまいます。
(+。+)


そうはいっても、マイナーなメカキャラクターのキットですし、安くしなければ売れない
し、といろいろ商売としては難しい問題なのでしょうね。実際、9,000円でこれだけの内
容のキットを製品化・販売をされたG作戦さんの努力には、畏敬の念を抱かざるを得ませ
ん。


それにしてもこのキット、作るのが結構テク要ります。可動仕様であることと細かいパー
ツが多く、中・上級モデラー向けだと思います。ここら辺は、「アニメで動かす」といっ
た制約がない前提で細部を複雑にデザインされたMSVだからこそ、ということもありま
す。


既製品のプラモから流用しなければならなかったり、自作せねばならないパーツが少しあ
ります。また、関節可動に関する部分は、「コトブキヤ」の別売りのポリユニットシリー
ズの購入が必要です。


最近は、大手メーカーがてがける高額で最高品質のガレージキットばかりを扱う機会が増
えたせいか、80年代中・後期にあった手作り感・未完成感いっぱいのガレージキット本来
の意味を忘れつつありました。今では、ほとんど個人の業者が製作されたこうしたガレキ
でも、これほど(昔と比べて)作りやすく造形に満足がいくレベルの製品となっているの
ですから、やはり佳い時代になったというべきでしょう。


さて、ご依頼主様から承った今回の製作コンセプトは、一言でいえば「設定準拠」です。
大河原先生が描かれたイラストのイメージで仕上げることです。いつもみたく勝手にディ
テールアップとかパーツの情報量を増やすような工作や塗装をしてはいけません。コーシ
ョン系デカールもカトキ立ちもNo! なのです。さてさてどうなりますことか、暖かい目で
見守ってください。









         


■頭部・襟モジュール

上述の通り、小スケールながらパーツ数が多い構成で、頭部だけでも、かなり色分けに配
慮されていてGoodな印象です。勿論造形もいい。したがって画像は、かなり組んだ状態で
す。


意匠としての注目点は、潜水夫のように大仰な海中メガネ(笑) 残念ながら、左側面が破
損していたので薄いプラ板で補修工作をば。ガレキにはよくあることですね。


メガネの表面は残念ながらクリヤーパーツ製ではないので、レンズ部分に貼り付けるクリ
ヤーパーツを切り出しで自作しました。ペットボトルなどの塩ビ品から(塩ビは薄くてよ
い)。フィッティングのことも考慮し、平らではなく微妙に湾曲している素材から切り出
すことが肝心です。手前のマスキングテープに着けて撮影したものの、透明ゆえ写りにく
いです。


でも、実際にカメラ部位を塗装してみて、チャチかったりオモチャっぽかったりの印象だ
と、採用しないかも知れません。その際はまた別の手法を。


ザクよろしく口?からはえている動力パイプみたくのは、継ぎ目のラインが入らず、ぬめ
っとした感じのチューブっぽい造形のパイプ。ここがジオン製MSとの相違? 水中用ガン
ダムも同じです。あと、抜きの問題で、モヒカンの後部がごっそり欠けおちていました。
慌てず騒がず、パテで造形します。(∇^〃)フフフ


首は、ご覧の通りボールジョイント(以下、BJ)で可動。組み立て説明書の指示では、受
け側はコトブキヤのポリパーツを仕込むように書かれていますが、それでは仕込みの固
定・安定性にかけるので、イエローサブマリン製の関節技の硬質な樹脂製の受けパーツを
セットしています。








         


■頭部モジュール 追加

後になってから気付いたのですが、アクア・ジムの頭頂部(モヒカン)には、不思議なデ
ィテールがあります。潜望鏡のデバイスとか? それともダクト? しかし、このような
箇所にスラスター関係は意味をなさないし・・・サイドカメラというのが妥当な線でしょ
うか。


まあ、正体の方はおいておいて、この箇所についてのキットの造形解釈が、ちょっとおか
しいのです。キットのパーツでは、ひとつ上の画像を見ていただいた通りで、橋ゲタか溝
のような形をしています。


しかし、大河原先生が描かれたイラストを具(つぶさ)に観察すると、この画像のよう
に、左右で独立したダクトノズルのようなスタイルになっているのです。

とりあえず、設定準拠の製作方針なので、モヒカンの窪みをプラ材などで埋めて、左右の
小さなダクトをプラ板で工作しました。

本当に小さいパーツで、オールピンセットでの作業になります。工作・マウントのポイン
トは、ダクトの口がやや上を向いているところです。こういう設定なのです。








         


■胸部・腹部モジュール

ここもパーツ分けが結構細かくて、塗装の際マスキング作業をいくらか軽減してくれそう
です。画像では半ば組んでいますが、胸部と腹部のパーツも別構成となっています。G作戦
ならびに原型師さんの親切な販売姿勢が伝わってきます。


造形もシャープかつセンスのよいまとまり具合。今風の胸部が小さくて腕や足が長い末端
肥大的なスタイルではなく、ちゃんと80年代の黄金MSスタイルを踏襲されています。


肩口の部分は、メカニックな雰囲気にアレンジされています。キットのままだと黎明期の
ガンプラ同様、関節軸を差し込む形での単純な一軸回転の関節になってしまうので、自然
なポージングがとれるよう、BJ関節に変更。そのため穿った大きな穴が、肩口に確認でき
るでしょうか。


手前の細々としたパーツは、胸部の前天面、前面、前底面に貼り付けるダクトパーツ類な
ど。ここらへんも別パーツにしてあるのがGood。








         


■腰部モジュール

腰周辺のパーツを展開した画像です。一見、最近のガンプラのHGUCキットのようです
が、実はその通りなのでしょう。


このガレキは、おそらく「HGUC ジム」などをキットをベースに造形されたものではない
でしょうか。パーツの裏面などを見ると、そこかしこにガンプラのスナップフィット構造
などのコンパートメントの跡がそのまま残っています。インジェクション押し出しピンの
跡まで見える部分もあります。

腰フロントアーマーの可動軸の構造なども、ほぼHGUCそのままといった印象です。左右
アーマーくっ付いているところまで。(勿論切り離して独立可動にします)


腰のサイドユニットは独立可動式になっていて、画像のようにジャンクパーツから、あり
あわせのポリパーツを取り出し加工して、画像のようにスティディにセットします。

プラモデルと違って、脆いキャストパーツなので、可動タイト性の擦り合わせは、時間を
かけて慎重に行っていきます。割れたらイッカンの終わりですから。


あと、このキットには腰サイドユニットに装備する「ビームピック」(ビームサーベルで
はなく)のグリップ部分×4本が付属していません。これは、ある意味正解だと思います。

こういう真円柱形の小さいパーツって、たとえベルクさんによる最高峰の成型技術を駆使
しても、型がずれたり、楕円になったりで、結局整形処理にかなり時間を費やされるか、
使えないかですから。(^x^;)


説明書には自作せよとの記述がありますが、HGUCガンダム試作1号機(ゼフィランサス・
フルバーニアン)のキット2つ分から流用・加工しています。いろいろ合わせてみました
が、ゼフィランサスのサーベルグリップが、モールドといい長さといい、ちょうどマッチ
ングがよかったので。









         


■肩部・腕部モジュール

関節ギミックが内包された腕全体。ここも、ガンプラキットの構造が結構そのまま踏襲さ
れています。ただ、材質としてのプラとキャストでは堅さや丈夫さが違うので、その点を
考慮してポリ関節パーツを仕込んでいく必要性があります。


肩(上)から、書いていきましょう。
デザイン的にも目がつくアクア・ジムの大きな肩ユニット。何やら魚雷ポッドらしい部分
といったところでしょうか。組み立ての構成としては、後腕から伸びている肩関節軸を所
定の穴に通すだけの固定方法となります。

内寸法がぴったりなので、これでグラグラしません。胸部と面する表面はフラットな造形
であまりにあっさりしているので、市販のモノアイカバーパーツを加工、リングとして取
り付けることにします。


肩関節軸のBJはこのようなスタイルです。基本的に柔らかくて軸がぐらつくポリ製のBJ頭
は肯定できませんので、硬質樹脂製のBJを使っています。( ^_^)

ヒジ関節は、ポリ軸を仕込む一軸関節の仕様です。

手首もキットではポリ軸を仕込む一軸関節仕様なのですが、一応BJ式に変更です。手首パ
ーツの握り拳の造形は、とてもよくできています。前腕と手首パーツの間には、隙間隠し
として市販のディテールアップパーツを加工、リングにしてセットします。

これは一応設定準拠なのです。このページのトップの全体画像を見直すと、リングの高さ
が少しあるようなので、3分の2くらいまで薄く削りこむことにします。


それから、すべてのキャストパーツにいえることですが、残念なことに基本的にほとんど
のモールド・スジボリラインが埋まり気味なので、すべてエッチングソーなどでコツコツ
と彫り直しをしています。ここらへんの地道な作業は、時間を費やす分、仕上がりでかな
り差が出てくることになります。









         


■脚部モジュール その1

視覚的情報量がかなり多いアクアGMの脚部。デザインとしての見せ所でもある訳です。キ
ットは忠実に再現されていて、ある意味ホレボレする造形です。


このレポートページにおける上から2番目の後姿全体の画像を見てもらえばわかりますが、
水中行動時の方向転換や姿勢制御に必要なフィン類の造形も秀逸です。薄くて、固定のた
めの真鍮線を通すのが、ちょっとドキドキですが(汗)


この画像の通り、足の裏の造形も繊細で凄いことになっています。カカトについている6枚
の小さなフィン(整流板?)は、大河原先生のイラストにおいても確認できるもので、こ
の水中用MSの見所のひとつでもあると思える箇所です。


さて、今回の製作の見せ場のひとつは、プラ板によるスネ部分に装備されているダクト系
フィン類の工作です。アクアGMには、スネ側面の外側と後ろ側に水中行動メカといわんば
かりに、このような意匠のダクト系フィンがふんだんに付いています。


ただ、キットでは、ここらへんの造形がイラストの設定と形状や向きが違っていたり、後
ろ側にいたっては造形されていなかったり(説明書に自作の指示あり)と、ちょっと不満
のある部分です。(;;@益@)ウーン

今回の製作方針は設定準拠ということもありますので、ここらへんは丁寧に造り起こして
いきます。また、ダクトのフィンといったデザインパーツのディテールアップ工作は、完
成時、模型としての精密感を増すためのよいアクセントポイントとなります。


このフィン工作で大切なのは、フィンを仕込む穴を脚部にきれいに彫りこんだり、一枚一
枚サイズや形状が違うフィンを切り出すことも勿論大切なのですが、肝心なのは各々のフ
ィンを定位置に規則正しく、それらしい角度ですべてを確実にセットすることです。

配列がくるっていると不細工に見えますから、時間をかけて慎重にひとつひとつ形作って
いくのが、気が長いようで実は完成までの近道だったりします。








         


■脚部モジュール その2

脚部周辺のコメントをもうひとつ。可動ギミックの方の説明です。
画像の通りドラスティックな可動範囲を確保しています。腰部位に懸架するアーマー類、
アンクルアーマー(足首カバー)を取り付けていくと制約がでてきて、ここまで大胆なポ
ージングはできなくなりますが。


ヒザの仕組みは、腕部のヒジの内容と大差ありませんので割愛。
股関節について、ガンプラの大き目のBJ軸による関節構造とまったく同じ構造です。フト
モモパーツ上部内側に仕込む受けのポリパーツは、手持ちのジャンクから最もドンピシャ
でマッチしつつフィット性と固定・安定性が確実な品を選別して使っています。


所謂、大河原立ちや、足をハの字に広げた姿勢での威風堂々の素立ちの際、フトモモの上
辺内側がフンドシパーツと接触・干渉するので、そうした当該箇所は削り込んで処理して
しまいます。


目玉は、足首関節の方です。
キットでは、BJ軸が足首パーツとキャスト一体成型になっていたのですが、すぐ折れる可
能性があるので、切りとばして、最も信頼性の高いイエサブの関節技のBJ軸と受けパーツ
を移植しています。この工作があって初めて画像のような足首のフレキシブルな可動が成
立します。








         


■バックパック

MSVの時代は「ランドセル」と呼ばれていた部分。水中潜行用のバックパック・ユニット
ですね。推進と魚雷搭載・発射の両機能がある設定のようです。


キットのパーツはご覧の通り、シャープな造形でなかなかよいです。もちろん、表面処
理、整面・面だし、スジボリ彫り直しをした後の画像なのですが。ただ、難点をいえば、
双胴になっているデザインに対して、サイズや形状の左右のシンメトリーがずれてしまっ
ていることです。


パーツ構成は、こちらも塗り分けが考慮されているのか、割と細分化されています。こち
らで用意したディテールアップパーツやフィンを別にして、6パーツによる構成。ガレキに
はよくあることで、大きい方のバーチカルフィンは結構曲がってしまっていたので、お湯
で元通りにしました。


グレー色のディテールアップパーツは、キットのパーツのダクト部分が繊細すぎたのか、
ひしゃげるように潰れてしまっていたので、やんごとなく切り落として市販パーツに換装
しています。


あと、メインジェットノズルの部分は、設定イラストだと片方でフィンが4枚付いているの
に、キットでは、ノズル奥の底面がフラットでスジボリの平行線が走っているだけの造形
だったので、上から後付けできる形で、フィンをプラ板で作ってみました。深さが稼げな
いスペースだったので、ちょっと訴求が弱いでしょうか。ここら辺は、塗装のテクで上手
に見せるようにしましょう。








         


■バックパック 追加

後になってから判明したのですが、双胴タイプになっているバックパックの後部について
いる小さなバルジのような三角のでっぱりの箇所(サブスラスター?)について。


ひとつ上の画像ではディテールアップパーツで処理していましたが、設定イラストと見比
べると、かなり形状に相違があるので作り直しました。

つまりは、ここも内部フィンが主張するデザインなのです。もとの部分は、根元から切り
とばして、三角のでっぱりのサブスラスター全体をプラ板でスクラッチしました。

外側は簡単な構成ですが、内側に入る3枚ずつのフィンが小さくて、工作に少し苦労させら
れます。でも、やはりやっただけ外観性アップに貢献するポイントになったかと思いま
す。

単純な箱組みに見えないように、エッジの部分は落として、設定通りC面に整形していま
す。


ちなみに、メインスラスターの方は、スクラッチしたフィンを取り除くと、もとの形はこ
んな感じの造形です。やはりフィンのある仕様の方がそれらしいと思うのです。

それにしても、このメインスラスターの左右のサイズ違い。どう見ても右側が長いです
ね。








         


■円モールド

Ζガンダム以降のモビルスーツは、基本的に内部骨格メカであるムーバブルフレームが採用
されていますが、ファーストガンダムの時代のMSはこれを持たない外骨格関節機構のデザ
インになっているんですよね。ガンダムやザクを始めとするモビルスーツのヒザやヒジに
散見できる円形の出っ張りモールドがそれを象徴しています。


換言すれば、ファースト世代のMSのキットを扱う際は、こうしたオリジンなポイントは丁
寧に仕上げていきたくなる部分でもあります。

今回のキットでは、残念ながらこうした円モールドは、結構簡略化されてしまっていま
す。ここも新たに造りお越さねばならないようです。


キットには、この画像の上の方にふたつテカって写っている、中央に平行線が走っている
円モールドが10個くらい付属しています。ですが、このデザインの円モールドは、頭部の
耳の箇所に該当するだけで、他にはレイアウトされていません。これを、他の関節モール
ドにも使えというのですか。。。

ヒジ関節は、基本的にノッペラボウの円モールドデザインなので、作るにしてもとくに問
題なし。


対して、ヒザと足首関節の横にくる円モールドのデザインは、円の表面外周の3箇所に等間
隔の配置で小さな台形のスジボリがアクセントで入っている仕様です。これがキットには
ありません。付いていたのは、画像右側に写っているような、中途半端なスジボリが入っ
ているパーツだけ。しかも、サイズも数もおかしい。パーツの入れ間違えでしょうか。


仕方がないので、キットのパーツの並行線スジボリを埋めるなり、市販のディテールアッ
プパーツの円形のものを裏返しにして角を落とすなりしてから、チマチマと3つの台形スジ
ボリをケガいて用意したのが、画像中央に写っているパーツです。


自分で書くのになんですが、ヒザ関節向けに用意したグレーの方の4つ、微妙にスジボリが
雑というかずれているというか(汗) とにかく小さいのです。

大きい肌色のキャストパーツの方は、アンクルアーマーに取り付ける用なのですが、実際
セットしてみると、もともとのパーツの厚みがありすぎて、全然使える品ではありせんで
した。こちらもやはり、市販のパーツの裏側を使って造りお越ししていくことになりま
す。








       


■サフチェックと整面処理

嗚呼、画像ヨコに並べればよかったですね。プラサフ吹きまできました。
最近は、こういう工程の画像を見られたい方が多いようですので、すこし多めに。とても
全てのパーツは掲載できませんが。


サフを吹く前に入念に表面処理をしておきますが、サフを吹くとやはり細かなヒビや気
泡、カケが発見されます。それをこの機会にとことんやっつけていきます。上手い人ほ
ど、この作業が少なくてすむ訳ですが。。。


さて、今回のキットの場合、細かいパーツが多く、そしてキャスト成型が上手くいってい
ない部分も散見できるので、結構欠けてなくなってしまっている部分を、薄いプラ板やア
ルテコパテなどで復元する作業がでてきます。とにかく、落ち着いてひとつひとつ丁寧に
形を整えていくしかありません。


ガレージキットの仕上がり品質の基本はこの作業にあり、またこの作業で差をつけたいと
ころです。一歩進んで二歩下がるようなプロセスが延々とつづきますが、眠くても眠って
はいけないのです。どんどんやらないと、何時まで経っても終わりません。これぞガレキ
の醍醐味といいますか。


今回は、特別メニューというか、パーツのスジ彫りにメリハリがなかったので、すべて掘
り起しをしたり、パーツ造形の谷間に位置する分割ラインも、後でスミイレが美しく入る
よう新規に掘り込んでいます。最後のフィン類のパーツなど、相当入れ込んで薄くシャー
プに仕上げています。水中メカのポイントですので。


この作業のため余計に表面処理の手間が増えてしまっているのですが、その報いはやはり
完成後の仕上がり感の愉しみということで。


製作レポートはこれて終わりです。



               投稿者: K                                    No コメント